後悔しないための薬剤師の転職マニュアル
突然ですが、薬剤師のあなたはこれまで転職をしたことがありますか?
もしくは、転職を考えたことがありますか?
今この記事を読んでいるということは、もしかしたら、転職を考えているけれど
「自分は、他の会社で、本当に通用するのかな…」
「今の職場より状況が悪くなることは無いだろうか…」
なんて、いろいろ不安に感じているかもしれませんね。
そして、
「どうやったら、今よりも良い条件で働けるのかな?」
なんて感じつつも、日々の仕事や家事に忙殺されて、自分がより良く働くための情報収集が後回しにしてしまい、気付けば、いつも悩んでばかり…なんて状態になってはいないでしょうか。
そんなモヤモヤしている状態は早く解消したいですよね。
申し遅れました、私は現役薬剤師のエリコです。
ここでは薬剤師が転職を計画するにあたって、また転職活動をすすめていくにあたって大切な視点、考え方、情報、テクニックなどのノウハウを詳しく紹介します。
このページで紹介されている情報を知ることで、あなたは薬剤師としてより良く働くために、自分が今すぐ転職すべきかどうか、また、転職するとしたらどのような転職方法が自分に合っているのか、
8分ほどで転職の始め方のポイントを理解できるはずですよ。
転職のことで不安になっている薬剤師さんに、脱・モヤモヤの第一歩を踏み出してほしい。そんなに風に思います。
それではまいります。
目次
- 1 薬剤師の転職 【成功例】と【失敗例】
- 2 薬剤師の転職 【よくある疑問】12つ
- 2.1 Q. 薬剤師の転職の場合、年齢ごとに知識やスキルなど、どんなことを求められているの?
- 2.2 Q. 薬剤師にとってベストな転職タイミングはあるの?
- 2.3 Q. 薬剤師の転職活動ってどれくらいかかるものなの?
- 2.4 Q. 薬剤師の場合、面接は何社ぐらい受けるもの?
- 2.5 Q. 転職活動は働きながらやるもの?辞めてからやるもの?
- 2.6 Q. 薬剤師の場合、ブランクが空きすぎると不利になる?
- 2.7 Q. 転職回数が多い薬剤師は印象が悪い?
- 2.8 Q. 薬剤師専門の転職サイトを使えば絶対大丈夫?
- 2.9 Q. 薬剤師が地方で仕事を探すときの注意点は?
- 2.10 Q. 未経験の職種にチャレンジしたいけれど、どうしたらいいの?
- 2.11 Q. 認定薬剤師や専門薬剤師、ダブルライセンスなど資格があるほうが転職は有利?
- 2.12 Q. 会社都合の転職の場合の注意点は?
- 3 薬剤師として 転職するべきか 迷ったら【自己分析】
- 4 転職活動を始めたら、まずは【薬剤師 求人探し】
- 5 気になる会社を見つけたら【企業研究】
- 6 わかりやすく伝える【応募書類の作成】
- 7 自分をプレゼンテーションする!【面接対策】
- 8 内定をもらったら【円満退社と入社準備】
- 9 まとめ
薬剤師の転職 【成功例】と【失敗例】
最初に、転職を経験した薬剤師さんの体験談をご紹介します。この体験談の成功例や失敗例を参考にして、あなたの転職も成功させましょう。
成功ケース1: 初めて調剤薬局に転職
駅近の医療ビルの近くのため、処方枚数が多く、漢方の処方もあるので経験が活かせるし、透析病院の処方も多くくるため、とても勉強になります。 在宅業務やクリーンベンチでの混注業務も行なっているので、いろいろな経験もできます。薬局の設備的にも、機材の種類も多く電子化されていて、監査システムなどもしっかりしているのもいいところでした。
一緒に働く薬剤師や医療事務のスタッフの人数も多いですが、みんないい人ばかりなので、人間関係のストレスは少ないです。
遅番の時は、忙しいと薬歴が終わらず、残業になってしまいますが、休みもしっかり取れますし、家が近いので、そんなに苦になりません。
中途採用は即戦力を求められがち。だからこそ未経験でも本当にやっていける職場を見つけるのは大切ですね。Mさんは設備や人間関係、自分のステップアップをしたいという目標に沿ったいい職場に転職できたよい例と言えるでしょう。
成功ケース2: 調剤薬局から病院薬剤師へ
病院経験は無いので不安でしたが、割と新しい病院のせいか、お局様のような人はおらず、薬剤部は和やかな雰囲気でした。
注射剤のことやクリーンルームでの作業は、なかなか覚えられず、間違えそうになることもありますが、丁寧に教えてもらえます。仕事は忙しいですが、有能なメンバーが多いので、業務はスムーズに進んでいるほうだと思います。
パートだったら長く続けられそうなので、今の環境に満足しています。
Fさんも未経験から病院勤務になりましたが、ご自身にとって環境の良い職場に転職できた好例です。
ご自身も責任感があり努力をする姿勢が周りからも好感を持たれ、職場から快く受け入れられているのが印象的です。転職先の環境ももちろんですが、ご自身の態度や姿勢も重要ですね。
失敗ケース1: 大手調剤薬局チェーンから中小薬局に転職
それまで勤めていた大手調剤薬局と比べると、小規模の薬局は勤務条件や危機管理など、いろいろルーズな気がしました。上司に問題提起をしても「今まで大丈夫だったから」と、なかなか響きません。
当時は細かいなと感じていましたが、大手は規則や教育制度がしっかりしていて、それを経験してしまったためか、今の薬局のルーズさに段々と耐えられなくなってきました。
自分には、やっぱりキチンとルールがある大手チェーンの方が合っている気がして、結局また転職することにしました…
Oさんのようなケースに該当する人は結構多いもの。最初が大手だと制度や法令重視のルールがきっちりしているため、「当然他社でも小規模でもやっているであろう」と思ってしまいがちです。
当たり前だと思っていることも、自分のイメージと職場の実情に相違が無いかをしっかり確認する必要があったと言えます。
失敗ケース2: 引越し先で調剤薬局に転職
結婚を期に、他県へ引越し。調剤薬局から調剤薬局へ転職。
管理薬剤師は若い男性。リーダーシップがなく、頼りない。問題改善にまわりのスタッフの協力も薄い。
給与には不満はなかったが、仕事がスムーズに進まないため残業も多い。
離職者が多く人出不足のため、妊娠しても中々辞めさせてもらえない。
産休を理由にやっと解放されたが、気力、体力ともに消耗してぐったり…
同じ業態への転職だと、「やることも仕組みもほぼ同じだし」と、あまり深く考えずに転職してしまうのはキケンです。お店のルールや歴史、人間関係にはどこも違いますからね。
Kさんのケースも面接や職場見学で気づけたかもしれない残念なケースの一つです。
失敗ケース3: 病院勤務から漢方薬局へ転職
大学病院に勤務し、チーム医療や病棟業務でも活躍。しかし、人間関係に悩み、ストレスで体調を崩す。
それをきっかけに、健康管理や予防医学について学びたいと漢方薬局に転職。
給与は下がったが、新店舗に配属され、やる気に満ちていた。
しかし、漢方相談が少なく、美容系に力を入れている店舗だったため、営業時間の大半を化粧品の販売に費やす。
美容部員なのか?薬剤師なのか?やりたいこととズレていたため悩み、半年経たずに退職。
やりたい事があって転職をする場合は、転職先で本当にその仕事ができるのか、事前の面接や職場見学でしっかり確認しましょう。他店異動もしていないことから、他店も同じスタイルだったと考えられます。今回ケースも、漢方の比率を確認することで回避できたと考えられます。
失敗ケース4: 調剤併設のドラッグストアに転職
ドラッグストア勤務。将来薬局開業も視野に入れ、調剤併設のドラッグストアに転職。
処方せんの受付枚数は少ないため、働きながら学べば余裕だと思っていた。
保険制度や医療用医薬品の勉強は独学。一人調剤の時間もあり、不安と焦りでミスを連発。
ほどなく、OTCメインの店舗に異動させられてしまい、自信喪失。
Tさんのように独学で学ぶ姿勢はとても素晴らしいことですが、初心者の場合は、研修制度や先輩のサポートが手厚いことも大切。せめて薬剤師の人数が多めのところに配属されるとよかったですね。
こうした失敗ケースの多くは情報収集や選考への対策、事前の確認が不十分なまま、いわゆる「行き当たりばったり」で転職してしまい「こんなはずじゃなかった」と後悔するケースがほとんどです。
逆にいえば、情報収集と準備さえ、しっかり行えば、納得感の高い転職につながる可能性は高いということです。
薬剤師の転職 【よくある疑問】12つ
では、次に薬剤師さんが転職を計画するにあたってどんなことに不安を抱いているのか、紹介していきたいと思います。転職を考える多くの薬剤師さんが悩みがちなポイントをまとめました。
Q. 薬剤師の転職の場合、年齢ごとに知識やスキルなど、どんなことを求められているの?
20代 薬剤師の場合
基本的なビジネスマナーは必須。経験にはそこまで期待されていない分、若さと行動力、入社後の伸びしろに期待されています。
自分の良さやスキルを上手にアピールできれば、未経験 職種でスキルアップのための転職も可能です。
30代 薬剤師の場合
即戦力としての知識と経験に期待されています。職種によってはマネジメント経験も高く評価されます。
まずは自分の希望を明確にして、優先順位をつけることが大切です。そして自分のライフスタイルに合った働き方を選びましょう。
40代 薬剤師の場合
やはり、求めらるのは即戦力、マネジメント能力。また、年長者として集団をまとめられる精神的な安定性は必須です。
長期的に働き続けられるという安定感はアピールできるのですが、問題は、20代30代よりどうしても給与が高くなる傾向にあること。そのため、経験が少ない人は応募書類・面接で人柄やポテンシャルを評価されないと採用は厳しいでしょう。
特に、自分の働き方を変えられない人は要注意。今からでも学びたい、たとえ若い人のなかでも積極的に学んでいくという意欲をアピールする必要があります。
Q. 薬剤師にとってベストな転職タイミングはあるの?
ボーナスの時期(7月、12月頃)や年度末(9月、3月頃)は退職者が増えるため、それに伴って求人数も増えます。そのため、より良い条件での求人が出てくる可能性があります。
しかし、それらの時期は求職者も増える時期であるため、競争率もアップします。
求人数が多い時期を待っていても希望に合った求人が出てくるというわけでもありませんから、求人数が多いことと、自分の理想の職場が見つかることは必ずしもイコールではないことを頭に入れておきましょう。
Q. 薬剤師の転職活動ってどれくらいかかるものなの?
転職活動開始から入社まで、一般的には3ヶ月~半年ほど、と言われています。
しかし、薬剤師の転職活動期間は、リクナビ薬剤師によると調剤薬局の場合で 3週間~1ヶ月ほどと言われています。一般的な転職活動期間から考えると、薬剤師の転職活動期間は短い傾向にあるようです。
転職活動のステップは、このような流れで進むことが多いのですが、情報収集から応募まで、一人で転職活動を進める場合、諸々考えると1ヶ月以上に及んでしまうこともあります。
人材紹介会社を利用すると、条件に合った薬剤師求人があれば、登録したその日から最短3日ほどで転職先を紹介してくれる会社もあります。
さらに、応募書類作成や面接対策、選考日の調整などもサポートしてもらえるので、かなりの時短になります。「働きながら転職活動する人」や「転職を急ぐ人」は紹介会社の利用がオススメです。
管理薬剤師の方は、後任の確保が難しい環境であるなら、「〇ヶ月先に入社できるよう現職場に交渉してみます」と事前に転職先に伝えて、引継ぎ準備をしておくと安心でしょう。
Q. 薬剤師の場合、面接は何社ぐらい受けるもの?
薬キャリAGENTの転職コンサルタントによれば、最低3社は面接を受けてみることをオススメしているようです。
理由は「似た条件の事業所があるため、しっかり比較した上で入職先を決めた方がよいから」とのこと。
たしかに、数社比較することにより、自分でも気がついていなかった希望条件が分かり、より満足度の高い転職ができそうです。機会が多いほど採用の可能性も高まります。気になる会社があれば、数にこだわらず積極的に応募してみましょう。
もし他社の面接で、「他にも応募しているところはあるか」と聞かれたときには、正直に答えても大丈夫ですが、「第一志望は○○です」と伝えておくこと。さらに、その理由も合わせて話せるようにしておくことが大切です。
Q. 転職活動は働きながらやるもの?辞めてからやるもの?
一般的には、在職中に活動を始める方がよいと言われています。
理由は、もし仮に納得できる会社が見つからなかったとしても、焦って妥協してしまうことも、経済的に不安定になることはないからです。
転職活動の時間は平日の勤務前後と休日に限定されてしまいますが、スケジュールを立て、計画的に取り組めば実現可能です。
仕事で時間がとれず、面談や電話連絡がとりにくいことを理由に、転職エージェントの利用を見送っている人は、事前に状況を伝えておけばエージェントがフレキシブルに対応してくれるはずですよ。
Q. 薬剤師の場合、ブランクが空きすぎると不利になる?
退職後から長いブランク(空白の時間)があると、採用側としては「何か働けない理由があるのかな?」「仕事の感覚が鈍っているのでは?」と気になるものです。
ヘンに隠し立てしてしまうと「働きたいのに仕事が見つからないのかな?もしかして、何か人に話せないような問題を抱えている人なのかな?」と不安に思われてしまうこともあります。
基本的にはブランクの理由を正直に伝え、ブランクの間は自己啓発やスキルアップを図っていたなど、マイナスイメージを払拭するような伝え方をするのがベターです。
また、ブランクがあり、かつ実務経験が浅い人は、積極的に学んでいくという意欲もアピールする必要があります。
薬剤師の復職・ブランクに関する記事はこちら
Q. 転職回数が多い薬剤師は印象が悪い?
薬剤師で転職回数が多いということは、色々な会社を知っているということで、アピールポイントにもなり得ます。
それぞれの職場にはどんな目的で転職し、どんなキャリアを築いたのか。きちんと納得できる理由が説明できるように備えましょう。
ただし、あやふやな説明はNG。「責任感が薄いのでは」「ストレスに弱いのでは」「採用してもすぐに辞めてしまうのでは」というネガティブな印象を持たれてしまいます。
Q. 薬剤師専門の転職サイトを使えば絶対大丈夫?
昨今の薬剤師向け求人サイトや人材紹介会社は実に色々で、登録するだけで様々な求人情報やサポート得られる非常に便利なサービスとなっています。
ただし、登録しただけでは何も起こりませんし、いつまでも受け身の姿勢では採用は決まらないまま、時間だけが過ぎてしまいます。
何より「この職場で働いてみたい!」という気持ちがないことは採用担当者にも見透かされます。
自己分析でどんな仕事で活躍したいのか明確にして、業界研究や企業研究をし、主体的に取り組んでいくことが大切です。(自己分析についてはこの後に説明していきますので安心してくださいね)
転職サイト・コンサルタントに関する記事はこちら
Q. 薬剤師が地方で仕事を探すときの注意点は?
薬剤師の地方への転職は、Uターンでも、Iターンでも、場所によっては高年収・高待遇の場合もあります。
しかし、そもそも求人数自体が都市部より少なく、働ける場所は限られている点には注意が必要です。
地方によっては海や山などの自然が身近、生活費が安いというメリットがありますが、都市部とは異なる密な人間関係や、商業施設が少ないことにストレスを感じる人には向いていません。
その地方への転職で何をしたいのか、はっきりと目的を持つことが大切です。
スキルアップ目的の転職を考えるなら、東京など、そのエリアの中心都市であれば、最新情報も入手しやすく、病院や企業、教育機関が集まっているので、様々な業種や職種から選ぶことができ、転職先候補が比較的見つかりやすいというメリットがあります。
自分のライフプランに合わせて、満足のゆく転職場所を見つけたいものですね。
Q. 未経験の職種にチャレンジしたいけれど、どうしたらいいの?
未経験職種に応募するときは、「意欲」がポイントです。
必要な知識は自ら進んで学び取り、短期間でスキルを身につけ、即戦力となれることをアピールしましょう。
また、これまでの経験で活かせそうなことがないか、今一度自己分析したり、その会社をよく研究して、自分はどんな力を身につけるべきか、そのためにこれから何ができるのか考えてみましょう。
「経験不問」「未経験者歓迎」という求人は自社での教育体制ができている場合と、経験者が集まりにくい場合が想定されます。会社の意図をよく汲み取り、どうアピールするのがよいか戦略を練るとよいでしょう。
未経験で転職を考える薬剤師はこちらの記事をチェックしてみてくださいね
Q. 認定薬剤師や専門薬剤師、ダブルライセンスなど資格があるほうが転職は有利?
薬剤師 国家資格以外の資格については、募集している職種に合っていれば有利となることもあります。
応募資格はもちろん、履歴書、職務経歴書に書かれているこれまでの経験も大切ですが、それ以上に、これからその会社に入って「何ができるのか」「どんな戦力になりえるのか」をしっかり伝えることが重要です。
資格が絶対条件でなければ、現在資格を持っていなくても「必要な資格を取得するために勉強中です」という姿勢も十分評価されます。
薬剤師の認定薬剤師や専門薬剤師、ダブルライセンスに関する記事はこちら
Q. 会社都合の転職の場合の注意点は?
会社都合で退職した場合、応募書類には本人の問題でなければ「業績不振による会社都合により退職」などと簡潔に書いておき、面接で質問された場合に話すようにしましょう。
ただし会社の悪口や批判は控え、簡潔に話しましょう。その中で、会社のためにどんな努力をしたのか、ポジティブな面をアピールできるといいですね。
薬剤師が感じる転職についての不安を紹介しました。あなたの疑問も少しは解消されたでしょうか。
これで心置きなく転職できる!といいたいとこですが、もう一つだけ、考えてみてもらいたいことがあります。それは、転職活動を始める前に、
あなたは本当に転職すべきなのか?ということです。
また、もし転職するとしたら、これからはどんな職場を探したらいいのでしょうか。
迷える薬剤師さんのために、次は自己分析のやり方を紹介しましょう。
薬剤師として 転職するべきか 迷ったら【自己分析】
転職では、基本は応募書類や面接という限られた中で、自分の能力を伝えなければなりません。それには、自分で自分の能力を把握していなければ伝えることはできないはず。
もし転職するべきか迷っているなら、
- 転職の目的を明確にする
- 自分の強み・弱み、スキル・キャリアの棚卸しをする
- アピールポイントを明確にする
まずはこれらを客観的に整理してまとめてみることが重要です。
それぞれ詳しく見ていきましょう。
転職の目的を明確にしよう
会社や仕事が気に入らないからと、すぐに会社を辞めて転職しても、次がうまくいくとは限りません。自分の状態や状況をじっくり冷静に検討したうえでなければ同じことの繰り返しになりかねません。
- 会社を辞めたい理由
- 現職のまま・転職するとことで解決できる方法
など、それぞれ考えてみましょう。
もし、今の会社で解決できない問題だとして、行き当たりばったりの転職活動は途中で、迷ったり、自信を無くしてしまったりして難しいもの。転職できても心から納得して選んだ会社でなければ、また辞めたくなってしまうかもしれません。
そんな時には、転職に期待することを書き出し、優先順位を整理してみましょう。
仕事内容
調剤薬局、ドラッグストア、病院、企業(メーカー・卸)、治験関連、希少な仕事など
自分は薬剤師の業種・職種など、どんな仕事にやりがいを感じるのか。また、その業種・職種のなかで「自分のできること」・「これからチャレンジしたいこと」など考えてみましょう。
雇用形態
正社員、契約社員、パート、アルバイト、派遣など
働く企業によって雇用形態ごとのルールは異なりますし、同じ会社であっても、雇用形態によって給料はもちろん、勤務時間や待遇も異なります。
いずれの雇用形態にも、メリット・デメリットはあります。雇用形態を理解して、どの働き方が自分の生活にあっているか考えましょう。
勤務条件
土日休み、年間休日120日以上、未経験・ブランク、産休・育休取得実績あり、残業なし、漢方、在宅、大手企業、管理薬剤師、一人薬剤師、研修制度充実、独立支援制度ありなど
近い将来のライフスタイルを考え、どんな働き方がしたいか、自分にとって絶対に譲れない条件は何なのか、考えてみましょう。どのくらい働きたい・休みたいかも、明確にしておけるといいですね。
年収(給料)
時給、月収、年収、賞与(ボーナス)、手当など
月々の生活費の他に、自分や家族の将来のために必要な金額はどのくらいでしょうか。最低いくら稼ぐ必要があるのか、をもとに希望年収(月収)の金額を決めておきましょう。
この金額が決まっていれば、条件交渉がしやすくなります。「いきなりこの金額は難しいけれど、○○業務をできるようになったら、昇給で〇〇円にするのはどうでしょう?」など、柔軟な交渉ができるかもしれません。
企業側が示している募集内容と、あなたが示す希望金額がかけ離れている場合は、自分にその価値があるのか、これまでの給与や経歴・実績とともに、客観的なデータを示し交渉する必要があります
勤務エリア
北海道・東北、関東、関西(近畿)、中部、北陸、中国・四国、九州・沖縄 など日本全国
家事をやる時間を確保したい、子どもの幼稚園・保育園、習い事の送迎時間がある、できるだけ家族と過ごす時間を確保したいなどの理由から、家の近くで働くことを希望する人も多いと思います。
結婚、出産・育児、家族の介護などのライフイベントによってライフスタイルが変化するなかで、場合によっては年収より大事な条件かもしれませんね。
全国・グローバル展開している企業であれば、辞令により転勤せざるを得なくなることもあります。
勤務地を重視する人は、雇用形態や転勤の有無はもちろんですが、家から通える範囲で 希望する勤務地以外の勤務となったらどうするか、なども考えておくとよいでしょう。
こうした作業は、いざ転職活動を始めたときには、じっくり考える余裕がなくなります。事前に明確にしておけるといいですね。
自分の強み・弱み、スキル・キャリアの棚卸しをしよう
転職では、応募企業が求めているポイントをつかみ、会社ごとにアピールのしかたを変えるのも手です。
特に、自分の「強み」は、恥ずかしがらずに しっかりアピールすべきです。自分は何ができるのか=自分の強みを書き出し、把握しておきましょう。
また、転職活動では、強みだけでなく、自分の「弱点」についても把握しておく必要があります。
弱点は誰にでもあります。大切なことは、自分自身で弱点をわかっていて、その上で弱点を補うために何らかの対処をしているかどうかです。
仕事上の失敗についても「その失敗から何を得たか」をセットで把握しておけば、今後の改善・成長につなげられます。
面接で弱点や短所を質問されたとき、あわてず答えられるように、あらかじめ書き出して整理しておきましょう。
アピールポイントを明確にしよう
これまでの経歴を羅列するだけではアピールとしては不十分。その強みが会社の求めるスキルやキャリアなどにマッチしていなければ、あまり意味がありません。
応募する会社の募集要項や企業研究から、求められているスキルなどをつかみ、それに対して、自分のスキルやキャリアがどう貢献できるのかを考えます。
現状不足しているキャリアなどは自己啓発などで補っていけると、そうした努力もアピールポイントとなります。
何をアピールすべきかが明確になると、ブレない転職活動ができるようになりますよ!
自己分析について詳しく知りたい方はこちらのページもご覧下さい
”転職”は、内定をもらって入社することで、本当の意味でスタートラインに立ちます。
入社後に到達したい将来の目標(キャリアゴール)を設定し、目標を実現するための計画(キャリアプラン)を作成。その実現に向けて行動することが大切です。
ぜひ、ワクワクするような、5年後、10年後の自分をイメージしてくださいね。
それでは、いよいよ転職活動を進めて行くにあたって必要な、情報収集について見ていきたいと思います。
転職活動を始めたら、まずは【薬剤師 求人探し】
転職の目標がある程度決まったら、その目標に合った求人情報を探します。
求人情報を手に入れるには、いくつか方法があります。 それぞれの特徴を紹介しますので自分に合った方法を選びましょう。
店頭募集や企業のホームページ
もし働きたい職場があるのなら、まずは、店頭の張り紙や企業のホームページで求人がないか調べましょう。企業のホームページは、載せている情報が最新でないこともあるので、問い合わせフォームから募集があるか問い合わせてみるのもよいでしょう。
働きたい場所が決まっていなくても近所の店頭募集の張り紙を見て、時給や給与の相場感を得ておくのも転職活動に役立ちます。
人脈(元同僚、元上司、友人、知人、親戚など)
親兄弟や知人の紹介で就職する縁故採用は、薬剤師の業界でも意外と多いですよね。
すでにお互いをよく理解している間柄ならミスマッチも少ないですし、わざわざ厳しい選考を受けずに採用してもらえるのは大きなメリットです。
日頃から様々な人に自分のキャリアビジョン、将来ビジョンを発信しておくことで、それを聞いた相手は、関連する情報に触れたときに貴方のことを思い出してくれて、思いもかけなかったいい情報がある日舞い込んでくるかもしれません。
ただし、人脈を使った転職には以下のようなリスクがあることだけは覚えておきましょう。
- 断りづらい
→ 紹介してくれた人の手前、短期間での退職はしづらいです。コネの活用はアリだと思いますが、入社後のことも視野に入れてよく検討しましょう。
- 聞いた話と現実にギャップがある
→ 紹介者とのつながりだけで入社を決めず、入社後一緒に働く人とも話をさせてもらいましょう。自分の能力を発揮できなければ「しょせんはコネ…」と周囲の冷ややかな視線は避けられません。
- 口約束だけで後々トラブルに発展
→ 口約束だけで入社を決めずに、労働条件を文書にした通知書を受け取っておくことも大切です。安心感から油断し、給与などの条件面をしっかり確認せずに入社し、あとで「話が違う」といったトラブルも意外と多いようです
求人誌や新聞の折り込みチラシ
駅・コンビニなどで無料配布されている求人誌や新聞の折り込みチラシなどは、エリアに特化した求人情報が掲載されています。勤務地を限定して探したい人には向いています。
パラパラとめくってみることで多様な求人情報を短時間でチェックすることができ、もともと想定していなかった業種・職種で興味をひく仕事が見つかることもあるかもしれません。
ただし、取り扱う仕事のほとんどはパート・アルバイトの求人情報です。
転職フェア・セミナー(合同説明会)
人材紹介会社やハローワークが主催する転職フェアでは求人企業が会場内にブースを出展し、来場者と面談します。
一度に数十~数百の複数企業から、企業の最新かつリアルな情報を収集できます。
人事担当者だけでなく、実際に配属される現場の担当者がブースに立つこともあり、応募前に仕事や職場の話を直接聞けるというメリットがあります。
もともとあまり興味をひかれなかった企業でも、たまたま話を聞いてみて興味を持てたり、採用担当者との思いがけない縁につながるかもしれません。
また、職務経歴などで不安要素がある場合も、転職フェアに足を運び「人柄」をアピールすることで、また会いたいと思ってもらえる可能性があります。
その他、履歴書・職務経歴書の書き方、面接の受け方などのセミナーも開催されています。
転職フェアは比較的若い人向けのイメージがありますが、中高年向けのフェアが開催されることもあります。こまめに情報をチェックするといいでしょう。
ハローワーク
全国各地に設置されています。ハローワークを利用して求職活動をするには、最寄りのハローワークで求職申込みが必要です。申込後、窓口で応募したい企業への紹介状を出してもらうことで応募できます。
窓口では職業相談ができるほか、職業訓練も行われているので、転職の武器となる技能や資格を身につけることも可能です。
取り扱い求人数は非常に多く、求人サイトには出てこない小規模会社の求人にも出会えます。
採用側が利用する求人媒体の仕組みについて詳しく知りたい方は雇われる側も知っておくべき、薬剤師の人材採用についてのページもご覧ください
情報収集といって、求人情報に書かれた内容だけを見て転職先を決めてしまう薬剤師は意外に多いようですが、求人情報に載っていることが、本当に実情と合っているのかは、必ず確認しましょう。
たしかに、最初にどの薬局・企業に応募しようか考える際は、求人情報しか手掛かりがなく、その中から選別することになるかもしれません。
しかし、求人情報で載せられる内容には限りがあります。企業側も求人情報に、その会社のすべてを書くことはできません。
また、載せている情報はそのほとんどが基準とする情報や規定上のもの。そのため、実情とかけ離れてしまっていることもあるので注意が必要です。
次は、そんな企業の実情を調べる企業研究のやり方を紹介します。
気になる会社を見つけたら【企業研究】
企業情報を見るときには、自分が目指すキャリアの方向性、優先したい条件などを意識してみます。
まず最初に目を通すのはやはり企業のホームページでしょう。
- 取り扱い製品・サービス
- 取引先
- 組織体制
- 経営理念・社長のこだわり
- 人材に対する考え方
- 社員の声
- ブログ・SNS
- 新卒採用ページ
- 第3社が発信する企業情報
上記のような内容が記載されていますので、それらの情報をもとに自分の希望にマッチしているかどうかを見極めます。
また、「社名」「社名 + 社長名」「社名 + 商品・サービス名」などで検索してみましょう。その会社について、新聞や雑誌の記事、社長インタビューの記事、評論家や個人ユーザーの反応が見つかります。
書かれている内容が真実かどうか、すぐに判断することは難しいものですが、ぜひネットの情報だけを鵜呑みにせず、自分自身で確かめてみるという癖をつけてください。
ネガティブな見出しや悪い評価を目にすると「火のない所に煙は立たない、何か問題があるはず」と思いがちです。しかし、個人的な動機からそうした書き込みをしている人、その企業の評価を下げることで得する企業や団体もありますし、会社側が改善の努力をして現在は問題が解消されているケースもあります。
わかりやすく伝える【応募書類の作成】
志望する企業に応募する際には、履歴書と一緒に「職務経歴書」を作成し、提出します。
異動や転職回数が多い人の場合、社会人1年目から書き並べていくと膨大な量になってしまうこともあります。応募書類を読む採用担当者は書類が3枚以上になると読む気が失せるという話を耳にします。
職務経歴書は「わかりやすさ」も大切です。ちゃんと読んでもらえるのは2ページ目までと考え、なるべく2枚以内に収め、かつその中で、「その経験によって何を学んだのか」など、自分のアピールポイントを盛り込んでいくことです。
応募書類の作成について、詳しくはこちらの記事もどうぞ
自分をプレゼンテーションする!【面接対策】
面接は、応募書類をベースに、一般的にはこのような流れで進んでいきます。
面接で「ありのままの自分を伝えればよい」「最大限に自分をアピールしよう」「企業からよい評価をもらおう」と考える方が多いと思います。
しかし、面接で本当に大切なのは相手企業のニーズを踏まえて、自分がそのニーズに合う人材であることを「プレゼンテーション」することです。面接では「双方向」の理解が必要です。
もちろん応募者側が企業を見定める場でもありますので、あくまでも対等な立場で、お互いの
「Will(やりたいこと)」「Can(できること)」「Must(やらなければならないこと)」をすり合わせ、判断していきます。
面接対策について、詳しくはこちらの記事もどうぞ
内定をもらったら【円満退社と入社準備】
内定を受けた企業に入社すると決めたら、在籍中の会社に退職交渉に入ります。
退職までのスケジュール
いきなり退職届を提出するのではなく、まずは直属の上司に相談します。
それぞれの会社の就業規則や担当業務によりますが、概ね以下のような流れとなります。
- 退職2か月前: 上司に退職を申し出る
- 退職1ヶ月半前~1ヶ月前: 上司と相談しながら退職日を決定し、退職願を提出
- 退職10~20日前: 上司と相談しながら、業務の引き継ぎ・挨拶回り、健康保険・年金・税金の手続き確認
- 退職日: 会社に返却するもの・こちらが受け取るものなど最終確認
引継ぎ資料の準備
退職日が決まったら、区切りのよいところまで仕事し、残りは後任に引き継ぎます。
引継ぎに必要な内容は業務によって異なりますが、やるべき内容をリスト化し、重要度やポイントがわかるようにまとめます。このとき資料は、誰が見てもわかるように、できる限り詳しくまとめておくことが大切です。
- 業務の目的と意義
- 業務の進め方と特に注意すべきポイント
- 取引先や社内関連の部署の担当者リスト
- 業務に必要な書類・参考資料
- 退職後の自分の連絡先
このような資料を準備した上で、可能であれば後任と一緒に確認しながら引継ぎ業務にあたれると安心です。
退職しても、社内や取引先の方々と、どのような形で出会うかわかりません。
できる限り「立つ鳥後を濁さず」で、自分が抜けた後も仕事がちゃんと回っていくよう、「後任となる後輩を育てておく」「引継ぎのノウハウや資料をきっちり整えておく」など、極力準備をしておきましょう。
中途入社した際に心がけること
転職のゴールは「採用されること」ではありません。新しい職場で、期待以上に活躍できるために心得ておきたいこともお伝えします。
- 早めに出社する
- 自分から進んで挨拶をする
- これまでの実績やキャリアを自慢しない
- 前の職場と比較したり、現状を否定するような言い方はしない
- 雑用でも嫌がらない
- 業務遂行上、必要なことは素直に質問する
- 仕事の範囲を自分で限定しない
また、経営者に近い管理職などのポジションで転職した場合、最初はコミュニケーションを密にとることを意識しましょう。
内定後のポイントを詳しく見たい方はこちらの記事もどうぞ
以上、薬剤師が転職を計画するにあたって、転職活動に潜むリスクを正しく理解するとともに、転職活動においての大切な視点、考え方、情報、テクニックなど、成功のためのちょっとしたノウハウなどをまとめて紹介ました。
自己分析のやり方や志望動機の伝え方、履歴書や職務経歴書など、応募書類を作成する際のテクニックや、自己PRのポイント、円満退社・入職準備に関するビジネスマナーなど、さらに薬剤師の転職活動を有利に進める方法を、詳しく知りたい方は、薬剤師の転職ノウハウのページもご覧ください
まとめ
薬剤師として 自分自身のスキルアップは怠らずに!
薬剤師の後悔しない転職をするためのノウハウを色々と紹介してきましたが、いざ転職したいと思った時に、どんな企業でも欲しいと思ってもらえる人材となれるよう、常に自分自身のスキルアップを意識しておくことも大切です。
どんな企業からも「何としても欲しい人材」と思ってもらえるような選ばれる人材になれれば、転職活動がとても楽になりますし、企業側にどんな質問をしても真摯に答えてくれるはずです。
終身雇用・年功序列といった従来の日本の雇用システムが崩れつつある現在、薬剤師でもリスクをとらないことがリスクになる時代といえるかもしれません。
敢えて厳しい言い方をするならば、会社のレールに乗っていれば安心だった時代は過去のものとなり、会社に依存するのではなく、自分のキャリアや価値は自分で見いだしていくことが必要であり、そこに正解や安定は期待できません。
薬剤師としてのキャリアプランを常に意識しながら、いくつもの選択肢を持ち、時には大きな方向転換によって自分の価値を高めていくことも視野に入れて、ぜひ、これからの働き方を考えてみてくださいね。
脱・モヤモヤの第一歩を踏み出し、自分らしく、薬剤師として、より良い働き方ができますように。
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