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ブランクのある薬剤師におすすめの勉強法と転職に向けて準備すべきポイント
女性が多く活躍する薬剤師という職業では、結婚・出産などによる仕事のブランクがあっても、ママさん薬剤師としてパートや派遣で調剤薬局やドラッグストアに復帰して活躍し、家事と仕事を両立して頑張っている人がたくさんいます。
そうはいっても「知識やスキルが足りているか不安…」「本当にブランクがあっても大丈夫なの?」と、復帰に悩んでいる人も多いのではないでしょうか。
ブランクのある状況から復帰するにあたって、ファルマスタッフを始めとした、eラーニングや講習会、研修などのサポート特典が多い人材紹介会社を利用するという方法もありますが、育児中などの理由で「勉強時間がほとんど確保できない」という薬剤師もいると思います。
↑ ひと昔は紙の薬歴管理で良かったものが、電子薬歴は当り前となり、復帰の際にはITシステムの利用など、求められる基本的スキルのベースが上がっている…なんて感じるかもしれません。
今回は、そんな不安を抱える薬剤師が、できるだけ効率的に復帰するためにおすすめの勉強法や参考書籍や参考サイト、薬局や人材紹介会社各社が行っている研修サポートサービスなどを紹介していきます。
後半では面接の準備、子どもの預け先や家事の分担など、ブランクから復職を目指すママ薬剤師が準備すべきことも紹介しますよ。
こちらから便利な比較一覧表がご覧いただけます。
復帰後、業務で覚えることや目の前の仕事をこなすことに日々追われ、勉強がはかどらず、仕事についていけなくて挫折してしまった…ということがないように、事前にこの記事で復職時の勉強方法をしっかり確認しておきましょう!
調剤薬局に復帰したママ薬剤師。その勉強法とは?
10年のブランクは、まさに「浦島太郎状態」!?
出産・子育てで病院勤務を辞めてから10年。
このママさん薬剤師曰く、10年というブランクは、まさに「浦島太郎状態」だったそうです。
まず、どんなことを勉強しておけばいいのか―
- 調剤の基礎… 計数調剤や軟膏の混合の仕方など
- 疾患と薬剤について… 代表的な疾患や薬剤、新薬について
- 薬歴管理… POSの考え方に基づきSOAP形式での薬歴の書き方や考え方
- 法律や関連法規… 医療保険制度や調剤報酬などの関連法規など
しかし、最初から気合を入れ過ぎるとリタイヤしやすい…ということで、
彼女が仕事復帰に向けて、取り組んだ勉強法のポイントは大きく4つ。
- 保険制度や法改正について
- 情報誌やインターネットの活用
- ナース向けの薬の本の活用
- 職場や求人サイトの研修制度の利用
子育ての合間をぬっての勉強は、「いかに効率良く勉強するか」がカギだそうです。
ポイント1: 保険制度や法改正について
調剤報酬・薬価改定は2年に1度ありますので、現役の薬剤師でもトレンドに追いつくのは大変です。
ブランクのある薬剤師がこれらすべてを把握しておくのは難しいことかもしれませんが、ポイントは押さえておくようにしましょう。
保険制度や法改正はアンテナを張って最新の知識を押さえる
薬局では薬価や保険点数について質問を受けることも多くあります。
少人数の職場では薬剤師がレセプトや処方せんの入力を兼務する場合もあります。一般名処方やジェネリック医薬品推進にともなう制度や決まりも複雑化しています。
OTC医薬品においても、平成26年6月12日より制度改正があり、第一類医薬品だったものの一部が、要指導医薬品という新しい区分に分類され、劇薬指定の薬とともにネット販売禁止となりました。
薬剤師による対面販売を行い、文書を用いた説明と販売記録の作成も必要となりました。
このような時代の流れを理解していないと、“患者さんに聞かれた時に答えられなくて不信感を与えてしまった”ということにもなりかねません。
そのため、保険制度や法改正にもアンテナを張って最新の知識を仕入れておかなくてはならないのです。
「患者目線」で必要と思われる部分から勉強!
家事や子育ての合間をぬっていては、まとまった勉強時間は確保できません。
ママさん薬剤師は短時間で効率よく勉強するために
『項目毎に区切って、さらに自分や家族が受診したら気になることは何か?を考え、重要視する項目を順位付けして、必要と思われる部分から勉強する』
という勉強方法で乗り切ったそうです。
ポイント2: 情報誌やインターネットの活用
実際にママさん薬剤師が取寄せた情報誌は「保険調剤の手引き」と「日経DI」。良く見たWebサイトは「薬事日報」だそうです。
- 「保険調剤の手引き」
各都道府県の薬剤師会が発行する、基本的な調剤のルールブックです。
このルールに基づいて保険請求が行われます。会計や問い合わせ業務など全てに関わってきますので、最低限、一通り把握しておく必要があります。
※ 例:東京都薬剤師会 - 「日経DI」
日経ドラッグインフォメーション(日経DI)は定期購読している職場が多く、最新トピックスの入手におすすめです。勤務中は忙しくて目を通す余裕がない人も個人で取り寄せも可能ですし、インターネットサイトに登録するとさらに情報量も多いです。
※ 参照:DIオンライン - 「薬事日報」
薬業界の新聞。業界の動向、政府の方針などの最新ニュースが確認できます。
医薬関連の研修会やセミナーなどの開催情報も広く掲載しています。
※ 参照:薬事日報ウェブサイト
ポイント3: ナース向けの薬の本の活用
復帰に向けて、次々開発される新薬の情報収集も必要です。
調剤業務に関わる薬剤師の愛用書「今日の治療薬」は、透析患者への投与の目安データなどが独自で載っていて日々の業務ではかなり活躍します。
しかし、一冊丸々読み込むのは時間もかかり、薬の作用機序を理解するにも、ブランクでカチコチになった脳に吸収するには労力が必要です。
そんな時に活躍するのが看護師向けに作成された薬の本です。
薬の勉強用に、ママ薬剤師が選んだ 2冊
- よくわかる薬理学の基本としくみ
薬が「××系」といったくくりで解説されているので、薬の作用が直感的につかめます。 - ナースのためのくすりの事典
薬事典としても読みやすく、さらに、患者・家族への指導用として、すぐに使える具体的な記述がまとめられています。
これらの書籍は薬剤師でなくとも理解しやすいような表現や図が使われているので読みやすく、実際に患者さんの説明にも使える表現も学べるので一石二鳥だったようです。
ポイント4: 職場や求人サイトの研修制度の利用
勉強や情報収集は一人でやるのには限界があります。
そこで上手に活用したいのが、大手の調剤薬局チェーンや人材紹介サービスが主催する「復職支援プログラム」です。
ママさん薬剤師の場合は、教育制度やマニュアルがしっかり整った薬局に転職できたため、課題やチェックテストが用意され要点がまとまっていたので、より効率よく勉強ができたそうです。
最近はe-ラーニングをはじめとした独自の教育システムや研修制度を設けているところがあります。
その他に、職場に実際に行って研修を受けるOJT・OFF-JT(職場内訓練・職場外研修)を実施しているところもあります。
基礎的な知識やマナーを取り戻していくプログラムであったり、SOAP形式による薬歴記入の指導や新しい技術や概念を習得するためのセミナーであったり、調べてみると色々開催されています。
調剤薬局で働く人を対象とした短期の研修なら、薬の知識・薬事法・保険制度の勉強、薬歴記載方法なども勉強できる実践的な内容になっています。(通常3日程度)
もし自分1人での勉強に自信がない人は、こうしたバックアップ体制を利用してみましょう。
未経験やブランクありでも安心の研修サポートを行っている企業の例
- 日本調剤
薬剤師教育を薬局運営における最優先課題と捉え、全国の各支店に教育情報部を設置。
「15ステップアップ研修」というe-Learningスタイルの学習環境が整えられていて、これに連動したテストをクリアしながらステップアップを目指せます。
※日本調剤の求人情報を探すなら、グループ会社が運営する「ファルマスタッフ」の利用がオススメです日本調剤の教育・研修制度について、詳しくは、業界売上 第2位!【日本調剤】の評判を徹底検証!のページをご覧ください - アイセイ薬局
中途採用の場合、調剤薬局の現場は未経験の転職や、ブランクがあっても安心な、独自の研修プログラム「@pharm」があります。
※アイセイ薬局の求人情報を探すなら「お仕事ラボ」。グループ会社が運営しているので求人情報が豊富ですアイセイ薬局の教育・研修制度について、詳しくは、ブランクのある薬剤師でも働きやすいとの評判あり【アイセイ薬局】とは?のページをご覧ください - 薬樹
通信講座はもちろん、マンツーマンで教えてくれる人が付いたり、定期的な勉強会なども用意されています。
※薬樹の求人情報を探すなら「マイナビ薬剤師」。薬樹の求人情報が比較的多いと評判です薬樹の教育・研修制度について、詳しくは、仕事と育児の両立をサポート!調剤薬局 【薬樹】の評判を徹底検証のページをご覧ください
未経験やブランクありの方のためのサポート特典がある転職サイトの例
- ファルマスタッフ
派遣薬剤師については競合他社より教育研修制度が整っており、新薬や最新の治療方法に関する講習が受けられたり、日本薬局学会主催のファーマシーセミナーの参加費補助もあります。
また、有料ですが、あの日本調剤の教育専任スタッフが取捨選択して作成した、実務直結型eラーニング「JPラーニング」で、医薬品・疾患をベースにした実務知識から保険薬剤師に必要な法律や保険制度まで、薬局で必要な知識・技術が学べます。
→ ファルマスタッフ 公式で詳細を見る - マイナビ薬剤師
薬剤師のための情報サイト「薬+読」の会員限定コンテンツで、「添付文書検索」「服薬指導説明文」「動画」のコンテンツの利用が可能です。
→ マイナビ薬剤師 公式で詳細を見る - ヤクジョブ
ヤクジョブ サポート登録で、マナー・接遇、過誤防止、個人情報保護などの調剤実務のポイントが的確に学べる「保険薬局 業務テキスト」を無料でもらえます。
→ ヤクジョブ 公式で詳細を見る
ポイント5: 生涯研修認定制度の実施機関の研修
復帰前の段階では、すでにポイント1~4で十分だとは思います。もし余裕があるようでしたら少し先を見据えて以下のような方法で勉強を進めてみてもよいかもしれません。
- 日本薬剤師研修センター
各種研修会の開催、研修認定薬剤師の認定、学習用の書籍・教材の刊行等の事業を行っています。
研修会をはじめ、インターネット研修やビデオ・オンデマンド研修など、様々な研修が用意されています。漢方薬・生薬認定薬剤師制度、小児薬物療法認定薬剤師制度、認定実務実習指導薬剤師制度などの特殊研修も受講できます。
※ 参照:公益財団法人 日本薬剤師研修センター漢方薬・生薬認定薬剤師制度に興味のある方は漢方薬剤師になりたい!漢方の基礎知識と漢方薬剤師になる方法もご覧ください - 日本女性薬剤師会
会員15,000円、会員以外は18,000円で薬剤師継続学習通信教育講座を受講できます。
認定薬剤師研修機関に認定されており、認定薬剤師の単位が取れる講座もあります。
その他、各地で研修や講演会も行われているので、申し込みの上、足を運んでみるのもいいでしょう。
※ 参照:JWPA【一般社団法人 日本女性薬剤師会】
ここまで、復帰に向けての勉強法を紹介しました。
続いて、面接の準備、子どもの預け先や家事の分担など、ブランクから復職を目指すママ薬剤師が準備すべきことを紹介していきます。
ブランクのある薬剤師が転職に向けて準備すべきポイント
自分は会社にどんなメリットを提供できるのか伝えられるようにしておく
再就職にあたり大切なのは、『採用する側が何を求めているのか』を考えること。
薬剤師としての経歴やブランクがあることについては、書類選考の段階である程度、採用側も把握しているはず。それを承知の上で面接に呼ばれるわけですから、そのことを負い目に感じる必要はありません。
面接で採用担当者は、見た目の雰囲気や話し方、社会人としてのコミュニケーション能力などを見ていると言われています。
何よりも、採用されたらどのようなメリットを採用側にもたらすことができるかといった事を端的に伝えられるかどうかは重要なポイントになります。
「どういう仕事がしたいのか」
「どのように患者さんやお客様の役に立ちたいか」
「薬剤師として、これからどのようなことに挑戦したいのか」など
しっかりアピールできるようにしておきましょう。
条件や待遇などは、事前にしっかりと確認しておく
転職してからのミスマッチを防ぐためにも、あらかじめ条件や待遇などを確認しておくことも大切です。
- 残業や転勤の有無
- 年間休日や有給休暇の消化率
- 研修やセミナー、資格奨励制度などの有無 など
曖昧にして後で違った…と後悔しないようにしましょう。
とはいえあれもこれもと採用側の担当者に直接聞くのは意外と勇気がいるものですよね。
このあと紹介する マイナビ薬剤師やファルマスタッフなどのサービスを利用すれば、担当キャリアアドバイザーが間に入って確認してくれますので安心です。
【ママ薬剤師へ】子どもの預け先を確保しておく
ママ薬剤師が再就職する場合は、職場のこと以外にも考えなければならないことがたくさんあります。
お子さんが小さいのであれば、保育園や幼稚園などの預け先の確保は重要課題。
公立の保育園などは申し込めばすぐに入れるわけではありませんし、自宅の近くにあるとは限りませんので、事前に調べ、申し込みのタイミングを逃さないようにしましょう。
また、急病やケガなどの知らせを受けて、どうしても行けない場合に臨時で面倒を見てくれる預け先の情報も事前にチェックし、実際に見学しておいた方がいいでしょう。
ご両親や兄妹などが近くにいれば、いざという時の助っ人としては一番心強いです。それが難しい場合には、お互いに助け合える子育てママ仲間を作っておくのもオススメです。
家事分担については働く時間にもよりますが、一方だけに負担がかかることがないよう、パートナーと事前に話し合っておくことが大切です。
今はスマホのアプリなどを使えば、家族でスケジュールを共有することもできるので、いざという時のことも考えて利用するのもいいですね。
ブランクありのママ薬剤師にオススメの職場は「調剤薬局」!
子どもがいれば幼稚園や小学校がお休みになる土日はできれば休みたいし、子どものケガや病気で急にお休み、なんてこともあります。
そうなると、本格的に正社員として復帰するのはちょっとハードルが高そうです。でも、パートで勤務するといってもドラッグストアは慣れないOTC相談や、勤務時間も夜遅い時間帯や土日出勤などが条件を求められるありそうです。
その点、調剤薬局は
- 求人数が圧倒的に多いため、自分の条件に合わせて選びやすい
- ブランクのある薬剤師向けに復職支援プログラムが用意されている調剤薬局が多い
などの理由から人気です。
プログラムの内容は調剤薬局によっても異なりますが、調剤研修や処方箋の読み方だけでなく、接客や接遇の研修なども行っているところもあるそうですなので、ブランクの不安もそれほど心配なさそうです。
【まとめ】ブランクのある薬剤師が転職成功のためにやっておくべきこと
- 復職に必要な勉強をしておくこと
- 事前に転職先の勤務条件をよく確認しておくこと
- 自分の経験や能力に見合った待遇を受け入れること
- 採用する側が何を求めているのかよく読み取ること
- ママ薬剤師は、子どもの預け先や家事分担など、事前に働く環境を整えておくこと
復職に向けて、まだ何をどう勉強したらよいのか迷っている方は、どんな風に働きたいか希望条件を明確にし、転職理由や転職時期など洗い出し、自分が求める目標(ゴール)を設定することすることで、やるべきことが見えてくるはずです。
まずは未経験やブランクありの方のためのサポートが充実している転職サイトに登録して、勉強情報や求人情報を集めてみるなど、一歩前に踏み出すことから始めてみませんか。
【PR】ブランクありのママ薬剤師におすすめの転職サイト比較表
画像 | |||
---|---|---|---|
サービス名 | ファルマスタッフ | マイナビ薬剤師 | 薬キャリAGENT |
特徴 | 【薬剤師のキャリア形成に特化】 日本調剤グループの教育ノウ ハウを生かしたスキル・キャリア アップ支援サービス | 【親身なキャリア面談が好評】 転職に不慣れな薬剤師をサポ ート。面談力に定評あり | 【薬剤師登録数No.1*】 希望に合った求人を最短即日で 最大10件紹介してもらえる *エムスリーキャリア調べ |
主な 取り扱い 求人 | 日本調剤グループの調剤薬局 好条件・高時給の派遣求人など | 中規模~大手調剤薬局 ドラッグストアチェーンなど | 中小~大手 調剤薬局、 病院、企業など |
主な 雇用形態 | 正社員、契約社員、パート、 パート(扶養内)、 派遣、紹介予定派遣など | 正社員、契約社員、パート (週3日以下)、パート(週4~5日 程度)など ※注:派遣求人は無い | 正社員、パート、パート(扶養内)、 派遣、紹介予定派遣など |
公式サイト リンク | ファルマスタッフの 公式サイトを見る | マイナビ薬剤師の 公式サイトを見る | 薬キャリAGENTの 公式サイトを見る |
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