1.   >  
  2.   >  
  3.   >  
  4.   >  
  5. 全国で店舗数の多いドラッグストアとその特徴

全国で店舗数の多いドラッグストアとその特徴

2017年5月、ドラッグストア業界で、「22年ぶりに首位入れ替わり!」という大きな出来事が起こりました。

2016年度の売り上げ規模で、イオン系のウエルシアホールディングスがマツモトキヨシホールディングスを上回り、売上第1位になったのです。

今回の首位交代は1994年度以来22年ぶり。業界の再編は長く言われてきましたが、今回は再編のインパクトを広く一般にも示した形となりました。

その後、ツルハホールディングスによる杏林堂の買収で、さらに首位が入れ替わるという展開となり、今後はますます業界再編が加速していきます。

 

ドラッグストアの売上高と総店舗数の推移

そんなドラッグストア業界ですが、日本チェーンドラッグストア協会(JACDS)の調べ(2017年6月)によると、

全国のドラッグストア総店舗数は19,654店
市場規模は6兆5,348億円となり、店舗数は実に2万店舗に迫る勢いです。

 

以下のグラフはドラッグストアの売上高・総店舗数の推移です。

このグラフからも売上高、店舗数ともに伸び率は鈍化しつつも、依然、ドラッグストアが成長を続けているということが分かりますね。

セルフメディケーション推進に向けた ドラッグストアのあり方に関する研究会 報告書(経済産業省)より

 

このように見ると、売上高と同様に、ドラッグストアの店舗数の推移は企業の業務拡大、成長に欠かせない指標と言えるのではないでしょうか。

 

では、ここで質問です。

先程、売上高1位はウエルシアHDと出てきましたが、2017年11月時点で、全国で店舗数が最も多いドラッグストアはどこだと思いますか?

 

店舗数ランキングTOP5 ドラッグストアとその特徴

2017年11月時点で、店舗数の多いドラッグストア トップ5は以下の通りです。

  • 1位 ツルハホールディングス 1,859店
  • 2位 マツモトキヨシホールディングス 1,555店
  • 3位 ウエルシアホールディングス 1,532店
  • 4位 ココカラファイン 1,400店
  • 5位 サンドラッグ 1,070店

※各社、2017年3月期各企業の決算報告書及びHPを参照
但し、ツルハホールディングスは17年10月、
ウエルシアホールディングスは17年11月、
ココカラファイングループは17年8月の店舗数

特に2位のマツモトキヨシホールディングスと3位のウエルシアホールディングスは本当に僅差ですね。

 

それでは、店舗数ランキングTOP5のドラッグストアごとの特徴をみていきましょう。

1位 ツルハホールディングス

北海道を起点に勢力を拡大中のドラッグストア

ツルハホールディングスは、北海道から始まった薬局で、北海道、東北ブロックにおけるシェアはNo.1です。近年、M&Aにより規模を全国に拡大しています。

2008年に島根を基盤とするウェルネス、2013年に広島を基盤とするウォンツ、2015年にはレデイ薬局をそれぞれ子会社化しました。2017年8月には、静岡県で展開する杏林堂を買収して、ドラッグストア業界の売上高首位に立ちました。さらに、タイ王国に19店舗も出店しています。

同じ地区に複数の店舗を構えるドミナントを形成し、他のドラッグストアに顧客が流れていかないような経営戦略をとっています。低価格の日用品などのPB商品の開発に力を入れており、売上げも好調です。
2013年には、国内大手ドラッグストアでは初めて、電子マネーマルチ端末をグループ全店に導入し、電子マネーでの支払いに対応。LINEアカウントによる情報提供も開始するなど、積極的な展開で話題を集めています。
イオン(株)と業務・資本提携契約を結んでいるのも強みです。

店舗全体の約2割が調剤併設になっており、今後も調剤併設店を積極的に進めていますので、薬剤師の採用も積極的に行っています。

残念なことに、くすりの福太郎は薬歴未記載が明るみとなり問題となりました。再発防止に向け、意識改革、オペレーションの見直しが行われていますが、依然業界内ではよくないイメージが残っています。就職を考えている人は、念頭においておきましょう。

  • 店舗名
    ツルハドラッグ、くすりの福太郎、ウォンツ、ドラッグストアウェルネス、レデイ薬局
  • 店舗数
    1,859店 (2017年10月中)
  • 店舗が多い地区
    北海道、東北、関東甲信越、中国
  • 売上高
    5,770億88百万円(2017年5月期)

参照:ツルハホールディングスHP

採用は、ツルハドラッグ、くすりの福太郎、ウェルネス、ウォンツ、レデイ薬局のグループの事業会社ごとに行われているので、条件の違いなどに注意しましょう。

※参考:ドラッグストア業界 トップクラス!【ツルハドラッグ】の評判を徹底検証

 

2位 マツモトキヨシホールディングス

22年間トップを走り続けた、業界のリーディングカンパニー

2017年に創業85周年を迎えたマツモトキヨシ。松本清氏により千葉県の松戸市から始まった個人薬局でしたが、今や全国に1,500店以上展開する大企業となりました。

インパクトのあるTV-CMで「マツキヨ」という言葉を世間に広め、ドラッグストアの認知度をアップさせました。セルフメディケーションを推進するために大きな役割を果たしたと言えるでしょう。

そんなマツモトキヨシの店舗展開は、銀座の一等地から駅の改札内、空港内の出店まで、都市型店舗、郊外型店舗など地域の特性に合わせて様々。免税に特化した店舗を展開するなどして、インバウンド需要にも答え、観光客へ「MATSUKIYO」ブランドを浸透させたのも、売上に大きく貢献しています。

また、PB商品の開発ポイントカードやアプリの導入など、常に新しいことに挑戦してきたマツモトキヨシですが、2012年の80周年を迎えたのちに、代表の交代を経て、

  • マツモトキヨシ公式アプリを公開
  • 免税に特化した店舗を展開
  • アウトレットモールへの出店
  • 次世代ヘルスケア店舗の展開開始
  • 越境EC:アリババ社による天猫国際モールに出店
  • 海外1号店として、タイ王国への出店
  • オリジナルブランド「matsukiyo」を展開

と、これまで以上に精力的にチャレンジをしてきました。

2020年には、グループ売上高8,000億円突破を目標にしています。業界の順位が変わった今、挑戦し続ける業界のリーディングカンパニーの次の一手に注目が集まります。

最近は調剤併設店舗の出店も増えてきています。PBブランド「matsukiyo」の開発・販売にも力を入れており、健康サポート薬局としての展開も進められています。調剤業務を希望している薬剤師にも転職先候補のひとつとなるでしょう。

  • 店舗名
    マツモトキヨシ、どらっぐぱぱす、シメノドラッグ、ダルマ、イタヤマメディコ、ファミリードラッグ、ドラッグなかしま、ヘルスバンク、コーヨードラッグ、くすりのラブ、ミドリ薬品
  • 店舗数
    1,555店舗 (2017年3月末)
  • 店舗が多い地区
    北海道、東北、関東甲信越、中国
  • 売上高
    5,770億88百万円(2017年5月期)

参照:マツモトキヨシホールディングスHP

もし薬剤師としてマツモトキヨシに転職を考えているならば、マツモトキヨシの給与水準は業界でもトップクラスです。しかし、24時間営業の店舗などもあるため、深夜勤務の可能性もあります。
そして、当然ですが、業態がら土日祝日の出勤は多くなります。残業は店舗の人数配置によって変わってくるので、事前に確認しておきましょう。品出しや在庫管理など、ドラッグストアでの勤務内容は多岐にわたります。
大手のスケールメリットを生かした研修制度も備えられており、キャリアパスとしては、管理薬剤師や店長、バイヤー、スーパーバイザー、PBブランドの開発担当まであるのが魅力的です。

 

3位 ウエルシアホールディングス

調剤併設店は約7割、中には調剤専門店もある関東を中心とするドラッグストア

2016年の売上高で、それまで22年間トップを走ってきたマツモトキヨシを首位陥落させたのが、この「ウエルシアホールディングス」です。

2008年に、ウエルシア関東株式会社と株式会社高田薬局が経営統合して、グローウェルホールディングス株式会社を設立したことがきっかけ。後に、名称を「ウエルシアホールディングス」に変更。

埼玉県を中心に、東北・関東・甲信越・北陸・東海・関西に店舗を持ち、そのうちの7割が調剤併設店、さらにその中の80店舗ほどが調剤専門店となっています。

イオンの子会社であり、2016年に株式会社CFSコーポレーションを吸収合併したことにより、一気に業界の売上高第1位に躍り出ました。子会社に介護事業会社を持ち、埼玉・茨城県で介護事業も展開しているため、今後訪れる超高齢社会を支える介護事業との連携や在宅医療での薬剤師の活躍に期待がかかります。

  • 店舗名
    ウエルシア、ハックドラッグ
  • 店舗数
    1,532店舗 (2017年11月)
  • 店舗が多い地区
    関東
  • 売上高
    6,321億6,300万円(2017年2月期)

※参照:ウエルシア薬局HP

24時間営業・24時間調剤を行っている店舗もあり、忙しさやワークライフバランスは店舗によってまちまち。薬剤師転職を考えるなら、担当店舗の状況をきっちり聞くことが重要です。

※参考:ドラッグストアも調剤併設が当たり前!?【ウエルシア薬局】の評判と薬剤師求人

 

4位 ココカラファイン

調剤事業に強い専門性の高いドラッグストア

2008年にセガミメディクス株式会社株式会社セイジョーが経営統合し、株式会社ココカラファインホールディングスが新たに誕生しました。

医薬品、化粧品の売り上げ比率が業界平均よりも高いことが特徴で、カウンセリングを重視した販売姿勢を貫くことにより専門性の高いドラッグストアを目指しています。九州大学・後藤教授と共同開発したPB化粧品「VIVCO」はヒット商品の一つです。全国の8割を超える場所に出店しています。

他のドラッグストアがスーパーのライバルとしてディスカウント色を強く打ち出し、勢力を拡大していく中、ココカラファインは調剤事業を主軸に、介護事業まで展開しているドラッグストアです。

その地盤がしっかりしているため、ドラッグストアでありながら、業界トップクラスの調剤実績があり、調剤薬局としてのブランドイメージも浸透しています。超高齢化社会を支えていく会社として、また薬剤師が活躍できる地盤がしっかりしている企業といえるでしょう。

ECサイトの運営もしており、オンライン・オフライン共に広くカバーしている企業です。

また、日本のドラッグストア業界初となる中国での店舗展開を実現。今後は、ロシア、タイ、ベトナムなどでも展開準備が進んでおり、グローバル企業としての成長が見込まれる企業です。

  • 店舗名
    ココカラファイン、セイジョー、セガミ、ジップドラッグ、ライフォート、スズラン薬局、クスリのコダマ、クスリ岩崎チェーン
  • 店舗数
    1,400店(2017年8月)
  • 店舗が多い地区
    関東、東海、関西
  • 売上高
    3,772億円

※参照:ココカラファインHP

介護事業に取り組んでいるため、ドラッグストア(薬局)との連携が密接で、在宅医療にチャレンジしたいという薬剤師にも、良い環境といえます。

※参考:【ココカラファイン】って、どんな会社?評判と実際の薬剤師求人も紹介!

 

5位 サンドラッグ

10年間で売上が3倍に伸びているドラッグストア

1957年に多田幸正氏が東京都世田谷区で創業し、1965年にサンドラッグを設立、チェーン展開を開始しました。過去10年間で売上高・経営利益とも約3倍に成長しており、安定した基盤のある会社です。

店舗は、郊外型と駅前型の地域に合わせた店づくりをしており、調剤併設型のかかりつけ薬局作りにも力を入れています。

中国・四国地方を中心に展開しているディスカウントストア「ダイレックス」は、医薬品だけでなく生活必需品を幅広く扱い、より安く提供することで、スーパーやホームセンターの役割を果たし成長しています。

2009年に株式会社星光堂薬局とダイレックス株式会社を子会社化、さらに2014年にサンドラッグプラスを子会社化し、今では全国44都道府県でグループ店舗を展開。直営店舗の拡大とともに、各地方企業とフランチャイズ契約も進めており、フランチャイズ店舗を57店舗も展開しているところが特徴的です。

  • 店舗名
    サンドラッグ、ドラッグトップス、ダイレックス、星光堂薬局、サンドラッグプラス
  • 店舗数
    1,070店舗 (2017年3月末)
  • 店舗が多い地区
    関東、九州
  • 売上高
    5,283億円

※参照:サンドラッグHP

特徴的な運営システムとして「1店舗2ライン制」という体制があります。これは、1つの店舗に接客・販売業務を担当する販売ラインと、商品・売り場を管理する運営ラインに別れて配置する方法で、ほとんどの薬剤師はカウンセリングに専念できるよう、販売ラインに配置されるようです。

※参考: ついに1000店舗突破!【サンドラッグ】の評判を徹底検証

 

どうなる?2018年以降のドラッグストア業界の動き

業界再編は進み、より活発化するM&A。大型合併の可能性も

2017年に大きく話題になった業界での首位交代。22年も業界のトップを走り続けてきたマツモトキヨシホールディングスを差し置いて、売上高1位に名乗りを上げたのは「ウエルシアホールディングス」。

しかし、首位に立った直後にツルハホールディングスが静岡の杏林堂薬局を買収し、あっという間に売上高首位になってしまいました。

そして、今年、トップ5から残念ながら外れてしまった「コスモス薬品」も、東日本中心の店舗展開から関東への進出の機会をうかがっている状態です。しばらくは、業界のトップが激しく入れ替わる展開になることが予想されます。

 

ドラッグストアの企業数は200社以上。全国のドラッグストア総店舗数は19,654店。店舗数だけを見ても、1位のツルハホールディングスで占有率は9%ほど。トップ1~5位のドラッグストア店舗数を合わせても37%ほど。ほかの業界と違い中小企業の多い業界で、まだまだ中小規模のドラッグストアが多いことがわかります。

業界の再編は日々進んでいるので、今後もM&Aがより活発化していくことが予想されます。

しかし最近では大手企業同士による大型合併の可能性も十分に考えられるようになっています。例えば、ウエルシアホールディングスとツルハホールディングスは”イオン”で繋がっています。これまでは、お互いを尊重する形で独立していた企業同士ですが、ある日突然合併してもおかしくないのがこの業界の特徴です。

ウエルシアホールディングスがマツモトキヨシホールディングスの店舗数を抜く日はそう遠くないかもしれません。

このように、業界再編の動きはまだまだ止まりそうになく、引き続き、業界の動きに注目していく必要があるといえます。

 

おわりに

業界の再編が進むと、薬剤師を取り巻く環境も少なからず影響を受けます

今後、ドラッグストア業界やドラッグ併設の調剤薬局などに転職を考えている人はもちろん、今は調剤薬局でのびのび働いているという薬剤師でも、業界の動きを抑えておきたいものです。

そうでないと、「せっかく就職したのに、すぐに別の会社に買収されてしまった!」「ある日突然会社が変わった!」なんてことも起こりえるのですから…

調剤薬局業界も、このドラッグストア業界の動きの余波を十分に受けると予想されているわね。
薬局に勤務している薬剤師にも決して遠くない話題なんですね…
薬剤師としてドラッグストアへの就職や転職を考えているなら、自分に合った会社を探すという視点だけではなく、業界の流れにも常にアンテナを張っておくことが大切だよ。
一つ確かに言えることは、常に先を見据え、貪欲に努力を惜しまず走り続ける企業が生き残っていくということだな!
関連記事

いま注目の記事

「薬剤師の転職相談所」の購読は
Twitter、Facebook、LINEが便利です

当サイトは、「あした仕事で使う知識を学べる」薬剤師専用のハウツーサイトです。
facebookまたはtwitter、LINEで最新情報をチェックして、職場の同僚と差をつけよう!

薬剤師転職サイトランキング ベスト5

転職や復職をお考えのあなたに、薬剤師の転職相談所の管理人おすすめの転職サイトをご紹介します。

薬キャリ 詳細はコチラ
マイナビ薬剤師 詳細はコチラ
ファルマスタッフ 詳細はコチラ
4位 リクナビ薬剤師 詳細はコチラ
5位 ヤクジョブ 詳細はコチラ

もっと詳しく知りたい方は、「薬剤師の転職サイトランキングBest5」をご覧になり、自分にあった転職サイトを探してみてください!

管理人について

現役薬剤師・エリコ

都内の調剤薬局に勤務中。

当サイトは、日々奮闘している薬剤師さんに代わって、すぐに役立つ薬剤師の情報やキャリアアップにつがなる情報、転職情報などを収集し、発信するサイトです。

facebook twitter

※ 現在、記事作成を手伝っていただける在宅ライターを募集しております。詳細はこちらをご覧ください。

薬剤師の転職サイト比較ランキング

「転職サイトって一体どこを選べばいいの・・・?」という薬剤師さんのために、評判が良くて人気が高い、代表的な転職・求人サイトを比較してランク付けしました。

  • 薬キャリ(エムスリーキャリア)は交渉力に定評あり!? その特徴とメリット・デメリット
  • マイナビ薬剤師
  • ファルマスタッフ
  • リクナビ薬剤師
  • 会員特典が盛り沢山!薬剤師 転職サイト【ヤクジョブ】の評判とは?
RANKINGランキング