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もう後悔しない!薬剤師が転職前に確認すべき調剤薬局の選び方 ポイント
薬剤師という資格を持って医療に携わっている以上、今後自分がどんな薬剤師を目指していきたいか、それが漠然としたイメージだとしても、多くの人が薬剤師としての理想像を持っているのではないでしょうか。
就職や転職を考え職場を探す際、このイメージからかけ離れた会社を選ぶ人は少ないですよね。できることなら、自分の理想と近い考えの職場で働きたいと思うのは当然のことだと思います。
しかし、理想像を追い求めるだけで生活はできません。家庭やライフプランを視野に入れ、具体的にどんなことを考える必要があるかというと、やはり給与、休日、労働環境などの基本的な労働条件です。
いくら薬剤師としての理想像を求め、仕事を決めたとしても、こういった基本的な部分に少しでも腑に落ちないところがあるとしたら、長く働き続けるのはなかなか困難なもの…。
では、薬剤師としての自分の理想像と基本的な労働条件、それぞれをしっかり見極めるにはどうしたらよいのでしょうか。
今回は人事担当経験者として、調剤薬局勤務を希望する薬剤師がどのように薬局を選べば後悔しないかということについてまとめてみたいと思います。それでは、さっそく見ていきましょう!
自分の理想像にあった会社を探すなら、まずは情報収集から
薬剤師としての自分の理想像にあった会社を探すなら、まずは、気になる会社の理想像を見極めることです。そのためには、会社の情報収集をしていきます。
会社の理想像は、その会社のホームページを見ればわかる?
では、どうやって会社の情報を手に入れるかというと、実際に見学に行ったり、パンフレットを見たり、ホームページの情報などでも、その会社について知ることができます。
特に、最近では会社のホームページで定期的に濃い情報を発信している薬局も増えてきました。
採用に力を入れていたり、地域の患者さんにアピールしたいことがある薬局こそ、手の込んだホームページやブログを持っているものです。
ホームページに掲載している情報は、その会社のアピールポイントです。各薬局のホームページを見ることで、その薬局・会社の力を入れている部分が見えてきます。
在宅医療、研修体制、学会発表など、自分が理想とする薬局薬剤師像を目指すために適した職場かどうかイメージすることができます。
ただし、理想像についての具体的な内容記載がない場合は要注意!
ただ、いくらホームページに理想的なことが書かれていても、それが上辺だけのものでは意味がありません。
会社のそのアピールについて、実際になんらかの成果が上がっていれば、具体的にどのような実績があるかが記載されているはずです。その部分が説得力のある形で紹介されていなければ要注意です。
単なる理想だけの話なのか実績に基づいた話なのか、よくわからなければ、面接や見学の際に確認していくしかないでしょう。
人事担当者に具体的な話を聞き、現場の薬剤師の話を聞くことができれば、具体的なイメージができるはずです。
理想よりも現実?
ここまで、自分の理想像にあった職場の探し方を話してきましたが、ここで、ちょっと考えてみてもらえますか。
自分の理想とする薬剤師像に近い働き方ができそうな会社を見つけたとします。
そうすると、「仕事もやりがいもありそうだし、いい会社みたいだから、ここに決めちゃおうかな」と考える薬剤師さんも、中には、いるかもしれませんね。
…本当にそのまま決めてしまって大丈夫でしょうか?
私は、人事担当者として毎月多くの転職希望者と話をしてきました。
そんな私が聞いてきた中では、理想像に合った働き方ができる・できないよりも、”基本的な労働条件”を理由に転職を考える薬剤師のほうが、実は圧倒的に多かったんです。
”基本的な労働条件”が原因となっている薬剤師の転職理由
よく聞く薬剤師の転職理由(もしくは、転職しようと思ったきっかけ)は以下の通りです。
1. 休みが取れない
「休みが取れない」は、この業界ではよく耳にする話ですよね。
慢性的な人手不足により、ただでさえ少ない休日を取得できない。有給休暇なんてもってのほか!なんて薬局もまだまだ多いようです。
2. 業務が過酷
「業務が過酷」も人手不足からきているのだと思いますが、現在はそれに加え、診療報酬改定により調剤報酬の算定項目が厳しくなっていることも原因です。適正な人員が配置されていないと毎日仕事に追われる状態になってしまいます。
また、一時的な人手不足であれば、ある程度は仕方のないことかもしれませんが、慢性的な人手不足となってくると、経営者が考える適正薬剤師人数と現場が考える適正薬剤師人数が剥離しているということになります。
この場合、将来的にも人手不足が解消されることはない…と言う話になってしまいますよね。
3. 給与面に不満
「給与面に不満がある」も多くの薬剤師が転職理由として挙げています。
残業代がつけられなかったり、仕事量に対する金額としてもらえる報酬が低いなど、その会社に就職して初めて気づいたことが原因として考えられます。
また、就職時には納得していた給料でも、数年経ってみて、想定より昇給していなかったり、同世代の友人と比較して自分の給料が低く感じてしまったり、家庭の事情・生活環境の変化により、さらに高収入を得る必要が出てくる場合もあります。
4. 人間関係のトラブル
「人間関係のトラブル」も薬剤師からよく挙げられる退職理由です。
薬局のように小さな店舗の中で人間関係が悪化してしまうと逃げ場がなく、しかも関係を修復するのはなかなか難しいと思います。
近くに同じグループの薬局があれば配置換えをしてもらうことでリセットできるかもしれませんが、そう都合よく異動できる店舗があるとも限りません。
また、経営陣との人間関係が悪くなる場合もあります。大企業と異なり中小企業が多い薬局業界では、経営者と顔をあわせる機会が多くなります。
相手の影響力が強い場合、関係性によっては社内での立場に影響を受けることも少なくありません。こうした場合もやはり働き続けるのは難しくなりますよね。
では、どうすれば後悔しないために必要な基本的な労働条件の情報を手に入れることができるのでしょうか。
転職を考える薬剤師のための”基本的な労働条件” 見極め&事前確認ポイント
ここからは、薬剤師が基本的な労働条件を掴むために、先ほど紹介したホームページ等の企業情報を見て、どのように考え、どんなことを面接や見学の際に確認しておくといいのか、ということについて書いていこうと思います。
見極めポイント1【休日の取得状況はどうなっているか?】
実際に働き出してみると想像していたような休みが取れなかったと言う話はよくあります。
連休が必要な人、半日休みがあった方がリズムが取りやすい人、有給等をまとめて取得したい人。働き方のスタイルは人それぞれ。
前職がこうだったから当然他の会社もこうなっているはず…と言う思い込みは捨てて、どのような休日体制になっているかを必ず確認しましょう。
薬局の募集要項を見ればわかると思いますが、休日についての記載は多様です。
週休2日制、完全週休2日制、月間休日数と記載されていたり、年間休日数で書いてあるところもあります。
ちなみに、よく耳にする言い方かもしれませんが、【週休2日制と完全週休2日制の違い】はご存知ですか。
- 週休2日制: 月に1回以上2日休みの週があること
- 完全週休2日制: 毎週2日休みがあること
つまり、日祝休みに加え、第2・第4土曜日休みという状態でも週休2日制の記載になってしまいます。
これを【年間休日数】で考えると、2017年の場合、
- 週休2日制(祝日があれば週休はなし)とすると年間休日数は104日
- 完全週休2日制(土日祝休み)とすると年間休日数は117日
になります。こちらを目安に考えて見てください。
また、週休を取得する場合、休みはどのように決まるのか。ある程度自由に決まるのか、曜日が固定されているのかどうかの確認も必要になります。連休を取れるのかも確認したいですね。
休みの取得方法はどうでしょうか。半日休みしか取れない薬局も少なくありません。しかも、半日休みと言っても残業や通勤時間を考えると帰宅するともう夕方…!なんてことは珍しくありません。
それに、やはり確認しておきたいのは有給休暇の取得状況です。完全に消化するというのは難しいとは思いますが、ある程度のペースで取得できるのが望ましいですね。
【休日の取得状況】事前確認ポイント
- 年間休日数はどのくらい?
- 半日休みと一日休みの割合は?
- 夏期休暇や冬季休暇の有無は?
- 土日休みのような連休は取れるのか?
- 有給休暇は取得できているか?
- 公休や有給休暇を利用した連休は取れるか?
見極めポイント2【業務量は適正か?】
実際に働いてみると「仕事がハード過ぎて体が持たない」とか、「ミスが怖くなる」ということはよく耳にします。
できれば事前に、その職場が、どの程度の仕事量なのかを把握した上で就職を決めたいものです。
毎日、何人の薬剤師で、どの程度の処方箋枚数の対応をしているのかを把握できれば、何となくイメージができるかもしれません。
また、毎月どの程度の残業時間になるのかを知っておくことも必要だと思います。
「毎週〇曜日は、夕方から施設の処方箋を大量に受け付けるので忙しく、残業が発生する可能性が高い」など、特定の忙しい日があるかどうかも知っておきたいところです。
薬歴の記載について質問してみるのもありかもしれませんね。近年、薬歴未記載の問題が報道されました。薬歴をどのように記載しているかの状況で、その薬局の忙しさも見えてきます。
【職場の業務量】事前確認ポイント
- 勤務薬剤師数と一日あたりの処方箋枚数は?
- 毎月の残業時間はどのくらい?
- 特定の忙しい日は存在するか?
- 薬歴は毎日記入できているかどうか?
見極めポイント3【人間関係に不安はないか?】
人間関係については、実際の薬局の空気を感じずに見極めるのは、なかなか難しいものがあります。相性やタイミングもありますので、実際に働き始めてから気がつくこともたくさんあります。
現場で働く薬剤師と話して職場の雰囲気を知ることで、ある程度の予測ができるかもしれません。
また、人事の人と一緒に見学するだけでなく、患者さんに紛れて待合室から覗いてみると、見学時のとは違う、本来の雰囲気に近いものが見えてくるかもしれません。
また、転職が多い=人が定着しない薬局というのは人間関係に問題があることが多いです。
その店舗のスタッフの勤続年数を知ることができれば、事前にその問題を知ることができるかもしれません。
【職場の人間関係】事前確認ポイント
- 必ず薬局見学をさせてもらって、現場の薬剤師と話す
- 可能であれば、後日こっそりと薬局を覗いてみる
- 配属を希望する店舗のスタッフの所属年数を聞いてみる
見極めポイント4【給与面は問題ないか?】
給料や手当については、概略は採用ページやパンフレットの募集要項などでチェックすることが可能です。残業手当や休日出勤手当、役職手当など、しっかり確認しておきましょう。
転職の場合は面接時にすり合わせをした上で、内定前に給料の提示があるはずです。
大事なのは数年後の自分の給料がイメージできること。昇給ペース、年齢別・役職別のモデル給与を確認しておくのも一つの方法です。
【給料・手当】事前確認ポイント
- 残業手当や休日出勤手当はでるか?
- 管理薬剤師他の役職手当は?
- 昇給ペースはどうなっているか?
まとめ
働きながらの転職活動。ぶっちゃけ、全てを一人で行うのは難しい!?
今回は就職で後悔しないために確認すべき労働条件についてまとめました。
質問項目についてもまとめてみましたが…これ、全部一人で確認できそうですか?
自分で質問できるのであれば問題ないのですが、薬剤師は遠慮がちな人も多いです。こんなこと聞いたら、選考で不利になってしまうのでは?なーんてことを考え始めると、自分で質問するのにも少し勇気が必要ですよね。
交渉を有利にするため、事前に多くの選択肢を用意しておくことはビジネスの世界では当たり前の話です。
就職活動を行う際も、必要なことは事前にきちんと確認した上で、複数の会社のなかから比較検討するというのは大前提だと思います。そこに恥や遠慮を感じる必要ありません。
しかし、選択肢を多く用意するためとはいえ、情報収集に慣れていないと、1つの会社を調べ上げるのに負担が大きくなって、結局は妥協してしまい「もうここでいいか…」となってしまう方も少なくないです。
そうならないためにも、あまり時間がない方や情報収集が苦手な方は、ぜひ薬剤師向けの転職サイトを利用してみてください。
転職サイトの担当コンサルタントは多くの転職に関わっている、いわば転職のプロです。あなたの本音を伝えることで、希望に合った複数の薬局情報をスピーディーにまとめて収集してくれることでしょう。
評判の良い転職サイトで良いコンサルタントに巡り合えれば、こちらが想定していない懸念点についても先手を打って提案・調整してもらえるので、きっと心強い味方になってくれるはずですよ。
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