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売上・店舗数 業界トップ【アイングループ】の評判を徹底検証!
日本の調剤薬局業界でトップの売上・店舗数を誇る株式会社アインホールディングス。
2015年11月「株式会社アインファーマシーズ」を100%子会社化し、「株式会社アインホールディングス」に社名変更。アイングループの「アイン薬局」といえば、北海道から沖縄まで全国に店舗があるので、名前を聞いたことがある方も多いのではないでしょうか。
そんな大手チェーンであるアインホールディングスにはどのような特徴があり、そこで働いたことのある薬剤師からの評判は実際のところ、どうなのでしょうか。後半では口コミ投稿からの意見を客観的に検証していきます。
アインホールディングスの6つの特徴(2021年1月時点)
まず、アインホールディングスのホームページから、薬剤師として気になった企業特徴をピックアップしました。
1. 着々と成長し続ける 調剤薬局業界のリーディングカンパニー
アインホールディングスは2020年も売上高・店舗数は調剤薬局業界でともにトップです。会社として着々と資本を成長させ、安定した経営基盤を築いていたことからも、高い企業力を持っていることがうかがえます。
新型コロナウイルス感染症の影響前までは、投資家に対して”売上高2ケタ成長”、”新規出店とM&Aにより毎期100店舗前後の出店”という明確な数字目標を打ち出してきました。
- 設立:1969年
- 売上高:2926億15百万円(連結 2020年4月期)
- 従業員数:13,158人 ※うち薬剤師 5,273人(2020年4月末時点)
本社は北海道札幌市にあります。
主軸のファーマシー事業は、アインファーマシーズの他、アインメディオ、ダイチク、あさひ調剤、メディオ薬局、西日本ファーマシー、葵調剤などを2016年までに子会社化。
2018年コム・メディカルを、2019年 土屋薬品をグループに迎え、店舗数は2020年4月期時点で、全国にファーマシー 1,106店舗、リテール 60店舗。総店舗数1,166店舗にまで成長を遂げています。
2. 主軸はやっぱりファーマシー事業
2020年4月、アイングループの事業内容はファーマシー事業とリテール事業、売店事業となっています。売上高や店舗数などからもわかる通り、主軸はファーマシー事業で成り立っています。
2020年4月期時点で、ファーマシー事業の売上は2637億50百万円(構成比 90.1%)。対してリテール事業は247億百万円(構成比 8.4%)です。
ファーマシー事業で、代表的なのは「アイン薬局」です。病院の近隣で展開する調剤薬局(門前薬局)をメインに、全国どの地域でも、それぞれの地域に根ざした安心安全の医療を提供できる”薬局のインフラ”をめざし展開中です。
リテール事業では、美と健康をサポートするドラッグ&コスメティックストア「アインズ&トルペ」を展開しています。
売店事業では病院を中心に企業、官公庁、大学及びオフィスビル等において、全国で400超の売店を展開しています。
その他にも、在宅医療への取り組みも行い、かかりつけ薬局として地域医療への更なる貢献を目指しています。
早くより電子薬歴、電子お薬手帳、過誤防止システム、発注システム、社内イントラネットを完備。医療の安全性向上と効率化を高い次元で実現しています。
3. 優れた教育・資格取得の支援
アイングループでは薬剤師の人材育成体系が整備されています(新卒採用ページ)。
その内容は、大きく分けて「ベーシック教育」「スペシャリスト教育」「マネジメント教育」から成り立っており、新入社員から管理職までそれぞれのステージに合わせた研修プログラムを構築しています。
ベーシック教育(年次別研修)
薬剤師の学びをサポートする学習支援コンテンツが充実しています。
プレアボイド、ワークブックの配信、保険問題の配信、処方設計トレーニング、業務知識確認テスト、ヒヤリ・ハット詳細解析、薬学向上のための資料、DI情報など定期的に情報配信されています。
認知症サポーター養成、禁煙サポート、ピンクリボン活動、高齢者施設での模擬薬局活動、小学生を対象にした薬局体験会、地域コミュニティでの勉強会などの機会を通じて、地域に貢献できる薬剤師となるための育成も行っています。
スペシャリスト教育
高度薬学管理機能を担う薬剤師の育成を目的として、日本医薬品安全性研究会の公認研究会「東京(関東)医薬品安全性研究会」を設立。
大学や企業と様々な共同研究も進めています。かかりつけ薬剤師・薬局、健康サポート薬局、在宅医療等、薬局のあり方や取り巻く環境が大きく変わりつつある中で、どのような薬剤師が現場で活躍でき、リーダーとして長く活動していけるのか、東京大学大学院 薬学系研究科/薬学部、慶應義塾大学 薬学部/薬学系研究科、リクルートメディカルキャリア、リクルートマネージメント・ソリューションズと五者共同研究 『薬局現場で活躍できる薬剤師人材の特性解析』をスタート。他にも様々な研究をしています。
研修認定薬剤師の育成など認定薬剤師の資格取得のための研修や勉強会も開催しています。福利厚生として、専門・認定薬剤師手当を支給するなどさまざまな資格取得支援にも取り組んでいます。
マネジメント教育
新任薬局長研修、管理薬剤師研修、リーダーシップ・フォロワーシップ研修、ナショナル社員研修、幹部勉強会、OJTトレーナー研修、新人研修トレーナー研修など、リーダーや責任者向けの研修制度も用意されています。
4. 在宅医療への積極的な取り組み
在宅医療の提供体制を整えています。
在宅医療対応薬局数については、2020年4月期で1010店舗。全国90%以上の薬局で在宅医療を実施しています。在宅医療においては無菌製剤も重要なファクターのため、アイングループではクリーンベンチはもちろん、安全キャビネットを備えた無菌調剤室も配備しています。
かかりつけ薬剤師数は1624人(2020年10月末時点)、健康サポート薬局は84店舗(2020年12月1日時点)にまで増えています。
5. 社会情勢に合わせた新しい取り組み
患者が住み慣れた地域で安心して医療提供を受けられるよう、調剤薬局全店においてオンライン服薬指導に対応可能な体制を整えています。
2020年7月には、地方における通院が困難な方に対する将来的な医療サービスの継続提供を目指して、国内で初めて、オンライン診療・オンライン服薬指導と連動した、ドローンによる処方箋医薬品配送の実証実験を行いました。
医薬品や日用品などの配送が恒常的に困難となりつつある地域の課題解決、ウィズコロナ時代における感染リスク低減に貢献しています。
※参考:オンライン診療・オンライン服薬指導と連動したドローン実証実験について-地域社会・取引先との連携
6. ヘルス&ビューティショップを運営するリテール事業
美と健康をテーマにしたドラッグストア、アインズ&トルペ(アインズトルペ)。
話題の新作コスメなどを中心に、コスメや美容グッズなど専門店ならではの品ぞろえで、幅広く販売しています。
売上の8割以上がコスメ関連商品。「LIPS and HIPS(リップス アンド ヒップス)」「AYURA(アユーラ)」「DAZZSHOP」等、オリジナルブランドの展開も行っています。
※2021年1月現在、リテール事業で薬剤師の募集はありませんでした
利便性の高い好立地への積極的な出店及び確実なM&Aで企業規模を拡大
ICT活用による業務効率改善や物流改革、企業ブランディングにより強固な経営基盤を構築するとともに、人材採用・育成、薬局におけるかかりつけや専門機能の強化。アインズ&トルペの拡大も目指す。
では、実際に働いている薬剤師はどのように感じているのでしょうか。口コミサイトのコメントを見てみましょう。
実際にアイン薬局で働いたことのある薬剤師の口コミ(2016年7月時点)
3社の口コミサイトを徹底分析!仕事内容・環境、教育・キャリア、労働時間・休暇、給与・待遇、女性の働きやすさについて、口コミからわかるアイン薬局の実態をまとめてみました。
今回の検証にあたってチェックした口コミサイトはこちらです。
仕事内容・環境について
調剤環境は良いとのコメントが多数、特に調剤過誤に対する取り組みは万全
店舗によって日々の処方箋数が異なり、設備の導入には差があるものの、概ねどの店舗も調剤環境としては良いようです。大型店舗はオートメーション化が進んでいて働きやすいとの意見もありました。
また、アイングループのホームページにも記載があるように、調剤過誤に対する取り組みは実にしっかりしているようです。そのため、二重三重にチェック時間がかかるようですが安全に患者さんにお薬を渡すためには、やはりミスがでない方法が一番ではないでしょうか。
ルールがきっちりしている反面、融通が利かないという意見も
全国規模の大きな会社のためマニュアル化が進み、店舗ごとの融通が利かないとの意見がありました。
これは大規模展開をしている調剤薬局チェーンの特徴でもあるので、自由な環境の中で臨機応変な対応をしたいという人にはあまり向いていないのかもしれません。
教育・キャリアについて
未経験からキャリアまで継続した教育が受けられるシステム
独自のマニュアルによる教育制度があり、初心者でも丁寧親切な指導が受けられるようです。
店舗配属後もOJTトレーナーの先輩薬剤師に指導をしてもらえ、2年目以降も定期的にフォローアップ研修が行われているようです。一人前の薬剤師に育ててくれるという感謝の声が多く見うけられました。
研修では医薬品知識、病態知識が学べるようです。また、Eラーニングには補助制度があるそうです。
店舗勤務以外のキャリア
店舗以外の勤務の方の口コミと思われる投稿は、残念ながら見つけることが出来ませんでした。
労働時間・休暇について
休みが取りやすく残業が少ない体制へと改善がみられる
過去の口コミでは休みが取りにくいという声が多くありましたが、近年の口コミでは、「有給取得率は実際95%ほどであると感じる」「休みが申請しやすい環境である」といった嬉しい声が入ってきています。
残業についても、会社が残業を減らす方針のため、「残業は少ない時は5時間以内」「残業したらその時間分をどこかで早く帰って消化」との声が見受けられます。
ただし、地方は慢性的に人手不足であり、自分が休むと他の店舗から薬剤師を派遣してもらわなければななないため、遠慮して休みを取らない人も多く、有給はあっても使えないということもあるようです。
このように店舗によって異なるようなので、営業時間とシフト制度、各店舗で働く人数などの確認をしておいた方が良いでしょう。
給与・待遇について
給与は業界として低め?福利厚生は充実しているようす
給与は低めで、他と比べて100万円位違うと言う方も・・。福利厚生は充実しており、住宅補助も良いという意見がある中、住宅手当は最初に採用された以外の土地に勤務とならなければ支給されないというコメントも。給与や待遇については社員区分にもよるようなので一概には語れなそうです。
管理薬剤師の残業代は20時間を超えた場合に支給という情報もありました。
昇給や賞与は能力によって差が付きにくく、一番差が付くのは管理職への昇進のようです。ある程度高い報酬を望むなら全国転勤ありで4~5年勤め、管理薬剤師・薬局長にならないと難しいようです。
女性の働きやすさについて
女性薬剤師が多く、産休・育児休暇がとりやすい環境
女性の管理職が多いため女性は産休、育児休暇がとりやすいとの意見が多く見られました。
また、子供が小学生になるまで時短勤務が出来る制度もあり、子育てをしながら仕事を続ける女性薬剤師にとって働きやすいと言えそうです。
全国に展開しているため、育児や介護等で移動しないといけない場合でも、他店への異動が可能である点をメリットに感じている薬剤師さんも多くいました。
実際の募集内容をチェック!(2020年12月時点)
それでは、現在募集をしているアイングループの求人を一緒にみてみましょう。
アイン薬局の薬剤師求人を探すなら、正社員・パートともにアイングループの公式求人情報サイトはチェックしておく必要がありそうです。
アイン薬局の薬剤師求人は、株式会社アインホールディングスの子会社である、株式会社メディウェルが運営する薬剤師転職ドットコムもあります。
アイン薬局の特徴と評判のまとめ
- 全国展開する業界最大手の薬局チェーン
- 薬剤師の成長を継続的にバックアップしてくれる教育システム
- 在宅医療や災害時の医療支援など新しい試みに積極的
- 安全性に対する意識が強く、調剤過誤に対する対策が万全
- 休暇取得・残業の多さは改善傾向
- 給料は管理職にならないと低め
- 産休・育児休暇がとりやすい
最後になりますが、ここまでなるべく偏った情報にならないように口コミをまとめてきたつもりですが、口コミは100%正しい情報とは限りません。最新の状況は口コミ当時から変わっていることもあります。
この記事から気になった点は、面接時などに確認してみてくださいね。
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