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就職事情はどうなる?薬剤師の将来性について
新設薬科大学の増加に伴って卒業生が増加したり、登録販売者という資格が登場したことなどから、将来薬剤師の就職は困難になるかもしれないという話を耳にしたことがあるかもしれませんが、実際のところはどうなのでしょうか。
今回は、薬剤師の就職事情の将来について検証していきます。
薬剤師は超売り手市場? 薬剤師 就職の現状
新卒薬剤師の就職率はどのくらいかご存知でしょうか。なんと92%と非常に高い数値を示しており、超売り手市場となっています。
では、既卒の薬剤師はどうなのかというと、売り手市場なのは、新卒薬剤師の話のみではなく、既卒の薬剤師の転職・再就職状況においても同様だといえそうです。
既卒の薬剤師の転職事例
ここで、薬剤師2人の例を紹介しましょう
今年転職活動をしたというAさん
週3回のパート勤務をしているBさん
「来週どうしても人手が足りず、派遣薬剤師を探したけど、来られる人がいない。時給10000円出すから手伝ってもらえないだろうか。前日は最寄駅のビジネスホテルに泊まって、薬局まではタクシーで通勤して良いから勤務してほしい」
知り合いの店舗ということもあり、Bさんはこのオファーを快諾。2日間の勤務でしたが、ちょっとしたボーナス並みの金額を稼いだといいます。
やはり薬剤師 就職は超売り手市場!
Bさんの例は、まれだとしても、東北や北海道のなかでも交通アクセスがあまりよくない地域などでは、慢性的な薬剤師不足に悩まされており、時給5000円という好条件にプラスして、住宅・レンタカー・引っ越し費用を雇用主負担という特典つきで雇用してもらえる例もあります。
時給5000円で週5日、8時間勤務すると、月給80万円。祝祭日などで多少金額は前後するかもしれませんが、年収900万円も夢ではないかもしれませんね。
日本国民の平均年収が415万円(平成26年分)といわれているなか、これだけの好条件で雇用される薬剤師は超売り手市場といえるのではないでしょうか。
※参考:
- 平成26年分民間給与実態統計調査結果について(国税庁)
- 就職率、リーマン前超える72.6% 15年春の大卒者 (日本経済新聞)
- 7割が“現場薬剤師”へ‐6年制卒業者の就職調査 | 薬学教育協議会(ファーマシストマガジン)
2016年はどうなる? 今後の薬剤師 就職の市場
それでは今後の薬剤師の就職市場はどう変化するのでしょうか。
薬剤師不足の時代は終わるか
薬学部は、近年28校新設されて、これまでの46校から74校になりました。それに伴い、薬学部定員数は約8000人から約13000人に増加しています。
薬学生が増えることで、社会へと輩出される薬剤師数も増加し、薬剤師不足の時代は終わり…これからは薬剤師過剰時代が到来するのではないか、と考えられていました。
しかし、薬剤師不足状態は今後も続くと推測されています。
その理由として、
- かかりつけ薬局として24時間体制での対応をせまられていることにより、現在勤務している薬剤師に加えて、さらに薬剤師を確保する必要性があること
- 6年制卒薬学生が卒業した2012年以降、薬剤師数増加が見込まれていたのにも関わらず国家試験合格率が60%前後と低迷しており、期待していた薬剤師数を確保できないこと
などが挙げられており、一部では、薬剤師不足は今後2020年頃まで続くのではないかとの見方もあるようです。
調剤薬局業界は激しい生存競争へ
そんな中、大手チェーンドラッグストアや調剤薬局の参入によって、現在、調剤薬局の店舗数は5万5000店にものぼり、その数は、コンビニエンスストアの店舗数を上回る勢いとなっています。
一方、処方箋枚数は頭打ちの状態にあるため、限られた処方箋をめぐり、調剤薬局各社がしのぎを削りあっている状況、というわけです。
このような市場の中で、これからも生き残る薬局となるには、
- 患者さんや地域のニーズに合わせて、在宅医療に取り組む
- 地域住民がいつでも相談できるよう、24時間・365日体制に対応するなど、かかりつけ薬局としての機能を充実させる
といった対応が必要になってきます。
※参考:
- 薬学部の変化に見る新卒薬剤師輩出数と「薬剤師過剰時代」という幻想(アプロドットコム)
- 薬学部の現在と未来(大学Times)
- かかりつけ薬局、24時間対応など条件 厚労省が制度案(日本経済新聞)
- 試験回数別合格者数(厚生労働省)
- 調剤薬局のこれからの成長戦略を探る(RISE UP CLUB)
処方箋枚数は頭打ち…でも調剤薬局は増え続けるという状況の中、地域の人たちから頼りにされる薬剤師になるには、どのようなポイントを押さえればよいのでしょうか。
今後、地域の人たちに必要とされる薬剤師になるための4つのポイント
1. 薬剤師・薬局の強みを磨きつづけること
その時代によって薬剤師が社会から求められることは変化するため、薬剤師はそのニーズに応えられるよう、自己研さんをし続けることが大切です。また、専門薬剤師の認定を受けるなど、自分ならではの専門性を身につけて、自分と勤務する薬局の強みとして役立てるのも良いかもしれません。
2. 積極的なチーム医療への参画
在宅医療のニーズが高まるにつれて、薬剤師は薬局の外に飛び出して働くことが増えてきました。
将来、薬剤師はこれまで以上に地域の医療機関や在宅医療チームに積極的に参加し、専門分野を活かして多職種と連携する必要が出てきます。
3. 患者のニーズを想像し、実行する行動力
当たり前のことですが、入店してきたときによろよろしている高齢の患者さんがいたら、患者さんのそばに行って処方箋を受け取ったり、投薬を行うなど、患者さんの表情やふるまいから、ニーズを想像して必要な援助を行う能力が必要です。
4. コミュニケーション能力
同じ患者さんは一人としていません。患者さん一人一人に寄り添い、それぞれの患者さんに合った対応をするためには、コミュニケーション能力を身につけることが大切です。
また、チーム医療において多職種と連携していくためにもコミュニケーション能力を磨くことは不可欠といえるでしょう。
※参考:
最後に、薬剤師としての将来を見据えた職場とはどんなところなのか、実際の求人例を見てみましょう!
今後を見据えた勤務先として、オススメの薬剤師求人は? ※2015年12月時点
1. 勉強会が豊富で、患者ニーズに合わせた在宅医療も行う薬局
勉強会が豊富なので、働きながら学んでスキルアップをしたい方に最適です。
患者さんに寄り添うことを大切にしているので、患者さんのニーズに合わせて在宅医療も行っています。将来増えるであろう在宅医療に挑戦したい方には魅力的な職場ですね。
※参照: リクナビ薬剤師
2. 一人一人の患者さんにじっくり向き合える病院薬剤師の仕事
回復期リハビリテーションの専門病院なので、急性期病院とは異なり一人一人の患者さんにじっくり向き合うことができる点が魅力です。
残業が少ないので、空いた時間も将来のためのスキルアップの学習などに充てることができるのではないでしょうか。
※参照: マイナビ薬剤師
3. いろいろな患者さんに対応できる大手ドラッグストアでの仕事
OTC販売を専門の大手スーパーマーケット内ドラッグストア。
スーパーマーケットという、いろいろな患者さんがいらっしゃる立地なので、スキルアップに最適です。
OTC販売は、薬剤師が自分の判断でおすすめした製品により、地域の方のセルフメディケーションに役立てることできるので、やりがいが感じられ、自分の成長につながるはず。
※参照:薬キャリ
おわりに
現在は超売り手市場である薬剤師ですが、調剤薬局業界そのものは、限られた処方箋をめぐって激しい戦いを繰り広げている戦国時代さながらの様相を呈しています。
そんな中、薬剤師が地域の人たちのニーズに応えられるスキルを身につけ対応していかないと、就労している薬局そのものの存続が危ぶまれる可能性があります。
将来生き残る薬局で、必要とされる薬剤師として働き続けるためには、現状に甘んじることなく、自己研さんを続けることが求められているのではないでしょうか。
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