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独立は本当にプラス?気になる調剤薬局経営者の年収
「将来は独立し調剤薬局を経営するぞ!」と考えている薬剤師にとって気になるのは、経営者になるとどのくらいの年収があるのか?ということではないでしょうか。
せっかく開業しても、勤務薬剤師より年収が低いのであれば、独立した意味が薄れてしまう人もいるはず。今回は調剤薬局経営者の年収についてお話しますよ。
開業を考える薬剤師の動機は?
薬剤師だけではありませんが、やはり経営者という“一国の主”に憧れる人は多いですよね。
でも、その実態はどうなのでしょう。
経営者ともなれば、勤務薬剤師に比べてリスクは断然大きくなります。
その辺をしっかり理解してからでないと、安易に「年収が増えるはず」という理由だけで選ぶのは危険です。
「なぜ独立をするのか?」、この「動機」「理由」は、独立・開業するにあたりとても重要だと言われています。まずは、この理由・動機を考えてみましょう。
一般の方が独立を希望する理由・動機
一般的に独立を希望するのには以下のような理由・動機が多いようです。
- 今の仕事以外にやりたいことがあったから
- 独立すれば収入が増えると思ったから
- 誰にも縛られずに思い通りにやりたいから
- 自分が正当な評価をされていないと感じるから
- 組織に拘束されているのが嫌になったから
- 会社の人間関係に疲れたから
- 独立すれば何歳になっても働けるから
薬剤師が独立を希望する理由・動機
薬剤師となると一般職とは違うものの、独立の理由・動機はそれほど大きく変わらず、大別すると2つになります。
- 自分のやりたいようにやってみたい
- 収入を増やしたい
1と2、どちらの理由・動機にしろ、大切なのはポジティブな思いであること。
やりたいことをやらせてもらうための努力が足りず、ただ単純に思い通りにいかないからとか人間関係がイヤだからというのでは独立しても失敗する可能性は高くなります。
開業のメリット・デメリット
次に開業のメリット・デメリットについて考えてみたいと思います。
メリット
- 経営が安定すれば収入が増える
- 自分の思い描いていたような薬局経営をすることができる
- 定年がないので何歳になっても働ける
- 門前薬局の場合、先に出した方が顧客を確保できるので個人でも大手に勝てる
デメリット
- 事務や手続きなど薬局業務以外の仕事の割合が増える
- 仕事と私生活の線引きがつけにくい
- すべての責任を自分で取らなければならない
- 今後は国の医療費削減で経営が厳しくなる不安がある
- 個人薬局の場合、薬剤師の確保が難しい
開業のメリットは十分にわかっているのですが、やはりデメリットも決して無視することはできませんね。
実際に薬局を開業したら、どれくらい稼げるのか
それでは、ここからは実際に薬局を開業した方たちがどのくらいの年収を稼いでいるかについて、見ていきましょう。
薬局経営者の年収目安
門前薬局か、近隣に薬局があるのか、様々な条件によって変わってくるのですが、運営する薬局の規模で考えると、
10〜20店舗経営:1500万円~1800万円程
が年収の目安になります。1店舗経営では、勤務薬剤師とそう変わらないように思えます。もちろん開業して、いきなりこの金額を手にすることが難しいのはおわかりですね。
問題は、この金額をどう見るか
「えっ!そんなに稼げるの?」と思う人もいるかもしれませんが、逆に「1000万円程度であれば、勤務薬剤師でも稼げる金額だ」と思う人もいます(簡単ではありませんが)。
ですので、「自分の理想の薬局をやりたい!」という情熱を持った人でない限り、1000万円以下の年収で、大きなリスクを背負ってまで開業する意味はないとも言えるかもしれませんね。
年収1000万円を目指せる薬剤師の働き方と実際の求人 のページもご覧ください
薬局経営を始める上で注意すること
勤務薬剤師より年収が良いということは、その分、リスクはつきもの。
最大のリスクは売上が上がらないということでしょう。
もちろん、誰でもオープン初月から黒字になるとは思っていないはず。では、薬局経営を始める上で、どんなことに注意すればよいのでしょうか。
実質的な収入増を視野に入れておく
個人事業主にするか法人化するかによって、経費扱いされる範囲と税金の関係で大きな差が出てきます。
車の維持費や家賃など、実質的に年間数百万円単位でプラスαにすることも可能。手取りは勤務薬剤師と同じであっても、実質的には1000万円を超える可能性は大きくなります。
地域連携や在宅の流れに乗る
調剤薬局は約55,000店舗あると言われていますが、2020年度の改定でも集中率の高い門前薬局の調剤報酬の引き下げ、対物業務から対人業務へ点数が移行している傾向があり、「地域連携」や「在宅」に力を入れる必要が出てきています。
こうした流れに上手に乗るのも年収をアップするコツになるでしょう。
開業場所はよく考える
開業した場所の条件が良ければ、半年で単月黒字も可能と言われています。
最近では薬局譲渡の案件も増えてきており、のれん代は別途必要ですが条件がよければ、初月から黒字化は可能とも言われています。
1店舗だけでなく複数の店舗を経営していく
個人薬局の場合、一人薬剤師で処方箋を1日30~40枚こなせば、家賃や人件費などの固定費が賄えるとされています。とは言え、個人薬局ではよほど地元のクリニックと太いパイプでもない限り、お客様(患者)を一気に増やすというのも難しいですよね。
そうなるとコツコツ地道に増やしていくしかないのですが、それでも近くに同じ診療科目を扱う薬局がオープンしたり、逆に近くのクリニックが閉院したりしてしまうことも考えられます。
こうしたリスクに対応できるよう、1店舗だけでなく複数の店舗を経営していくことでリスク分散ができます。そのためには、1店舗目で堅実に黒字を積み重ねていく必要はあります。
おわりに
年収だけで考えれば、薬局経営はやり方次第で、数千万円以上稼げる可能性はあります。
ポイントは、いかに早く軌道に乗せ安定させていけるかどうかなのだと思います。
いずれにせよ、独立開業するのであれば強い意志と覚悟。そして、開業資金だけでなく少しでも多くの運転資金を用意しておくことが大切です。
最近の傾向として、独立開業者よりも勤務薬剤師のほうが増えていますので一概には言えませんが、個人で開業するのは開業後のことも考えるとそれだけハードルが高くなってきたということです。
単に年収アップが目的であれば、薬局経営よりも
- 製薬会社のMRとして働く
- 大手ドラッグストアで働く
- 複数薬局をとりまとめるマネージャーとして働く
- 地方の薬局で働く
ほうが良いでしょう。
独立を考えているのであれば、まずは情報をしっかりと集めるところから始めてみてはいかがでしょうか。
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