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妊婦・授乳婦専門薬剤師
妊婦・授乳婦専門薬剤師は、社団法人日本病院薬剤師会が認定する専門薬剤師のひとつで、HIV専門薬剤師と同じく専門薬剤師の中でも新しい専門資格です。
その仕事は、妊娠・授乳期の薬物療法に関する高度な知識と技術、倫理観により、薬物治療を行う際には、母子への安全かつ適切に行うことを目的としています。
妊婦・授乳婦専門薬剤師の仕事
妊婦・授乳婦専門薬剤師は必要に応じカウンセリングも行いますが、単に薬の情報を提供するだけでなく、薬物療法を行うことでお腹の中の赤ちゃんや乳児へのリスクがどの程度あるのかを、正しく分かりやすく説明することが重要です。また、それに対しての問題点などがあれば、医師と協力して最善の方法を見つけることも、妊婦・授乳婦専門薬剤師の大切な仕事のひとつです。
妊婦・授乳婦専門薬剤師が他の専門薬剤師と大きく違う点は、使用する薬剤の有効性や安全性の根拠となるデータが少ないことです。つまり、妊婦・授乳婦が治験の除外対象ということでデータがなく、データがないまま薬物療法を行わなければなりませんので、その分、他の専門薬剤師よりも難しいという現場の声もあります。
薬剤師であれば、この薬が胎児に影響はないのか?と疑問を持った経験があるはずです。「この薬を飲んでも赤ちゃんに影響はありませんか?」と質問をされても、一般の薬剤師では明確に答えられないのが現状だけに、妊婦・授乳婦専門薬剤師の存在は重要だと言えます。
妊婦・授乳婦専門薬剤師になるには
では、どのようにすれば妊婦・授乳婦専門薬剤師になれるのか気になるところだと思いますので、以下の申請資格を参考にしてみてください。(詳細は「日本病院薬剤師会」のホームページをご参照ください)
- 薬剤師歴が5年以上あり、関連学会会員であること
- 妊婦・授乳婦の薬剤指導歴が3年以上あること
- 妊婦・授乳婦の薬剤指導実績が30症例以上あること
- 認定薬剤師であること
- 認定対象となる講習で所定の単位以上の履修取得者であること
- 所属長(病院長あるいは施設長等)の推薦書があること
- 日本病院薬剤師会が行う認定試験に合格していること
高度な知識や経験に比べ、他の専門薬剤師よりも情報収集が難しいこともあり、妊婦・授乳婦専門薬剤師に求められるハードルはさらに高くなります。しかし、それだけに遣り甲斐も多く使命感を持って仕事ができることが、妊婦・授乳婦専門薬剤師の何よりのメリットではないでしょうか。
また、お給料面では薬剤師の相場が年収500万円前後であるのに対し、妊婦・授乳婦専門薬剤師などの専門薬剤師は、製薬会社で700~800万円、責任者クラスなら1,000万円前後だと言われています。ただし、医療機関などでは一般の薬剤師や管理薬剤師と変わらないという声もありますので、お給料面ではあまり期待できないかもしれません。
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