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いよいよ28年度診療報酬改定 日本の経済・財政再生計画と診療報酬
最近、世間では診療報酬の改定についてよく話題が持ち上がるようになりましたね。
同業者が集まれば「今度の診療報酬の話なんだけどさ…」と集まるごとに、この話になっている人も多いかと思います。
それと同時に、集まるメンバーによってそれぞれの言い分があることに、改めて気づかされた人も多いのではないでしょうか。
勤務薬剤師だけで集まって話をする場合と経営者がいる席とでも違いますし、製薬会社に勤務中の人でも先発メーカーと後発医薬品メーカーとでは今回の診療報酬改定によって影響を受ける数字が異なります。
また、医師と薬剤師で集まると、時に予算の取り合い合戦のような話になってしまう!なんてこともあるかもしれません。
少し前のニュースですが、
予算分捕り合戦に突入か?
診療報酬がマイナス改定へ 診療報酬が上がる時代はもう来ない、必要なのは構造改革
こんなニュースもありましたね。
なぜ診療報酬は減額されていくのか
診療報酬の改定の度に、厚生労働省、業界団体(医師会・薬剤師会・歯科医師会)が、マイナス改定を避けるべくプラス改定へと議論を重ねて努力をしています。
しかし、改定の度に診療報酬の減額への大きな方向性は否めない状況下です。
少子高齢化により、医療費は今以上にかさむようになる
これは「国の財政難」について懸念材料が多すぎる、という背景があるためです。
そもそも診療報酬の財源は、国家予算の一部。そして財源を管理しているのは国の金庫番である財務省です。
財務省は「診療報酬の平均価格をこれ以上は上げられない」と主張を続けています。
理由は、少子高齢化により働き手が減っていくにもかかわらず、高齢者が増え、今以上に医療費がかさむことが予想されているからです。しかも、これは予想ではなく、既に現実的な問題として議論が重ねられています。
早めに手を打って財源を確保しなければ、
- 国民に対して年金を支給したくても支給できない事態になったり…
- せっかくの皆保険制度が破たんしてしまったり…
- 格差社会となり国民の意欲が低下してしまったり…
将来的にこういった事態を引き起こしかねません。国も何とかして、これをくい止めたいところなんですね。
では、医療費は一体どのくらいかかっているのか
では、医療費は一体どのくらいかかっているのかでしょうか。
これは国の予算から大まかに見て、医療費は年間約43兆円と言われています。
この43兆円の内訳は、
- 医療従事者の人件費: 約20兆円
- 医薬品の費用: 約10兆円
- 特定保険医療材料: 約1兆円
- 委託費・光熱費等: 約12兆円
その財源は(誰が払っているか)というと
- 税金: 約16.6兆円
- 保険料: 約21兆円
- 患者負担等: 約5.4兆円
そして、診療報酬で1%を削減するだけで、この医療費が4300億円削減できるのです。
これらの医療費の内訳をみれば、予算の奪い合いをしている場合ではないことがわかります。
※ 参照:資料1 社会保障②(28年度診療報酬改定、子ども・子育て)【財務省】
医療費はこの先伸び続けるのか?
引き続き、先程参照した【財務省】の資料を見てみましょう。
この資料は、非常に分かりやすくこれからも日本が迎える高齢化により医療費が伸びることを示しています。
これにより、日本はいよいよ”経済大国”の名は返上しなければならなくなるだろうと予想されています。
日本には皆保険制度がありますので、ほとんどの人が最高の医療を保険で受けることができる仕組みとなっています。病気になれば、多くの人は「病院に行く」と答えることでしょう。
そして、高齢になると病気になる確率は高くなり…
このように、日本で医療費が年々上がっていくのは当然といえます。
このまま診療報酬の減額をしなかったら将来的にはどうなるの?
毎年、医療費は約2~4%ずつ増えていると言われています。
しかし、先程のグラフからも分かるように、医療従事者の給料は”ほぼ横ばい”または”少しずつ減っている”ことが分かります。
医療の成長とともに給料が上がるばかりか、反対に減っているのです!
その理由は、医療従事者の給料が、国家予算により成り立っているためです。これから、労働人口がぐっと減るので国の予算もぐっと減ってきます。
どういうことかというと、税金や保険料という医療従事者の給料の財源が減ってくるのです。
今から、医療費を抑え、節約していかないと、10年後、20年後の日本の医療も医療従事者の給料も危ぶまれます。
おわりに
診療報酬改定は、今一度、業界を冷静に見られるチャンスです。
毎回の診療報酬改定で同業者間の予算の取り合いや、社内での上からの圧力について、細かい小競り合いを散見します。しかし、一呼吸おいて日本の財政について客観的に見てみましょう。
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