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調剤薬局元気の森の取り組みとは -第5回 みんなで選ぶ薬局アワードのプレゼン紹介

今回は「第5回 みんなで選ぶ 薬局アワード ONLINE」に代表薬局として登壇した、調剤薬局元気の森(群馬県) 大島英晃さんのプレゼンテーションをご紹介します。

大島英晃さん「薬剤師が支える企業の健康『健康経営』」

こんにちは。皆さん、突然ですが「健康経営」っていう言葉をご存じでしょうか。

経営者の方はご存じの方が多いかなと思いますし、すでに取り組んでいる方もいらっしゃるかと思うんですが、そのほかの方は聞いたことはあっても説明するのは難しいという方がほとんどではないでしょうか。

この「健康経営」というのは経営者だけじゃなく、仕事をして何らかのお給料をいただいている方やその家族の皆さんにも関係のある言葉なんです。「その健康経営が薬局と何の関係があるの?」「薬局が支えるってどういうこと?」という疑問について「なるほど」と納得いただけるお話を、これから10分間させていただきますので、お付き合いお願いいたします。

申し遅れました。私は「みんなをもっとゲンキにする」がモットーの株式会社 折り鶴、調剤薬局元気の森の大島と申します。よろしくお願いいたします。

まず、会社のご紹介をさせていただきます。私どもの株式会社折り鶴は、大正8年創業ということで、102年の歴史を持つ薬局でございます。現在、群馬県は前橋市内に6店舗をドミナント展開しておりまして、地域に根差した地域密着型で、医療・健康を提供しております。

やはり今、医薬分業の真っただ中ですので、調剤、在宅、こういった王道のところをメインに置きつつも、先ほど紹介した「みんなをもっとゲンキにする」っていう、この会社のモットーに対して、要は薬局に病気で来る人以外、健康な人に対してもどういったアプローチができるかっていうのを、昔から常に考えて業務を行ってきたわけです。

どんな形があるか模索しながら、情報や場所の提供、こういったイベントをいろいろ開催してきました。

一部紹介させていただきますと、例えば元タカラジェンヌの経営者の方と一緒にタイアップして、美と健康講座なんていうものを行ったり、ヨガセラピー講座もやりました。

地元の靴屋さんとタイアップしてノルディックウォーキングのセミナーもやったり、こどもお薬教室も実施してきました。

また、地元の天体観測のボランティアの方と一緒に子どもに星を見せてあげる会ですとか、いろんな業界の人とサッカーをやったり、さまざまなことをやってきました。

コロナ禍においては、こういったものがオンラインに移行して、例えばこれ。

左側のものですけれども、地元の吉本芸人さんや「歌うま和尚さん」というお寺の和尚さん等、話題の方とコラボしてイベントを行ったりとか、Youtubeを使った健康情報配信なんていうのもやってきております。

こうして、いろんな業種の方とタイアップしてきたっていうのが、この「健康経営」について、後々考えることになったベースになるのではないかなと、今振り返ってみるとそんな思いですね。

ここからが本題なんですが、健康情報の提供場の提供、こういったものをひとつの形にしたものが、「らしくる(lacycle)」という取り組みです。これは何かと言いますと、カフェで気軽に健康チェックをしていただく場所です。

まさに今、私がいる場所です。こうしたおしゃれなカフェを薬局に併設する形でつくりました。

何をするかというと、来ていただいた方に簡単な健康測定をしてもらって、それに対して薬剤師がアドバイスをする。このメソッドも実に単純なものでして、測定してカウンセリングをして、目標を設定してもらって、生活習慣に落とし込んでいただく。それらを薬剤師がフォローする。

調剤して、服薬指導をして、フォローをする、というのと薬剤師の仕事とまったく同じですよね。こうして、また測定に来ていただくというサイクルです。あなたらしい健康のサイクルをつくっていただくということで「らしくる」と名付けました。

この取り組み、なかなかいいんじゃないかなと我ながら思うのですが、落とし穴というか、もともと分かっていたことなんですけれど、「開業時間」これがネックになるわけですね。

薬局併設の形を取っており、私どもの規模だと、土・日や夜はなかなか開局できないということで、「本当に健康が必要な人に全員届いているの?」ということになるわけです。

「本当に健康が必要な人」というのは、こういう方たちですね。

日中、一生懸命働いている方。こういった方々は、やはり健康が大事ですよね。病気になれば、仕事を休んで薬局に来るということもあるのでしょうが、わざわざ健康な状態で仕事を休んで来局する、なんてことはとても難しいのです。

こうした一生懸命働いて、健康が大事な人たちの健康をどうしたら守れるかっていうところに思いを馳せて、「健康経営」というものを考えてみよう、というふうに思い至ったわけです。

「健康経営ってそもそも何ですか」という話なんですが、定義は従業員等の健康管理を経営的な視点で考え実践することというものです。従業員等というのはもちろん経営者も入りますし、ご家族も含まれます。こういった方の健康管理をするというのも非常に大事です。

簡単に説明しますと、働いてる人の心と体が健康に健やかに働いていけばモチベーションが上がって、生産効率がアップして会社も健全になっていくよっていうことですね。

この辺りはイメージ戦略もあるでしょうが、大手を中心に、どんどん健康経営の取り組みがされてきました。「ブラック企業」というものが話題になったりもしました。やはり、中小企業はそこまで手が回る企業はなかなか少ないんじゃないかなと思うわけですね。

実際に数字を見てみます。経産省が「健康経営優良法人」という認定を行っておりますが、これは、その認定率です。

ざっくりとですが、大企業は約16%が認定を受けています。ところが、それに対して中小企業。ここ近年急増していますが、それでも認定率は約0.2%ほどです。やはり日常業務だけで忙しいですから、そこまで気を回せる企業っていうのは、なかなか少ないんですね。

※上記の認定率は企業規模別に健康経営優良法人数÷企業数で算出されています
健康経営優良法人数:健康経営優良法人認定制度(経済産業省) 令和3年3月4日時点データより、大規模法人部門1801件、中小規模法人部門8434件(ブライト500含む)
法人数:中小企業の企業数・事業所数(中小企業庁)2016年6月時点データより、大企業1万1157者、中小企業・小規模事業者357.8万者。

そこで「オフィスらしくる」という取り組みを始めた。そんな経緯です。

何をやるかっていうと「働く皆さんを健幸(健康)にする」。健康の「康(コウ)」は「幸(コウ)」になっています。心と体を幸せにしようじゃないか。小回りが利くところが私どものとりえですので、企業に合わせた個別プログラムで健幸の結果が出るようにしようと。無理のないようなプログラムでサイクルを回す。健康サイクルを継続していけるような、そんなものをつくろうということで始めました。

要は、先ほど言った「オフィスらしくる」っていうのは、「らしくる」のこのカフェを企業に持ち込もうというだけのことなんですけれども、忙しく仕事をしているのであれば、仕事の合間にちょっと抜けて測定してみなよ!っていうことですね。

実際に、オフィスを訪問して、こんな測定を行います。ウェブで測定結果なんかを見ていただけるようになっています。それから健康セミナーなども実施いたします。人が集まらなければ、今は録画しておいてアーカイブ配信などもさせていただいています。

それから、企業ごとに、例えば短期集中のトライアルを行ったりとか、健康食品を扱っているメーカーさんだったら、自社製品を取り入れていただいてどうなるか、そんな個別プランも行うことがあります。

あとは、健康レクリエーションなどのチームビルディングですね。

この辺りは、私どもが得意としているところですので、こうしたご提案もさせていただいています。また測定自体がコミュニケーションになって、チームビルディングにつながっているのではないかと取り組んでみて感じています。

それから最近ですと、やはりオンライン相談ですね。遠方だったら、現地に測定ブースを設置させていただいて、遠隔で相談に乗ったり、カウンセリングを行う。こうしたこともさせていただいております。

あと、SNSも積極的に活用して、職員の方と情報共有をざっくばらんに行っています。

こういったことをさせていただいて、その結果、非常に成果が出てきました。有意差までついていなくても体重が落ちたり、「筋肉量が上がったよ」「内臓脂肪が下がったよ」っていうような結果が実際に出てきて、喜びの声が上がっております。

結構大きな企業だったので、まず一部の方々に受けていただき、また次に別の方々に受けていただくというような形のプログラムでした。

これは先週とれたての声です。「測定して減量することができて非常におもしろかった」、「食事、運動、こういったことに対する意識が非常に高まった」、「次の健康診断が楽しみだ」、「自分たちだけじゃなくて、他の人にもぜひ経験してほしい。自分も継続したい」…こうしたご意見もいただけました。

ここまで1年半取り組んできたのですが、ようやく手ごたえを感じられるようになってきたような、そんな昨今でございます。

この取り組みの今後の展望というか、具体的にこうしていこうっていうところから、妄想というか大きな夢までちょっと最後にお伝えしたいなと思います。

やはり今後はオンラインのサポートというのがキーワードになっていくんじゃないかなと思っています。オンラインなら遠方でも小規模の薬局でも中小企業の健康サポートができるというのが取り組んできた実感です。

また、企業の方のお話を聞いていると、働いている方もやはり薬を飲んでいる方がいらっしゃるんですよね。そこでオンライン服薬指導っていうのが、これからまたどんどん制度が変わってくると、これも一元でサポートできるという取り組みはするべきだなっていうのをとても実感しています。制度がだんだん追いついてくるんのではないかなと思っております。

それから、オンラインに仕事をシフトしていくことで、薬剤師の働き方の改革ですね。なかなか1日中働けない方でも、資格を持っていてもったいないなっていう方が、オンラインで仕事をするっていうのは、そういったところも実は変えていけるんじゃないか、なんていうふうに思っております。

こういったパッケージングができてくると、群馬から全国に発信していきたいな、やってくれる薬局をつくっていきたいなと。

中小企業で働く人っていうのは、全体の約70%と非常に多いんですね。
(※中小企業庁:都道府県・大都市別企業数、常用雇用者数、従業者数 2018年12月時点データより【従業者総数】中小企業÷規模合計で算出)

それに対して薬局は約6万軒。この薬局数が多いので半分ぐらいに淘汰しようなんて話もありますが、決してそんなことはなく、非常に重要な資源だと考えます。この6万軒の薬局が中小企業で働く人たちにアプロ-チしていったら、日本はもっとゲンキになるんじゃないでしょうか。

…というところで、私の発表を終わりにしたいと思います。ご清聴ありがとうございました。

審査員からのコメント

司会:

大島さん、ありがとうございました。それでは、審査員の方からコメントを頂戴したいと思います。みおしん様、お願いいたします。

麻酔科専門医兼メディアアーティスト みおしん 氏

みおしん:

よくまとまった発表、ありがとうございました。自分も含め、病院にいたころ、めちゃくちゃ忙しくしているスタッフで健康を崩してしまう人とかも見てきたので、そうした自分から健康チェックに行けない人たちのために、そちら側から来てくれるっていうのはとてもありがたいと思いますし、短期間集中セミナーやオンラインを使ってくれることで、ハードルがずいぶん下がるんじゃないかなと思って、すごい未来を感じました。

それに、従業員・スタッフが健康でいることがやはり経営的にも一番効率を上げてくれると思うので、この考え方がもっと広がればいいなと思っています。

あと今コメントから質問が来ているんですけれども、らしくる事業の営業活動はどのようにされているんでしょうか。

大島:

営業活動は飛び込み営業とかもしています(笑)。お手紙だったりとか、そういったことをしたりとかもしています。

ただ、まだ立ち上げ1年半ぐらいですので、つながりのあったところにお声かけさせていただいたりして取り組み始めているところで。過去にタイアップした所、つながりのある企業さんなど、そういった所にお声がけさせていただいたりっていうところで、ちょっとずつ行っております。

みおしん:

なるほど。じゃあ、もう1年半で先ほどの活動内容ができているっていうのは、本当に地道に努力されているんだなっていうのがよく分かりました。ありがとうございます。

司会:

ありがとうございます。では、もうひと方、白戸様。お願いいたします。

全国薬学生アワード2021 最優秀賞 白戸 良磨 氏

白戸:

素敵な発表、ありがとうございました。「健康経営」って、自分は初めて聞いて、ちょっと分からなかったんですけど、企業の方の労働者の健康を維持するということで分かりやすく教えていただきありがとうございます。

健康な人を対象に何ができるのかということで、ヨガセラピーだったりノルディックウォーキングとか、子どもと関わったりすることで地域に密着して、地域の健康を守るという発想が、素晴らしいという印象を受けました。

1つ、質問というか提案になってしまうのですが、こういったことを企業だけじゃなくて、大学と連携しても、おもしろいんじゃないかなと思って。こういったサービスが学生とか学校の職員の方に届いたら、もっと素敵だなって個人的に思ったんですけど、大学との連携って考えたりしていますか?

大島:

非常にいいコメント、ありがとうございます。実は、ウォーキングのイベントは、大学とも一緒にコラボして、大学の先生とか学生さんもお手伝いに来てもらって実施したこともあります。地元に薬学部がございますので、そういった所と連携するっていうのは大事なことだなと私も考えております。

白戸:

ありがとうございました。

みんなで選ぶ 薬局アワードとは? 】
全国から、創意工夫している薬局の取り組みを募集し、独自の審査基準に基づいた厳正な審査を行い、最終的に代表薬局を選出。一般の方を対象とした「みんなで選ぶ 薬局アワード(決勝大会)」にて発表します。審査員と会場にお越しの一般の方の投票により、最優秀賞の薬局を決定するイベントです。 ※主催:一般社団法人 薬局支援協会
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