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【第5回 後編】医療の世界での起業。薬剤師の挑戦はまだ少ない

インターネットとベンチャーが大好き。
プラス、薬剤師の知識と経験で、日本の医療サービスのよりよい変革を目指します。

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患者と医療サービスとをつなぐインターネットを介してのサービスは、まだ日本では多くありません。その先陣を切るかたちでスタートしたひとつが「ミナカラ」です。生活習慣病予防や介護の問題、健康寿命の向上など、国を上げての健康への取り組みと実現には、まだまだ解決すべき課題が山積みです。そんな社会状況から、喜納さんは現代のヘルスケアビジネスに大きな可能性を見ているようです。
第5回 喜納信也さん【前編】はこちらからご覧いただけます。

 

医療従事者の活躍の場を拡げ、患者さまの満足度も上がる。
そんな未来形の医療サービスを、日本から発信したい。

ー「ミナカラ」さんのサービスは、まさにネットに簡易な医療機関を作ったようなサービスですよね。起業に際して、ご苦労されたのはどんな点ですか。

場所にとらわれずにスマホでもアクセスできる、「手のひらに医療が乗っています」というイメージつくりました。現在、社員は私を含めて15人、スタッフを合わせると30人くらいで運営しています。

起業は資金調達が大変だと思われることが多いかと思いますが、いちばん苦労したのは人材採用でした。

まず、会社設立時に、200人くらいに会って、結局一緒に仕事がしたいと思ったのは、6人。最終的に創業メンバーとしてジョインしてくれたのは4人でした。

みなパッションを持って入ってきてくれたメンバーでしたが、最初に思い描いていたものと少しずつ事業の細かい部分が変わっていったりしたので、そういう中でフラストレーションも溜まっていったんだと思います。

1人辞め、2人辞め……となっていくので、最初は私自身の至らなさを痛感することばかりでした。

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初めての起業だったので、起業というのは単にプロダクトやサービスを作るだけではなく、組織を固めていくのも大切なのだと、私がまだわかっていなかったんですね。

ユーザー数の獲得や定着、サービスの認知度を上げるなど、ビジネスを発展させることにばかり意識を向けていました。その反省は大きかったです。

創業時のメンバーが全員辞めるころには、仲間をグリップしていくにはどうするかモチベーションを維持してもらうために何をすべきかを考えるようになり、少しずつ会社のムードは変わってきたと思います。

「ワークス」時代に、薬剤師のアルバイトをしていたとお話ししましたよね。薬剤師は、「時給」で働くと、患者さんがいようがいまいがその場所にいるだけでお金が入ってくるんです。

でも、働くってざっと人生の1/3以上を費やすわけで、その時間が意義のあることに向けられているかはものとても大切なことだと考えてます。

仕事がお金稼ぐ手段であると同時に、人生にどう影響するか。仕事の意味を、私自身は起業する前からずっと考えてきました。

なので、こうしたシステムを作ることで、医療従事者が活躍できる新しい場を生み出したいという思いもあります。

患者さまが時と場所を選ばずサービスを受けられるということは、サービスを提供する側も、いつでもどこででも自分の知識や経験を生かす機会があるということ。

 

ーなるほど。そんな喜納さんが、次に目標にしていらっしゃることは何ですか。

私はもともと、「将来の目標」とか「将来やりたいこと」といったことはそれほど重要なことではないと考えている人間です。将来の目標や、次の目標があるなら今すぐやるべきです。

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この「ミナカラ」もそうでしたが、私は次の目標や将来やるべきことは手探りで実際に動きながら見つけてきたと思っています。ですので、将来の目標以上に目の前のことに集中することを重視しています。

見たことがない事業に対し、大企業は、「前例がない」「成功する確信がない」などと言って避けがちです。大手がやらなそうな不確定性を背負っている何かこそベンチャーのチャンスですし、出番だと思っています。

医療の世界で起業するのって、いまはほとんどが医師なんですね。薬剤師や看護師はまだ挑戦が少ないんです。

けれど薬剤師は、いわば「病気」と「生活」の間をつなぐような立場にあり、快復後にリアルな生活へシフトしていく患者さんに、「この薬を飲み終わればもう大丈夫ですよ」と背中を押せる立場にあると思うんです。

薬剤師にできることはもっとあると思っているので、どんどん挑戦してもらいたいです。

 

ー最後に、今後のビジョンをお聞かせください。

くやしいことに、アメリカはこうしたネット医療のサービスがとても進んでいて、シリコンバレー発の医療サービスとかすごくいいんですよ。

でも、日本はアメリカより高齢化社会が進んでいて、高齢者対策の文脈を生かすと、グローバルに勝負できる勝機があるかなと。

B to Bよりは、B to Cが変わるようなサービスで、2020年の東京オリンピックぐらいまでに誰もが「すごい」と驚くしくみを作りたい。日本を代表するような医療ベンチャーにしたいですね。

薬剤師のような資格の仕事って、それを取ってしまうと半ば道が決まるから、将来にあまり迷わないとも言えるけれど、本当は迷うのって健全だと思うんです。

もともとは18歳やそこらで大学選択した結果でしかないし、大学や院を卒業するころとか、社会人になっても、「免許取ったから」と囚われすぎなくていいのでは

むしろ、「そもそも薬剤師って何だっけ? 何ができるっけ?」と考えるうちに、思わぬ人生の扉が開くこともあるんじゃないかと思っています。

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喜納信也さん(きな しんや) プロフィール

1983年、長野県生まれ。2007年、北里大学薬学部を卒業後、株式会社ワークスアプリケーションズに入社。コンサルティング業務に携わる一方で、就業後や週末に都内の調剤薬局などで薬剤師として働く。13年にグロービス経営大学院経営研究科を修了、経営学修士となる。同年、11月にヘルスケアスタイルラボラトリーを設立。14年8月にネット医療サービス「ミナカラ」をリリースし、15年9月に株式会社ミナカラに社名変更。現在に至る。

活動内容

「ヘルスケアをもっと身近で感動的に」というミッションを掲げ、医療Webサービス「ミナカラ」を運営。ミナカラでは、ネットユーザーが体の不調や薬について知りたいとき、気軽にアクセスして回答が得られるQ&Aサービスや、ヘルスケア記事、おくすり辞典など豊富なコンテンツを持つ医療メディアサービスを提供。また、薬剤師に相談後、必要な自宅やオフィスに薬を届けてくれる「おくすり宅配」というサービスも、まだエリア限定だが、手がけている。経済産業省主催のビジネスコンテスト「ジャパン・ヘルスケアビジネスコンテスト2016」で優秀賞を受賞。

 

第5回 喜納信也さん【前編】はこちらからご覧いただけます。

ファーマシストライフ編集部 (取材・文/三浦天紗子、写真/土佐麻理子)

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都内の調剤薬局に勤務中。

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