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2023年「第7回みんなで選ぶ薬局アワード」結果発表レポート

2023年11月12日、薬局支援協会主催の「第7回 みんなで選ぶ薬局アワード」が開催されました。会場は、昨年に引き続き、東京大学本郷キャンパス福武ラーニングシアターで、現地とオンラインのハイブリッド開催です。

今回は、初の試みとなる開会前特別講演も行われました。

I&H株式会社(阪神調剤グループ)社長室 野村洋介氏
特別講演「薬局の見えない底力」

思い溢れる熱い講演から薬局アワードが始まりました。以下に「第7回みんなで選ぶ薬局アワード」の結果発表をまとめて紹介していきます。

2023年度の代表薬局

本年度の予選会にて、一般審査員の中から代表薬局に選ばれたのはこちらの6薬局です(当日発表順)。

・府中薬局【東京都府中市】
・黒石薬局【青森県黒石市】
・モリ薬局大塚店【東京都豊島区】
・さくら薬局羽茂【新潟県佐渡市】
・水戸薬局【東京都葛飾区】
・ナカジマ薬局【北海道札幌市】

薬局アワード本選の参加申し込みは約218名(イベント管理サービスpeatixより)。一般参加者が注目する中、今年も素晴らしい薬局の取り組みが発表されました。

【みんなで選ぶ 薬局アワード】とは?
「薬局ってどこも一緒じゃないの?」「信頼のおける薬局を探したい」そんな患者さんの疑問や要望に応えるべく、一般の方々に薬局の取り組みを知ってもらうイベント。薬局アワードの代表薬局は、背景・思い、患者視点、独創性、社会性、再現性、将来性という6つの評価項目に基づき、1次審査、2次審査を経て6組の薬局が代表に選ばれる。そしてイベント当日、それぞれの取り組みについて代表薬局の発表を聞いた上で、薬局アワード参加者と審査員の投票により受賞薬局を決定する。

なお、2023年度の特別審査員は以下の6名です(五十音順)。

一般社団法人 埼玉県薬剤師会 副会長 池田和久 氏
木村情報技術株式会社 コンサナリスト®事業部 事業部長 川越満 氏
看取りコミュニケーション講師 / 看護師 後閑愛実 氏
NPO法人医療心理学協会 代表理事 / 株式会社メディセレ 代表取締役 児島惠美子 氏
患医ねっと 代表 鈴木信行 氏
厚生労働省 医薬局医療機器審査管理課長 / 元保険局医療課薬剤管理官 中山智紀 氏

2023年の受賞結果!

  • 最優秀賞は「ナカジマ薬局」
  • 特別審査員賞は「黒石薬局」
    ※特別審査員賞:特別審査員から最も支持された薬局に与えられる賞
  • オーディエンス賞は「モリ薬局大塚店」
    ※オーディエンス賞:一般参加者から最も支持された薬局に与えられる賞

最優秀賞:ナカジマ薬局

「一人暮らしでも安心できる生活を守るために日々寄り添い続ける薬剤師」

改正薬機法で義務化した「服薬フォローアップ」に伴い、近年はアフターフォローという形で実施されている患者の服薬見守り。ナカジマ薬局では「テレフォン服薬サポート®」として既に40年ほど前から実施しており、現在では、年間5万件以上の服薬見守りを行っている。そうしたベースを活かし、大きな社会問題となっている「孤独死」について、地域でできることはないかと考えたのが今回の地域見守り活動の始まり。自治体と共同し、地域見守り活動「足寄モデル」を構築。見守りの際の記録で、独自の評価基準を設け、明確にステージを分類。これにより自治体と連携して対応することが可能となっており再現性も高い。受診勧奨や飲み忘れの発見などの成功事例もあり、一人暮らしの高齢者の心の支えとなりえる、今後ますます期待される取り組みといえる。

特別審査員賞:黒石薬局

「地域講演特化型薬局で頼られる薬局になる!」

取り組みのきっかけは健康サポート薬局の連携依頼。市から依頼される講演会、地域の方からの要望による出前講座、薬局主催の健康教室など、年10回以上の地域講演を実施。参加者からの口コミが伝播し、地域の方々から身近に感じてもらえるようになったことで、次々と講演依頼が舞い込むようになった。これにより、普段病院や薬局に行かない健康な方への情報発信もできるようになっているという。地域住民への健康サポートを念頭におくと、今後さらに増えていくであろう、薬局・薬剤師の講演依頼において、黒石薬局で作成した講演会用のスライドを希望する薬局・薬剤師に提供。講演の企画・提案に悩んだ方には、アドバイスも行うとのことだ。

オーディエンス賞:モリ薬局大塚店

「医療が届かないベトナム人技能実習生の最初で最後の砦」

現在、日本には47万人以上のベトナム人がおり、その半数以上が技能実習生。過酷な労働状況のベトナム人技能実習生は体調を壊しやすく、受診したくてもどこへ行けばよいかわからない。日本語が苦手な人は、適切な医療を受けることが難しく、周囲に相談することもできない。また、職場でパワハラを受けたり、SNSで騙されたりすることも少なくないという。そんな技能実習生のために、薬局のベトナム人スタッフらが、tiktokによる情報発信、健康相談、オンライン服薬指導、さらに弁護士・行政書士・薬剤師の3者による合同相談会などを実施。全国の技能実習生が抱えるパワハラ問題、ビザの問題、健康問題などの相談を受け付けている。薬局オープンから1年あまりで、1万人以上に利用されているという。

府中薬局

「きっかけは道案内、お困り事から地域の健康までサポート!健康HOTステーション」

薬局に入りづらいという見えない壁を取り払うため、薬局前の人々が通る通路側に、気軽に相談できるコミュニティーカウンターを設置。カウンターは、店舗リニューアルを機に、美術大学学生、まちの人たち、近隣の店舗の方々を呼んで開催した「みんなで作る府中薬局会議」にて、”BARのように、ふらっと寄れる場所”という案から生まれたという。さらに、薬局スタッフが手作りした駅周辺の道案内マップを表に出すことで、薬局が多くの人が立ち寄ってくれる場所に。試飲会や測定器を用いた体験型のイベントをコミュニティーカウンターで開催することで、健康を意識していなかった地域の方々の生活習慣を見直すきっかけ作りにもなっている。今後も地域全体が健康になる取り組みが継続されることに期待。

さくら薬局羽茂

「離島×超高齢化エリアの薬局を地域の人が交わるプラットフォームに」

高齢化率が40%を超え、全年齢で人口減少、医療人材不足、病院統合による病床数の減少、物流問題…そんな佐渡島の現状は、10~15年先の日本の未来だと言われている。加齢とともに高齢者の生活圏は縮小し、社会とのつながりが薄くなったり、健康への意欲が低下して、フレイル・低栄養・認知症など、いろいろな疾患の悪化リスクも引き起こす。地域全体に耳を傾けることで、地域の高齢者を支える行政や各企業のサービスが必要な方々に届いていない、認知してもらえていないという課題に気づく。薬局で健康イベントを行うことで、地域の方に健康体験を提供。そこで地域のサービスを認知してもらうことで、人と人をつなげるという地域のプラットホームとして薬局が機能しているとのこと。

水戸薬局

「誰一人取りこぼさない、途切れのない支援を通じて、薬局を地域のよろず相談所へ」

きっかけは学校薬剤師の業務。朝食を食べていない子ども、朝晩一人で過ごす子どもが多くいることに気づく。コロナ禍に、手作りマスクの作成・配布により集めた寄付で、支援団体「kuuma(クーマ)」を設立し、2020年12月こども食堂を開催。地域の子供たちへの食事支援を開始。翌年1月に「みとちゃんの朝ごはん」を月2回し、その後、約1年、朝夕合わせ月3回の食事提供を続けていき、参加人数が増加。さらに、行政との連携による経済的困窮家庭への食糧配布を行う「kuumaフードパントリー」、地域の子どもたちが気軽に立ち寄り、コミュニケーションが取れる場として「みとちゃんち」の取り組みを開始。地域の方や患者もボランティアとして参加し、あらゆる世代の地域住民の健康維持活動を行っている。

おわりに

今回の薬局アワードについて、「社会性が高く、再現性がある取り組みを実施している薬局が多かった」と高く評価している特別審査員もいました。物価高、物流問題、生成AIの台頭など、薬局業界を取り巻く問題も多い時代ですが、まだまだ薬局・薬剤師にはやれることがあると勇気を与えてくれる発表が多かったと感じました。

薬局アワードで発表される薬局の素晴らしい取り組みが、明日からの薬局運営のヒントとなり、薬局が地域問題の解決に向けて行動することで地域が活性化し、薬局や薬剤師の存在がより必要とされるようになることを、心から願ってやみません。

今後の予定

次回、第8回みんなで選ぶ薬局アワードは2024年11月開催予定です。
薬局アワードでは一緒に運営してくれる仲間やエントリー薬局を募集しているとのことです。興味のある方は、薬局支援協会のホームページよりお問い合わせ下さい。

ファーマシストライフ 働き方研究所では、「みんなで選ぶ薬局アワード」の公式メディアとして、2023年度も代表薬局の取り組みやインタビューなど順次紹介していきます。どうぞお楽しみに。

みんなで選ぶ 薬局アワードとは? 】
全国から、創意工夫している薬局の取り組みを募集し、独自の審査基準に基づいた厳正な審査を行い、最終的に代表薬局を選出。一般の方を対象とした「みんなで選ぶ 薬局アワード(決勝大会)」にて発表します。審査員と会場にお越しの一般の方の投票により、最優秀賞の薬局を決定するイベントです。 ※主催:一般社団法人 薬局支援協会
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