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【特別審査員賞】黒石薬局の取り組みとは -第7回 みんなで選ぶ薬局アワードのプレゼン紹介

今回は「第7回 みんなで選ぶ 薬局アワード」で特別審査員賞を受賞した、黒石薬局(青森県黒石市) 大川誠也さんのプレゼンテーションをご紹介します。

地域講演特化型薬局で頼られる薬局になる!

黒石薬局について

まず、最初に黒石薬局の紹介ですが、黒石薬局は青森県の黒石市という、本当に青森県の真ん中にある薬局です。人口は3万人ぐらいの小さな市なのですが、「黒石よされ」っていう写真のような踊りが有名です。

薬局の写真を見てわかる通り、雪が積もってます。実際、薬局アワード前日から既にもう雪が降ってますので、かなり寒いところにある薬局です。雪も多いです。

黒石薬局の薬剤師は4人。1日に約60人ほどの患者さんがいらっしゃいます。在宅は月100件ほどで、市内唯一の健康サポート薬局となっております。

きっかけは、健康サポート薬局の連携依頼

まず、薬局の役割なんですけれども、「薬局とは、処方箋を持って来てくれた患者さんの健康に対して薬で貢献する」。これ間違ってないですよね。しかしながら、これだと薬局に来る人だけのサービスを提供することになってしまいます。薬局に来ていない、元気な人や地域の人に対して、その方々の健康を守りたいっていうのが私たちの思いです。この活動を続ける思いがここにあります。

黒石薬局は年間10回以上、地域で講演活動を実施している。まさにこれ、講演特化型薬局になっています。どうしてこの講演活動が始まったかですが、最初のきっかけは健康サポート薬局の連携依頼でした。

健康サポート薬局というのは「国が定めた地域住民の健康を守るために認定している薬局」です。この健康サポート薬局をやる上で、地域住民からいろんな相談を受けた時に、いろんなところにつなげるという作業があります。そうした時に、あらかじめ関係機関と連携を保っておかなければいけないので、最初は説明に行くわけなんです。その時に「黒石薬局では薬剤師がお話をすることができます」ということを伝えました。これが全ての始まりです。

講演会は大きく分けて3つ。いろいろな依頼が来るように

実際に講演会の紹介をしますが、講演会は大きく分けて3つあります。

1)市から依頼される講演会
2)地域住民から依頼される出前講座
3)薬局が主催する健康教室

この3つがあります。これはちょっと皆さんにも見ていただきます。

これが市の地域包括支援センターなどから依頼される講演会の様子です。

市の方で大きい会場を借りてくれるので、そこで地域の広い範囲の方たちが20、30名、多ければ40名ほどいらっしゃって、このようにお話をさせていただきます。

実際、依頼されるテーマについては、薬とサプリの飲み合わせとか、薬の正しい飲み方のように、いかにも行政という堅いイメージの講演なんですけれども、まずはこうしたことを始めました。

これが終わった後に、だんだんと出前講座というものが舞い込んでくることになります。

これは先程の講演会の参加者やスタッフの方々から「私たちの町内会でもやってほしい」など言っていただいて、いろいろな依頼が来るようになりました。

公民館など、写真のようにちょっと小さいタイプのお部屋などでやってますので、人数も10名ぐらいです。近隣の方々が来ていますので、本当に和気あいあいと仲良くお茶やお菓子を食べながらやってます。

私が話している途中であっても、躊躇なくどんどん質問が来ます(笑)。本当に和気あいあいとした楽しい話し合いをできる場所です。

最後、健康教室についてですが、これは私たち、健康サポート薬局がやらなければならない取り組みの一つで、薬局が主催する講演会です。

これは一番最初、薬局の中でやってたんですが、とても小さい薬局ですので、MAXで9人しか入りません。最初は良かったんですが、だんだん人が増えてきまして、会場はもう公民館など借りなければ入りきらないぐらいになってしまいました。

こういう感じで運動などをするんですが、この健康教室とほかの活動との違いは、多職種とコラボしてる点になります。さまざまな職種とコラボすることで、地域住民の方々も、さまざまな職種を知ることができますし、私たち薬剤師も、さまざまな職種とさらに連携を深めることができます。これ、結構楽しいんですよ。写真は、コロナ前の最も参加いただいた、MAXの時ですね。キツキツでした。こうやって40人以上の方が公民館に来て、話を聞いてくれました。

コロナ禍を経て、やっと講演活動が再開

こちらが実施した講演会の内訳になります。

先ほど言ったように、2020年、2021年はコロナ禍のため、その機会が全くなくなってしまいましたが、2022年から一気に復活します。このグラフでは、2023年9月までとなってますが、11月の現時点で、さらに2、3件プラスとなってますので、既に2022年を超えている状況です。実際、私は昨日も話をしてきました。これほど、地域で呼ばれているということですね。本当にやっと日常生活が落ち着いたので、講演活動を再開することができました。

薬剤師を身近に感じてもらえますし、参加した方々には自分の健康に対して、改めていろいろ考えてもらうことができました。これは私たちの当初の思い、目的です。普段、薬局に来ない、健康な人々への情報発信ができるようになっています。

講演の参加者が口コミを広めてくれた

では、なぜこんなに毎月講演する機会があるのか、ということ。それは口コミです。参加してくれた方が「あそこの薬剤師めっちゃ面白い。呼べば、絶対楽しいから」っていう口コミを広めてくれるんですよ。さらに自治体の方々も「あそこの薬剤師は頼みやすい」って広がることで、どんどん話が舞い込んできます。やっぱり一回頼むと頼みやすくなりますよね。これは普通どんなところでもそうなんですが、そうやって、どんどん講演の機会が増えていきます。

実際にアンケート取って参加者の声を聞くと、「薬局で忙しそうだから、全然、薬剤師に話が聞けなかった。でもここなら聞ける」「薬剤師って、実は気さくなんですね」ということも分かってもらえました。「普段病院に行かないけれど、講演に参加することで、健康についていろいろ考える機会になった」と話してくれた方もいます。

最近開催した人気の講演

最後に最近行った人気の講演です。

これまず、骨のお話なんですけれども、これは骨密度測定も一緒にやってます。

この機械は誰でも操作できるので、実際これ操作しているのは学生さんです。薬学生です。来て測定してもらって、骨密度が低ければちょっと受診して調べてもらった方がいいよとか、健診にやってるっていう話にも繋がっていきます。これはとても盛り上がります。

あと、今年とても暑かったですよね。ですので、この熱中症予防教室というのもとても好評でした。

熱中症になりやすいかについて、私が一方的にずっと喋る形でなく、Q&A方式でやります。ですので、参加者もしっかり答えてくれますね。そういう参加型の講演をしています。あと、このオーエスワン(OS-1)とポカリスエットを飲み比べたり。結構面白いです。実際飲んだことがない方もいますし、一度に両方を飲む機会は滅多にないので、とても楽しんでいただけました。

あと、子供へのお薬の飲ませ方講座です。

実際に小さなお子さんがいる方向けの講演なんですけれども、子供のお薬ってどんな味なのかとか、飲み物と飲んだ時の味の変化とかっていうのを実際に体験してもらいました。この時は健康教室でしたので、消防士さんとコラボしています。消防士の方に、この地域の小児救急がどういう状況になってるのかっていうのをお話ししていただきました。これはとても好評でした。

実際に使ってるスライドを提供

おそらく、薬剤師の講演依頼というのは、これからまた増えていきます。でも、この講演スライドって結構作るの大変なんですよ。黒石薬局は、この活動を応援しています。

どのように応援しているかと言いますと、もし皆さんの薬局で、講演してほしいと言われた時に、どんな提案しようとか悩んだら、私たちはアドバイスします。こういうのいいですよ。面白いですよ、と。また、私たちが実際に使ってるスライドも提供しています。

これは提供しているスライドです。どうやって提供しているかと言いますと、うちの薬局のインスタとか、ホームページにメールアドレスがあるので、そこにメールをしていただき、この講演のデータが欲しいですと言っていただいたら、差し上げてます。実際、もう何点か差し上げてますので、この内容について、ぜひ皆さん知っていただけたらと思います。

講演会に来てもらったことで、薬剤師の顔を知ってもらうことができましたし、顔が分かる薬剤師っていうのも理解してもらいました。話をするということは、本当に、とてもやりがいになります。今後も黒石薬局は、この地域の住民に必要とされるように、これを頑張っていきたいと思います。

最後にこの写真です。

これは、プレゼンの一番初めに言った「黒石よされ」に、薬局のメンバーが実際に参加した時の写真です。こんな感じで、私たちは地域の中に溶け込んで、一緒に活動していくっていうのをモットーに頑張っています。以上、ご清聴ありがとうございました。

審査員のコメント

司会:

ありがとうございました。それでは、審査員の方からコメントを頂戴したいと思います。児島惠美子様、お願いいたします。

NPO法人医療心理学協会 代表理事 / 株式会社メディセレ 代表取締役 児島惠美子氏

児島:
素晴らしい発表ありがとうございました。これからの薬局に対して、すごくいいキーワードがたくさん詰まっていたと思います。

まず一つが、薬局に来ていない方々への健康サポート。これは本当にすごく重要なことだと思うんですね。まだ病気になってない健康な人へのサポートは、もう日本全国、世界的にもやっていただきたいことであり、薬剤師がこれからやるべきことだと思っているので、それをすごく実現してくださっているのが素晴らしいと思いました。

また、写真を見ると、おじいさん、おばあさんが多いんですけれども、一方で小児のお母さん方に向けてもインスタ等で情報を発信していて、さらに、ほかの薬局さんともつながろうとしてくださっていて、薬局全体、この業界全体を巻き込もうとしていただいてることが、素晴らしい取り組みだと思いました。

1点、ちょっと教えていただきたいなと思ったんですけれども。このように、さまざまなことをしていくなかで、これを聞いて「じゃあ、うちの薬局がやってみたい!」という薬局が増えてくると思うんですが、黒石薬局で一番気をつけていたことっていうのは何かありましたか。

大川:
はい。ありがとうございます。まず、うちの薬局は、私一人が講演に行っているわけではないので、ほかの薬剤師にも講演をしに行ってもらいます。ですので健康サポート薬局としてこれをやっていかなければいけないんだってことを理解してもらわないと、スタッフにとってやっぱり負担しかないので、その部分はとても気をつけています。また、私が講演に行っている間は、誰かが薬局を守らなければいけないので、その部分もやはり注意して対策はするようにしています。

児島:
なるほど。素晴らしいですね。ありがとうございました。

司会:
ありがとうございます。もう一方、池田和久様、コメントをお願い致します。

一般社団法人 埼玉県薬剤師会 副会長 池田和久氏

池田:
はい。大川さん、ご苦労様でした。取り組みとして非常に素晴らしいなと思ったのは、薬の内容だけじゃなくて、それに付随するもの。オーエスワン(OS-1)などのドリンク類の話もありましたが、他のものに関しても健康に関することであれば、どんどん盛り込んできている。そして、その内容が多岐にわたっているということが、地域住民の方にとってはすごく魅力的なんじゃないかなという風に映りました。

薬剤師会でも「薬と健康の週間」などで、地域住民の方に対して、いろいろなサービスを行う機会が毎年あるんですけれども、せいぜい年に1、2回できるくらいかなと。1軒の薬局さんで、年10回以上もやられているということは、マンパワーとしても、とても大変じゃないかなと思うんですよね。1日に60枚以上の処方箋が来るとなりますと、内容にもよりますが、やはり薬剤師さんの手がそちらに取られてしまいますよね。資材を作ったり、あるいはパイプを作ったりという時間をとることは、なかなかできることではない、本当にすごいことです。

ほかの薬局のサポートもやっているということなので、私も是非その資材を使わせていただければ嬉しいなというふうに思いました。今日は本当にありがとうございました。

—–

あらためまして、特別審査員賞おめでとうございます!

みんなで選ぶ 薬局アワードとは? 】
全国から、創意工夫している薬局の取り組みを募集し、独自の審査基準に基づいた厳正な審査を行い、最終的に代表薬局を選出。一般の方を対象とした「みんなで選ぶ 薬局アワード(決勝大会)」にて発表します。審査員と会場にお越しの一般の方の投票により、最優秀賞の薬局を決定するイベントです。 ※主催:一般社団法人 薬局支援協会
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