かんまき薬局グループ ABC薬局の取り組みとは -第4回 みんなで選ぶ薬局アワードのプレゼン紹介

今回は「第4回 みんなで選ぶ 薬局アワード ONLINE」に登壇した、かんまき薬局グループ ABC薬局(大阪府) 山田菜摘さん、芦田泰弦さんのプレゼンテーションをご紹介します。

山田菜摘さん、芦田泰弦さん「お困りごとカードを活用して笑顔いっぱい!」

芦田:

皆さん、こんにちは。かんまき薬局グループABC薬局代表の芦田と申します。今回初めて大阪から参加させていただいております。どうぞよろしくお願いいたします。

私はお客様からの笑顔を見ることにやりがいを感じております。例えば地域の老人会から薬の講演会の依頼を受けることがあります。講演会では真面目に薬の話をさせていただくのですけれども、講演会の前に参加者からの笑顔が見たいために、あることをします。

今日は折角、皆さんご覧いただいていますので、その準備をしてきましたので、ちょっとご覧いただけたらと思います。私が何をするかと言いますと、こちらのような手品を講演会の前にしています。

こちらにはウサギのハンカチがありますけれども、いきますよ。フッとやると、アヒルのハンカチに変わっています。というような感じでですね、どうでしょうか皆さん。笑っていただけましたでしょうか(笑) ありがとうございます。

ということで、こういった形で手品をする薬剤師として覚えていただいています。

「お困りごとカード」とは?

芦田:

ところで今回は『お困りごとカードを活用して笑顔いっぱい!』というテーマで、ご紹介させていただきます。薬局に薬の相談だけではなく、気軽に何でも相談していただけるよう、こちらのようなお困りごとカードというのを作成いたしました。

お困りごとはありませんか?ということで、例えば「外出をするのが億劫になった」「症状はあるけれども、どのような診療科に行くか分からない」こういった様々な例でやらせていただいています。また、裏面のほうは、その内容について記載するようなカードになっております。

この可愛らしいカードは、薬局のスタッフが作成してくれました。今回お困りカードを活用して笑顔になっていただける取り組みを、管理栄養士の山田にバトンタッチして、ご紹介させていただきます。

かんまき薬局グループ ABC薬局の紹介

山田:

では変わりまして、お困りごとカードの取り組みについて、発表させていただきます。管理栄養士の山田です。よろしくお願いします。

まずABC薬局は大阪の高槻市に8店舗あります。その中でも私が勤務している薬局はかんまき薬局なのですが、こちらは50年前からある薬局です。スーパーの前にあり、地域の方がたくさん来てくださっています。

患者様は比較的高齢の方が多いのですが、ハロウィンの時期になると、子供さんが仮装してお菓子をもらいに来てくださるときもあります。

「お困りごとカード」作成のきっかけ

山田:

そのような私たちの薬局で、認知症患者の早期発見について、地域包括支援センターと大学との共同で、取り組みを始めました。

ただ、認知症の早期発見と言っても、何から始めていいか悩みましたし、なかなか患者さんは見つかりませんでした。そこで私たちは、患者様が相談しやすい環境づくりをしよう、何でも相談してもらおうということを考えたのが、お困りごとカードのきっかけでした。

このお困りごとカードは先ほど紹介したように、患者様にお困りごとを記入してもらうカードになります。可愛いイラストが入っていて、手に取りやすいように工夫をしてみました。

大きく貼ってポスターに掲示したり、待合スペースなどに設置してみたりしたのですが、結果はどのようになったと思いますか?

実はなかなか活用していただくことは難しかったのです。何とかして、このお困りごとカードを活用していきたいと思い、話し合いを重ねていきました。

「お困りごとカード」はどうやって活用されるようになったのか

山田:

そしてまず、地域のイベントで配布をしてみることにしました。近くの銀行や病院、介護事業所などと一緒に行った健康イベントや、地域包括支援センターやボランティアの方と月1回、一緒に行っているABCにこにこかふぇ、また別の地域包括支援センター主催の認知症カフェでも、こちらのカードを配ってみました。

そして、薬局内での使い方については、少し変えてみました。

私たちの目標は、困っているけど言い出せないという人のお困りごとを引き出すことでした。その目標を達成するために話し合いを続けていった結果、お薬の待ち時間などを利用して、患者様の隣に座り、聞き取りを行うことから始めました

何か困っていることはありませんか? というふうに聞きながら、患者様の様子を観察しています。このような取り組みを続けた結果、たくさんの相談が寄せられました。

内容はお薬の相談から、日常生活のことまで様々でした。

お困りごとの相談事例

山田:

次に私たち管理栄養士が対応した事例について、紹介したいと思います。

1つ目は、血液検査の結果を持って、来客された患者様についてです。栄養相談をして、最終的には数値を改善することができました。

2つ目は、エアコンがつかなくて、暑くてしんどいというお困りごとでした。自宅に訪問してみて、設定を確認し、解決したのですがニュースでも取り上げられているこの内容が、薬局にも相談に来るのだなと驚きました。

お困りごとを集計してみると、お薬以外の相談がほとんどを占めていることが分かり、薬剤師以外のスタッフでも対応できるということが分かりました。

私たちの薬局には、管理栄養士や栄養士、登録販売者など、様々な資格を持ったスタッフがいます。そのため、たくさんのお困りごとを、皆で協力し合って解決することができました。

認知症の早期発見につながる可能性

山田:

そして初期の目的であった認知症の早期発見に繋がるのではないかと思われる事例もありましたので、ご紹介したいと思います。

薬局にいつも来られている患者様で、スーパーや薬局での買い物の量や、頻度が明らかに多いことが続きました。財布の小銭もパンパンで心配だったので、スタッフも声掛けをしていたのですが、なかなか改善しませんでしたので、地域包括支援センターに連絡しました。

その後ご家族とも連絡が取れ、介護申請中という連絡を頂きました。最終的には、買い物量や頻度が減ったということが、確認されています。

このような事例について、地域包括支援センターと連携を取りながら、患者様を観察することができました。

そのため、このような事例に遭遇したときに、どのような対応が必要かスタッフと連携を取りながら、フォローの体制を整えておくことが大切だというふうに実感しました。

まとめ

山田:

そして、この取り組みを通して私たち薬局は、医療や介護はもちろんですが、地域の金融機関や、地域包括センターなど、いろいろな機関と一緒になって住民の皆様をサポートできる場所だということが、再認識できました。

そこで私たちは、患者様の小さな変化に気づき、手助けをして不安を解消して、患者様にとって心のよりどころになるような環境づくりを、もっともっと進めていきたいと思います。

このコロナの時期で、寂しい思いをされている患者様は、たくさんいらっしゃると思います。その中でこのお困りごとカードを活用して、少しでも笑顔になってくださる方が増えたらいいと思っています。

最後に、お困りごとカードで…

芦田:

笑顔いっぱい!!

芦田・山田:

以上です。ありがとうございました!

審査員コメント

司会:

ありがとうございました。チャットのほうでも、早速、芦田さんが最初にされた手品を見て、「きた、手品!アンサングシンデレラだ!!」というようなコメントも、たくさんいただいております。

それでは、審査員の方からコメントを頂戴しようと思います。鈴木様、お願いします。

患医ねっと 代表 鈴木 信行 氏

鈴木:

ありがとうございました。

地域を巻き込んで、いろいろな職種の方が関わって、それで患者さんの思いの部分、考えていること、そして生活なども捉えるということで、まさに薬剤師が目指す健康な生活を確保するというところに繋がる、すごく素敵な取り組みであるとともに、発表者が、管理栄養士の方がされているということも、またすごくいいと思いました。

活動されている中で単に用紙を用意しても、それは書いてくれないと。それは私も正直そう思ったのです。その中で次のステップとして、隣に座って聞き取りをされる。これはいい発見であり、素敵な活動だと思いました。

そこのところでもう少し教えていただきたいのですが、この聞き取りをする活動というのは、今後継続していくのかとか、どういうお客さんに対して、どういうタイミングで声がけをするのかとか、その辺の声がけのノウハウのところが、ご経験があれば教えていただきたいと思いました。

山田:

ありがとうございます。なかなか聞き取りといっても難しかったところも正直あって、もちろんこれからもどんどん、患者様は今でも薬局を頼って、患者様のほうから相談に来てくださることもあるので、続けていきたいと思うのですが。

なかなか相談しにくいという方については、何でもいいので、本当に世間話とか、今日の天気、どうですね、という話から入って、こういうことも聞いてもいいんだとしてもらえるように、こちらから心を開いてもらえるような関係作りをしていきたいというふうに、思っております。

鈴木:

全員には難しいので、たぶん選ぶのですよね。お客さんというか、聞き取りをする相手を。そうすると、どういうふうな条件で選ばれるのかということが気になったのですが。

山田:

そうですね。時間、タイミング等ももちろんあるのですが、投薬のときにお話ししたそうにしている方とかから、私は管理栄養士ですし、事務もしているのでその隙に、声をかけられそうな方は、こちらで情報共有をしながら話しかけていこうというのは、皆の中でそういう話し合いをしています。

鈴木:

そういうアンテナの張り方、すごく素敵だと思いました。どうもありがとうございました。

司会:

鈴木様、ありがとうございます。もう一方、臼井様。お願いいたします。

合同会社オフィスK 代表 / 一般社団法人ぱ・まる 代表理事 臼井 啓子 氏

臼井:

ありがとうございました。手品で度肝を抜かれましたけど、大阪らしいなと。私も大阪の人間なので(笑)

さっき鈴木さんがおっしゃったとおりに、私もカードに字を書くというのは、結構邪魔くさいことだったりするので、やはり聞き取りというのは、すごくいい取り組みだなと思ったのと、ぜひ続けていただきたいし、そういう聞き取りの技術というか、スキルというのも皆さんで学ばれたら、よりいろいろな人に近づいていける。そういうふうな、開かれた薬局になっていけるのではないかと想像したりしました。

あと、質問といいますか、さっきちょっと出ていたのが、「エアコンの設定を間違っていたことで、管理栄養士さんが直接訪問に行かれた」と。ああいう時って、例えば、まず地域包括にとか、ケアマネさんはどこというようなリサーチは、されたりはしませんか?

芦田:

はい。ありがとうございます。

実際にスライドでも説明させてもらった通り、7割以上が薬以外の質問が多いので、事前に店舗で集まるときに地域包括の方に来ていただいたりとか、大学の先生にも来ていただいたりして、情報共有をしながら。

例えば地域包括でしたら、こういった形で、情報提供をするうえで、報告書を地域包括の方とお話ししながら、報告書フォームも決めて、そういった形で地域包括の方にも何度か繋げたケースもございました。

臼井:

ありがとうございます。

司会:

山田さん、芦田さん、ありがとうございました!

みんなで選ぶ 薬局アワードとは? 】
全国から、創意工夫している薬局の取り組みを募集し、独自の審査基準に基づいた厳正な審査を行い、最終的に代表薬局を選出。一般の方を対象とした「みんなで選ぶ 薬局アワード(決勝大会)」にて発表します。審査員と会場にお越しの一般の方の投票により、最優秀賞の薬局を決定するイベントです。 ※主催:一般社団法人 薬局支援協会
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