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-後編- これからの薬局・薬剤師の可能性 薬局アワード特別対談

第5回「みんなで選ぶ 薬局アワード」で最優秀賞を受賞した OGP薬局荒川店の鈴木怜那さんと、薬局支援協会 代表理事の竹中孝行さんのオンライン特別対談【後編】です。

いま薬局を取り巻く環境は大きな変化の中にあります。第一線で活躍する薬局薬剤師はこれからの時代の薬局の在り方をどのように捉えているのでしょうか。

ここでは、当イベントを主催する一般社団法人薬局支援協会代表理事の竹中孝行さんと、OGP薬局荒川店の鈴木怜那さんに、これからの薬局・薬剤師の可能性について語り合っていただきました。

<< 前編はこちらからご覧いただけます

これからの薬局や薬剤師には、どんなことが求められるか

竹中

2022年の診療報酬改定ではリフィル処方箋の導入オンライン服薬指導のルール緩和など大きな変化があります。

これらの普及とともに、今まで立地、利便性が重視されてきた薬局ですが、これからは薬局、薬剤師が患者さんに選ばれる時代になっていくのではないかと考えています。そうなってくると、どうしたら患者さんからの信頼を得られるのか、地域住民と薬局の関係性も重要になってくるのではないでしょうか。

さらに状況は変化し続けています。鈴木さんはこれからの薬局や薬剤師に必要なことは何だとお考えですか。

鈴木

私自身は、いま国から薬局・薬剤師に求められていることが本当に生活者にとってより良いものなのかをしっかり監視することが大切だと考えています。

例えば、リフィル処方箋の導入やオンライン服薬指導のルール緩和により「便利になること」は本当に生活者の健康につながるのか?ということをもっと深く掘り下げて考える必要があると思っています。

竹中

「便利になること」はとても大切ですが、そのことが生活者の健康を害してしまっては本末転倒ですよね。

鈴木

そうなんです。利便性を追求した時に発生する問題をしっかりと指摘し、解決に向けていく必要があります。そして長期的に見て生活者の不利益になると分かった時に、私たち薬剤師は薬剤師として意見を言えるかどうかです。

薬局・薬剤師がしっかりとしたビジョンを持っていなければ、問題を指摘したり解決に向かうことは難しいです。

竹中

薬局・薬剤師がしっかりとしたビジョンを持つことは、今まで以上に重要ということですね。

鈴木

はい。そうでなければ、いつまで経っても国に指し示してもらう形になってしまうので、どうにか変えていかなければなりません。国が提示する薬局像、薬剤師像が全てではないはずです。だとしたら、私のような公衆衛生が気になる薬剤師は求められていないので。

だから、ちゃんと生活者と向き合う薬剤師の声を、しっかり国へ届けられるようにしなければと考えています。

竹中

私も薬剤師の声をもっと大きくするというのは切実な課題だと思っています。

そのためには、薬局や薬剤師のことを知ってもらうことが重要となってきます。薬局や薬剤師の個性を出していくこと、この薬局・この薬剤師にはどんな強みがあり、患者さんにとってどんなメリットがあるのかという。

薬局業界は、2023年の電子処方箋の普及とともに、オンライン服薬指導が当たり前になっていくと言われていますよね。オンライン化が進むと立地が関係なくなるため、まさに薬剤師が選ばれる時代に入っていきます。

そういった中で、薬局という箱の役割、本質は何なのか、薬剤師の職能とは何なのか、あらためて問われたときに、どのように答えることができるのか、重要な局面に感じています。

鈴木

こうした局面で選ばれる薬局となるために、竹中さんの薬局ではどんなことに取り組まれているのでしょうか?ぜひ教えていただきたいです。

竹中

私の薬局では、どのようにしたら選ばれる薬局になるのか、知ってもらえるのか、あらためて自社の薬局の在り方情報発信の方法を見直しています。SNSやYouTubeの配信に力を入れ始めているのも、その一環です。

鈴木

薬局外に積極的に情報発信していく取り組みは、もはや不可欠と言えますよね。

地域の方の健康をサポートするために、例えば、病気になる前にどういった生活習慣にすればいいのかというような薬局からの情報発信は、私もどんどんやろうと思っています。

薬局・薬剤師の創意工夫。そして、これからの薬局アワード

竹中

「みんなで選ぶ 薬局アワード」はお陰様で2022年に第6回を迎えるイベントとなります。

社内で代表薬局を選出してエントリーしたいなど今までなかったような嬉しいお声も聞いています。ぜひ、あらためて薬局、薬剤師の役割を患者さん側の立場の方に知ってもらい、ご自身の健康のために活用してほしいと願っています。

薬局、薬剤師の皆さん、ぜひ、先進的な薬局の取り組みを参考にしていただき、ご自身の薬局でどんな取り組みができるのか、挑戦へのきっかけとなると嬉しいです。

鈴木さんからは、今後エントリーする方に何かアドバイスはありますか?

鈴木

そうですね…皆さんがそれぞれ大切に思っていることを大事にしていただきたいですが、『誰のため』に行なっていることか、ブレないようにするということは大事だと思いますね。

竹中

それは同感です。その取り組みが何のために誰のためのものなのか、そこが明確になっていないと、1度や2度上手くいかないことが続くと迷走して、自然消滅したりしますしね。

鈴木

私の場合は地域の健康サポートをどのようにできるかを念頭に置いて「地域の生活者」のために行っています。

後は、もうやると決めたらやる!ということですかね。できないことへの理由づけは簡単に出てきてしまいます。まず1歩進めるということから考えたらいいのかなと思います。

とはいえ環境もあるので、無理なく負担にならないように継続していくことも大事ですね。

竹中

鈴木さんのように、経営者ではなく勤務薬剤師の方の場合、薬局の創意工夫に取り組む際にはどうしたらよいでしょうか。

鈴木

イチ勤務薬剤師の私からいうなら、来局してくださる患者さんの特性を知ること、地域の意向を知ること、会社の意向を知ることが大切かなと。そして、それらを自分がやりたいことと、どのように擦り合わせていくかですね。

保健所が伝えたいことを薬局でどんどん伝えていくことなど、お金をかけなくてもできることもあるので、そうしたことを少しずつやっていくのもいいかと。地域でどのようなことが行われているかを知り、それを必要な方に伝えていくことも薬剤師の大事な仕事だと思います。

竹中

そう。自分ができることからでいいんですよね。薬局・薬剤師の強み、得意なこと、実現したいことを改めて考えることも大切だと思います。

その上で、地域住民の方が求めていることに対して、何を提供できるのか、思いついたことを、とにかくやってみることですかね。あとは試行錯誤です。

鈴木

薬局の創意工夫について、竹中さんから薬局経営者の方へ何かアドバイスはありますか。

竹中

そうですね…。薬局経営者は、薬剤師含め薬局スタッフが「やりたい!」と提案してくれるような環境づくりと、提案があったときに、まずは「やってみよう」と一緒に取り組む姿勢が大切だと思っています。

鈴木

たしかに、そうした職場は自然と士気が高まりそうです。来局してくださる方のために、まずはどんな情報があればいいのかを、皆で考えたり、リサーチから始めてみるのもいいかもしれませんね。

竹中

それはいいかもしれませんね!

最後に -薬局・薬剤師の方へ-

竹中

2022年度の診療報酬改定の内容をみても、今まであった薬局の在り方が変わりうる変革期に突入しているかと思います。これからの時代の移り変わりは早いですが、ぜひ、皆さんお互いの知恵を出し合って、新しい時代の先にいけるように頑張っていきましょう!

鈴木

薬局アワードでは大変な部分をきれいに見えるようにお話ししています。実際には今現在も思い悩みながら、地域の健康のサポートについて考えています。

しかし、薬局で働く薬剤師が何ができるか、無限大に広がっていると思います。

変えたいと思ったら変えられることはあるはずです。1人でとは考えずに、薬局内だけでなく、職場の外で活動していくのも一つの手です。一緒に変えていきましょう!

鈴木さん、竹中さん。ありがとうございました!

<対談者プロフィール>
鈴木怜那 すずき・れいな 株式会社オージープランOGP薬局荒川店に勤務。女性と子どもの健康をサポートする薬剤師として、薬局での女性ヘルスケア講座や性教育講座を開催するなど、精力的に活動中。薬剤師をもっと身近に知ってもらうため、薬局外の活動(ワークショップの開催)も行っている。
竹中孝行 たけなか・たかゆき 株式会社バンブー 代表取締役、一般社団法人薬局支援協会 代表理事、薬剤師。1984年生まれ、静岡県出身。共立薬科大学卒。外資系製薬会社に勤務後、調剤薬局勤務を経て独立。薬局事業、介護事業、岩盤浴ヨガやエステなどの美容事業、コラム執筆・監修などのメディア事業などを手がける

※取材は新型コロナウイルス感染症に配慮しオンライン形式で行っております

取材・文/ファーマシストライフ編集部
写真提供/薬局支援協会・OGP薬局荒川店

みんなで選ぶ 薬局アワードとは? 】
全国から、創意工夫している薬局の取り組みを募集し、独自の審査基準に基づいた厳正な審査を行い、最終的に代表薬局を選出。一般の方を対象とした「みんなで選ぶ 薬局アワード(決勝大会)」にて発表します。審査員と会場にお越しの一般の方の投票により、最優秀賞の薬局を決定するイベントです。 ※主催:一般社団法人 薬局支援協会
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