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特別審査員賞を受賞した合同会社みどりや薬局に聞く、薬局が地域のためにできること

第5回 みんなで選ぶ薬局アワードで特別審査員賞を受賞した、静岡県の合同会社みどりや薬局。『パパママ薬局は地域健康のHUB 薬局に+αの拠点で地域を支える。』というテーマで、地域住民として薬学を駆使して地域を支えるという薬局の取り組みを紹介していただきました。

そんな合同会社みどりや薬局の魅力に迫るとともに、薬剤師の働き方、薬剤師の今後について、プレゼンターの清水雅之さんにお話を伺いました。

清水雅之さんのプロフィール
しみず・まさゆき 合同会社みどりや薬局 代表社員、薬剤師、JADA公認スポーツファーマシスト。1984年生まれ、静岡県島田市出身。妻と母と合わせて3人の薬剤師で営むパパママ薬局を経営。地域の健康サポート薬局として認知症カフェ運営や「薬局を地域連携のHUBへ!」を目標に多職種連携のための活動を行う。

 

薬局アワードの参加について

——あらためまして、特別審査員賞の受賞おめでとうございます。

清水:ありがとうございます。薬局薬剤師と地域住民という二つのポジションでの活動や、一歩踏み込んだ地域への提案について、『近所の薬局がこうだったらいいな』という声を薬局アワードで多数いただけて、大変嬉しく思っています。

新型コロナ感染拡大における「オンライン認知症カフェ」の取り組みにて、機動的に対応できていたことも、イベント後にお褒めの言葉をいただきました。

——私も近所にこういう薬局があったらいいな!と思いました。みどりや薬局は今回で薬局アワード本選出場が2回目となりましたが、薬局アワードにエントリーしたきっかけは何だったのでしょうか。

清水:前回の薬局アワードでうっかりドーピングに関する取り組みを紹介したのですが、その際に地域イベントや学校薬剤師としての取り組み等に関心を持って下さった方々から、日頃の活動についても紹介してほしいとの声をいただきまして。折角ですので、まだまだお伝えしたい薬局の魅力を発信させていただく機会と捉え、再度エントリーしました。

——特別審査員賞を受賞してみてどうでしたか。

清水:薬剤師仲間や取引先の卸の皆さまから暖かいお言葉をいただいています。

受賞も嬉しいですが、ほかのエントリー薬局さんとの交流が生まれ、自分の世界が広がる感じがして、前回参加したときからとても楽しいです。実は、再度エントリーした理由として、前回の薬局アワードで他の薬局さんの発表に刺激を受けたからというのもあるんです。

今回は予選でご一緒した「ぼうしや薬局さん(兵庫県)とはYouTubeやアンチドーピング活動でコラボさせて頂きました。また今回本選でご一緒した株式会社メタルファーマシーの金太郎薬局さん(京都府)には、金太郎弁当の店舗に行って実際にお弁当を食べさせていただいたり。これまでに無かったつながりから活動や経験を得られています。

——今回の薬局アワードで紹介いただいた取り組みについて、その後何か変化はありましたか。

清水:いまだに新型コロナ感染症がおさまらないため、健康ステーションでの認知症カフェやイベントは難しい状態ではありますが、一方で薬局アワードでも紹介したオンラインを活用した認知症カフェ多職種連携会議はしっかりと機能しており、コロナ渦における地域の新しいインフラとして定着しつつあります。

多職種連携会議においては新たに参加してくださる薬局さんが増えてきており、とても心強く感じてます。地域に根差す薬局として、連携のきっかけとして、それぞれ機能できたことをとても嬉しく思ってます。

合同会社みどりや薬局について

——清水さんがオーナーとなる前のみどりや薬局はどうだったのでしょうか。

清水:もともとは母が始めた一般用医薬品や化粧品販売をメインとした薬局だったんです。

今の場所で本格的に保険調剤をやるようになったのは、私が中学生くらいのときです。その当時から私は薬局に出入りしていたので薬局が地域で果たす役割などを考えていましたね。そして薬剤師免許取得後まもなく、実家の薬局で働くことにしました。

——そうして清水さんご夫妻、お母様の3人が薬剤師の「パパママ薬局」となったのですね。薬局で働く上で何か工夫されていることはありますか?

清水:薬局には家族3人の常勤薬剤師のほかに、パートの薬剤師と事務員が在籍しています。職場としては、どんな事情であれご自身の都合を最優先してもらえる環境を提供したいと思っています。

基本的に家族である常勤薬剤師がメインで業務を行っているので特別な工夫はないのですが、あえて仕事とプライベートをあまり分けないで仕事を行っています。だから、薬局に子どもがいるときもありますし、通常の業務時間に子どもの習い事の送迎や保護者参観にいったりもできます。

——まさに地域住民のポジションで薬局運営を実現されているのですね。「パパママ薬局」の理想であり、みどりや薬局の魅力でもあると思います。

清水:そうかもしれませんね。薬局アワードでも少し触れましたが、生まれたばかりのときは常時薬局に赤ちゃんがいて薬局で子育てをしているような状態でした。当初はそのようなやり方に不安もありましたが、いざやってみると自分たちにとっても、子どもにとっても意外と有益なことが多かったです。

現在私たち夫婦は薬局で4歳と1歳の子どもを育てているので、同じような子育て世帯の皆さまからお薬以外の相談をいただいたりもしています。

みどりや薬局の良いところは「患者さんや地域の皆さまとの距離感」と「臨機応変な対応」だと私は思っています。患者さんや地域の皆さまとの距離感については、薬局のある場所が私の生まれ育った地域で、患者さんも昔からの知り合いが多いということがあるかもしれませんが。

——一歩踏み込んだ地域への提案ができる、さまざまなベースがあるのですね。薬局として、地域住民として活動するなかで、今の地域で感じている課題はありますか。

清水:まずメディアやネット上では医療に関する最新の制度や仕組み、トレンドを目にすることが多いと思いますが、地方都市へのそれらの実装はもともと数周遅れなんですね。さらに最近は、社会全体としてこれまで10年かかるといわれていたことが、ほんの数年で実現しているので、そのスピード感と地方が乖離しないようにするということが課題だなと感じています。

こうした状況ですが、薬局は地域において最も小回りが効く医療機関であると同時に、地域社会・行政・医療機関のどれにもアクセスしやすいポジションにあると考えています。「薬局オーナー兼管理薬剤師」の薬局であれば、そこに意思決定の早さと実行力が加わります。

「薬局オーナー兼管理薬剤師」は自分の描いている薬局像をもっとも具現化しやすい形態だと思っているんです。これを強みとして、私が薬局として機動力をもって地域をアップデートし支える役割を担えたらと考えています。

薬局や薬剤師の今後について

——清水さんが薬剤師として働く上で大切にしていることは何でしょうか。

清水:私の場合、経営者の立場と言うものがはっきりとあるわけではないのですが、自分たちの薬局が地域に存在していること自体がこの地域のメリットと思ってもらえるように、薬剤師として保険調剤や医薬品販売を行って薬局経営しています。

そして、常に最優先で実験的な取り組みを行う環境を作ることができるよう、自分自身は従業員として体制を整えるようにしています。

信条は「いかに質の高い医療を提供し、同時に現代の課題を解決できるか」を薬剤師として考え、行動し続けることです。

——素晴らしい信条です。薬局や薬剤師の今後のあり方については何か意識していることはありますか。

清水:私自身は薬局や薬剤師のあり方と言うものにあまり固執し過ぎないように意識しています。今はさまざまな要因で薬局や薬剤師をとりまく環境がこれまでにないくらい短いスパンで変化しています。自分の理想と社会情勢をいかに短時間で対応させるか、もしくは対応させないかを自分の頭で考え、できることであるなら社会を自分の方へ誘導するつもりでやっていこうと思っています。

——確かにスピード感ある対応ができるかどうかは重要なポイントとなりそうです。今後、清水さん自身はどんなことにチャレンジしてみたいですか。

清水:薬学をより幅広い人々に伝える活動をさらに推し進めたいと考えています。薬との正しい付き合い方や感染対策を含む公衆衛生等に係るリテラシーを高めることが、より快適であると同時に安全な社会を構築することに寄与できると考えるからです。

私たち薬剤師の持っている薬学的知識やノウハウは、薬剤師の手によって加工することで、さらに一般の方に有益なものになります。私は薬学教育やアンチドーピングをエンタメ方向に加工することで、より多くの方が自然と薬学に親しむことができるよう活動を行いたいのです。

ちなみに前回の薬局アワードで紹介した、うっかりドーピング防止カードゲーム「ドーピングガーディアン」と、その世界観を漫画化した「ドーピングガーディアン 緑川雅は見逃さない!」は薬局アワードで発表させていただいた繋がりから、各方面でアンチドーピング活動やコラボレーションをさせていただいています。当初、自分だけで始めた活動ですが、予想外の方向に広がっている状態です。

——いろいろな方向に広がっているのですね。薬学の知識がより広がっていくことを楽しみにしています。では最後に、薬剤師・薬局の方々へメッセージをお願いします。

清水:薬剤師や薬局の役割が今、さまざまな分野で変化が訪れようとしています。これまで「場所」依存であった薬局薬剤師も、やり方によっては「人」や「機能」で検索されて選ばれる時代になると思います。

そして、今はこれまで特別な人にしかできなかった取り組みや発信も、誰もが低リスクで始めることができるはずです。まずは、軽い気持ちで大それたことを多くの薬剤師にやって欲しいです。そして薬局アワードや自分の望む舞台でぜひ発表してください。

——清水さん、ありがとうございました!

みんなで選ぶ 薬局アワードとは? 】
全国から、創意工夫している薬局の取り組みを募集し、独自の審査基準に基づいた厳正な審査を行い、最終的に代表薬局を選出。一般の方を対象とした「みんなで選ぶ 薬局アワード(決勝大会)」にて発表します。審査員と会場にお越しの一般の方の投票により、最優秀賞の薬局を決定するイベントです。 ※主催:一般社団法人 薬局支援協会
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