製薬企業で最近よく聞くアニマルヘルスって？

アニマルヘルスとは

製薬企業の中でも主に動物専門の医薬品の開発・製造に力を注いでいる企業があります。この分野を総称してアニマルヘルスと呼びます。

開発される医薬品は、対象とする動物や用途により以下のような分類をする事ができます。

コンパニオンアニマル用医薬品

主に家庭におけるペットを対象とする医薬品を取り扱います。家庭で飼われるペットは主に犬か猫です。そのために、製造・販売される医薬品もほとんどが犬や猫を対象とするものとなり、他の動物に対してはそれらを流用する事が多いそうです。また、ほとんどが資格を持った獣医師が使用するか動物病院でのみ処方される事でしか使用できないものです。

代表的なものには犬のジステンパーや狂犬病、猫のウイルス性鼻気管炎などを治療・予防する犬猫用ワクチンがあります。また犬の寄生虫として知られるフィラリアの予防剤、ノミ・ダニの予防駆除剤、虫歯や歯槽膿漏を防ぐオーラルケア製品、スキンケア製品も含まれます。また医薬品以外では、固体識別用のマイクロチップ、車椅子なども製造されています。

また、人間と違い素直に薬を飲んでくれないのも動物の特徴です。スムーズで効果的な服薬の指導を行う事も必要不可欠となります。

畜水産用動物用医薬品

各種感染症の治療・予防を目的とするワクチンが代表的なもので、用途に応じて牛用・豚用・鶏用・魚用が存在します。また、繁殖を促す事を目的とするホルモン剤などの繁殖用薬も需要の多い医薬品です。

飼料・飼料添加物・健康食品

その他の製品としては、日常的な健康の維持と疾病の予防を目的とするために、飼料に混ぜて与える飼料添加物や混合飼料があります。

また、ペットを対象とした各種サプリメントや、減量を目的とするためのダイエット食品なども製造されています。

薬剤師の役割

アニマルヘルスにおける薬剤師の職種には、以下があります。取り扱う医薬品が動物用である点が違うだけで、通常の医薬品の場合と同様であると言えます。

近年、畜産業における伝染病による被害が頻繁に話題にあがります。狂牛病、鳥・豚インフルエンザ、口蹄疫などどれも社会問題になるほど大規模な被害に繋がる事が多く、一層注目を浴びる分野となっています。

★動物に関わる薬剤師の４つの仕事と実際の求人の記事で、動物に関わる薬剤師の仕事を詳しく紹介しています！こちらも是非読んで見て下さいね。