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【前編】2022年度 薬局アワード最優秀賞―徳吉薬局さかえまち 特別インタビュー

2022年11月13日に開催された第6回みんなで選ぶ 薬局アワード。最優秀賞は、鳥取県鳥取市の「徳吉薬局さかえまち」でした。

徳吉薬局さかえまちの取り組みについて、詳しくは【最優秀賞】 徳吉薬局さかえまちの取り組みとは -第6回 みんなで選ぶ薬局アワードのプレゼン紹介のページでご覧いただけます。

今回の特別インタビュー【前編】では、徳吉薬局さかえまちのプレゼンターであり、徳吉薬局の専務取締役でもある徳吉雄三さんに薬局の取り組みについて詳しく伺うとともに、「薬局以上の存在」を志す、徳吉薬局・徳吉雄三さんの魅力に迫っていきます。

<プロフィール>
徳吉雄三 とくよし・ゆうぞう 株有限会社徳吉薬局 専務取締役、薬剤師。1977年生まれ、鳥取県出
身。法政大学経営大学院イノベーションマネジメント研究科(MBAコース)卒業。鳥取市を中心に約40年開局している徳吉薬局で働く傍ら、地元大学の医学部医学系研究科博士課程に所属、医療・ヘルスケアにおけるウェアラブルデバイスの応用を研究する。一般社団法人薬剤師あゆみの会の理事など兼任。
竹中孝行 たけなか・たかゆき 株式会社バンブー 代表取締役、一般社団法人薬局支援協会 代表理事、薬剤師。1984年生まれ、静岡県出身。共立薬科大学卒。外資系製薬会社に勤務後、調剤薬局勤務を経て独立。薬局事業、介護事業、岩盤浴ヨガやエステなどの美容事業、コラム執筆・監修などのメディア事業などを手がける。

後編では、薬局・薬剤師の可能性ついて伺っていきます

薬局アワードの参加について

竹中:
あらためまして、みんなで選ぶ薬局アワード最優秀賞おめでとうございます!

徳吉:
ありがとうございます。薬局アワードには以前から出場したいとは思っていましたが、これまでは一歩前に踏み出せませんでした。いろいろな方に病児保育の話をしているうちに、取り組みに賛同してくださる方が多かったので、それならばと一度応募してみたんです。

竹中:
みごと最優秀賞でしたね。受賞後、周囲の方の反応はどうでしたか?

徳吉:
スタッフからは「自分たちの薬局が取り組んでいることはすごいことなんだなと改めてわかりました」と言われましたし、知人の薬剤師や薬局経営者からも反響がありました。自治体にも結果を報告したら大変喜んでおられました。薬局アワード最優秀賞には、やはり影響力があるのだなと感じましたね。

竹中:
それは、よかったです! 病児保育室の取り組みについては、予選の段階から称賛の声が多かったです。本当に素晴らしい取り組みだと思います。

薬局が病児保育をやるというだけでも凄いことだと思うのですが、看護師配置を見直す提案にまで取り組まれていましたよね。プレゼンのなかで、一番大変だったのは看護師配置とご紹介いただいていましたが、そのほかにもいろいろな苦労があったのではないでしょうか。

徳吉:
そうですね。病児保育室を開設すると決めてから時間がなかったので、開設までは大変でしたが、開設後は思いのほかスムーズに進みました。

というのも、じつはすでに開設していた病児保育の管理者の方や現場の方から、さまざまなことを学ばせていただいたんです。今ではその病児保育とも連携して、受入れ体制を整えています。その病児保育の方々には本当に感謝しかありません。

医師の先生の理解も深く、さまざまなことに協力をいただいております。本当に周囲の方々が良い方ばかりで助けていただいております。

竹中:
徳吉さんのお人柄があってこそだと思いますし、地域全体でなんとか実現させたい、重要な取り組みだったのでしょうね。とはいえ、一薬局が取り組むとなると、かなりハードルが高いと感じてしまうと思うんです。なぜ今回の取り組みに挑戦しようと思ったのでしょうか。

徳吉:
私は、何かを始めるときには、それが面白いか面白くないかで決めることが多いように感じます。実際、病児保育を始めるときも、社会課題の解決をというパッションはもちろんですが、「薬局が病児保育をやるって、面白くない?」とみんなで話をしていたのを覚えています。

竹中:
なるほど「面白いか面白くないか」ですか。共感できますね(笑)取り組みを始める上で、もしかしたら最重要事項かもしれません。面白いと思うことなら苦にならないですし、何より自分が本気になれます。

徳吉薬局について

竹中:
徳吉薬局さかえまちについて、あらためて教えていただけますか。

徳吉:

徳吉薬局は鳥取市に9店舗あり、そのうちの徳吉薬局さかえまちは、2012年に鳥取駅近くの旧市街地に開局しました。内科・小児科の門前にある薬局で集中率は75%です。周辺地域の多くの方々に利用いただいている薬局で、現在、徳吉薬局さかえまちは薬剤師3名、事務員4名で運営しています。利用者の多くは子育て世代の方で、薬剤師は漢方薬認定薬剤師の資格を取得していたり、在宅医療・輸液調整などにも力を入れています。

竹中:
病児保育施設については、徳吉薬局さかえまちのほか、2022年11月に「徳吉薬局こやま」がオープンし、現在は計2ヶ所となったのでしたよね。薬局アワードでの発表から約3か月が経ちましたが、課題に感じていることはありますか?

徳吉:
こやまがオープンし、お陰様で湖山地区の方の利用は増えています。人数はまだ少ないですが、確実にニーズはあると確信しています。

薬局アワードで紹介した今後の計画については「より多くの感染症への対応」「保育士配置の効率化」は成果が出ています。

逆に「かかりつけ医療機関からのスムーズな受け入れ」は、まだ一部しか実現できていません。これについては、現在の病児保育室利用の前提である「病児保育事業者が許可を得た協力医療機関を受診しないと受け入れができない」ということが課題だと感じています。

この前提に沿った方法ですと、患者さんご自身のかかりつけ医が協力医療機関に指定されていない場合、業者が協力許可を得ている医療機関にかかってからでないと受け入れができない、という手間があります。

こうした手間を無くすために、「協力医療機関でなくとも、患者さんご自身のかかりつけ医を受診していれば受け入れができる」としていただきたいと考えています。改善できるように頑張ります。

竹中:
今も地域のために課題を発見し、解決に取り組んでおられるのですね。頭が下がる思いです。引き続き、応援しています!

徳吉さんの「課題を発見して、あきらめないで実行していく力」

徳吉:
これは徳吉薬局全体の課題になるのですが、受診や医薬品・衛生材料、食料品の調達など、中山間地域などの過疎化が進む住人に関連した課題が多くあると認識しています。

現在は、鳥取県・鳥取市などの協力を得て、オンライン服薬指導および処方箋医薬品の混載便ドローン輸送を実験しています。2度にわたる実験を経て、過疎地へのドローン配送や遠隔医療、ドローン飛行ルートの構築、廃校施設再利用、脱炭素など事業化に必須な具体的な課題も出てきており、次なる計画を準備しているところです。

関連記事:徳吉薬局、NEXT MOTION、トルビズオン、鳥取県鳥取市との産官学連携にて、e-VTOLによる処方医薬品混載輸送の実証実験(第2回目)を実施 https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000004.000109973.html

竹中:
病児保育だけでなく、過疎地へのドローン輸送など、新たな課題を発見し次々に挑戦をしているのですね。まさに徳吉薬局が掲げる企業理念「More Than A Pharmacy(薬局以上の存在)」を具現化されていると感じました。

徳吉さんのように「課題を発見して、あきらめないで実行していく力」というのは、どうやって身についていくものなのでしょう? 是非教えていただきたいです。

徳吉:
どんなときでも些細なことでも、誰かの話や困りごとを見たり聞いたりしたときに「自分だったらどうやったら解決できるかな」と思考することで、頭がぐるぐる動き出します。そうやって、常に頭のバックエンドを動かしていることが大事ですね。スマホのアプリが裏で動いているようなイメージです。多くの経営者の方がやっていることだとは思いますが、自分も同じように取り組んでいます。

あとは一度取り組むと決めた場合には、絶対にあきらめないと心に誓うことです。そして、何か困難なことがあった場合には、周囲の人に思いっきり甘えることでしょうか。こう見えて、私は人なつっこい性格だと言われます。患者さんともすぐに打ち解けられるんですよ(笑)。

竹中:
思いっきり甘える(笑)。意外な感じもしましたが、ちゃんと甘えられるからこそ、周囲のさまざまな人に相談できるし、協力が生まれやすいのかもしれませんね。

薬剤師の働き方について

竹中:
薬剤師の働き方について、徳吉薬局で工夫されていることがあればお聞かせください。

徳吉:
徳吉薬局は子育て世代のスタッフが多いこともあり、今後フレックスタイム制度を導入する予定です。コアタイム以外の時間の使い方を店舗のスタッフ同士で話し合って決めて、自分の生活の負担にならないような勤務体制を整えることを目標にしています。

竹中:
薬局でフレックスタイム制度を取り入れているところはまだまだ少ないイメージです。

そうした柔軟な発想が素晴らしいなと思いましたが、徳吉さんは薬剤師でもありましたよね。徳吉さんにとって、薬剤師のやりがいとは何でしょうか?

徳吉:
私は、薬学的な知識を駆使し「対話する医療」を提供できることに、薬剤師のやりがいがあると感じています。医師や看護師は患者に触れることができるが、薬剤師は患者に触れることができないと言われています。しかしコミュニケーションをしっかりとって対話することで、薬剤師も医療に貢献することはできると考えています。

竹中:
薬局や病児保育の業務以外で、徳吉さんご自身が取り組まれていることはありますか。

徳吉:
私は現在、地元大学の医学部医学系研究科の博士課程に所属しており、そこで医療やヘルスケアにおけるウェアラブルデバイスの応用を研究しています。自分なりにシステム開発含め挑戦したいと考えています。

竹中:
なんと…!!システム開発もされているのですか!? とてもワクワクする挑戦です。徳吉さんのこうしたモチベーションの高さが、さまざまな課題解決の元となっているのでしょうね。

>>後編に続く

取材/ファーマシストライフ編集部
写真提供/薬局支援協会・徳吉薬局

みんなで選ぶ 薬局アワードとは? 】
全国から、創意工夫している薬局の取り組みを募集し、独自の審査基準に基づいた厳正な審査を行い、最終的に代表薬局を選出。一般の方を対象とした「みんなで選ぶ 薬局アワード(決勝大会)」にて発表します。審査員と会場にお越しの一般の方の投票により、最優秀賞の薬局を決定するイベントです。 ※主催:一般社団法人 薬局支援協会
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