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  5. 服薬指導シリーズ ‐「服薬指導」の基本編‐

服薬指導シリーズ ‐「服薬指導」の基本編‐

調剤業務の最後の部分にあたる”投薬”に関するお話です。

保険調剤業務の基本的な流れは、処方箋受付⇒調製(ピッキング)⇒鑑査⇒投薬です。

投薬(薬を患者さんに交付する)するときに行う業務の内容としては「服薬指導」がありますね。今回は、一緒に「服薬指導」の基本を振り返っていきましょう。

そもそも「服薬指導」は、薬剤師法でどのように定められているのか

薬剤師法で服薬指導は義務として定められています。患者さんに対して、処方薬の薬効と用法用量、服薬の意義について言葉で説明して理解を得るための指導です。

これは薬剤師法 第25条の2に定められている部分にあたります。

[ 情報の提供 ]
第25条の2 薬剤師は、販売又は授与の目的で調剤したときは、患者又は現にその看護に当たっている者に対し、調剤した薬剤の適正な使用のために必要な情報を提供しなければならない。

実は、この服薬指導ですが、単純に1つ1つの薬を能書き通りに、機械的に一方的に説明することを求められていないんですね。

薬剤師の業種ごとの服薬指導

業種ごとに、どんな服薬指導をしているのか見ていきましょう。

ドラッグストアの場合

一般用医薬品の中でも医療用医薬品からスイッチされた第1類医薬品に分類される医薬品に関しては薬剤師の説明が義務付けられています。患者さんからの話を聞いて、一番適しているものを販売します。

病院の場合

外来では、患者さんは医師により処方される薬についての指導や説明を受けています

また、入院したあと退院処方を受けた患者さんは医師・看護師・薬剤師に退院指導として同時に多職種から薬の説明を受けています

調剤薬局の場合

医療機関から交付された処方箋の服薬指導業務を行うことにより調剤報酬を請求できることになっています。

 

これらの背景からも、同じ薬剤師といえども立場によって服薬指導は異なってきますので、よく考えながらしないといけませんね。

ドラッグストアでは、患者対薬剤師の関係が成り立ちますが、調剤薬局や病院の場合は、複数の医療従事者が、患者さんに薬の説明をした後です。能書き通りの機械的説明は時として不適切になることが往々にしてあります。

 

ここからは調剤薬局における服薬指導にスポットをあてて考えてみましょう。

調剤薬局における服薬指導

今は全国どの薬局でもレセコンから薬の情報(薬情)をカラーで綺麗に印刷することができて、患者さんに薬剤情報提供が簡単にできるようになっています。その為、一般的な効果効能に関しては「読めば分かる」という状況になっています。

では、何をすればいいのか?といいますと、患者さんとしっかりコミュニケーションを取ることが必要となってきます。薬剤師は患者さんの今の薬についての意識を知り、それを受けて服薬指導は成り立つのですね。

たとえ、薬剤師として良かれと思って教科書的な説明をしても、処方した医師の意図や説明と異なる説明を行ってしまった場合には、患者さんは医師の判断に対して不安を感じてしまったり医療に対して不信感を持ってしまうことがあります。

服薬指導では患者の訴えを聞くことが大切です」「薬剤師はコミュニケーション能力が必要です」という所以はここにあるのかもしれません。

中には「医者には言いにくいんだけど、全然よくならないんだよねえ…」「医者と話したときにはいい忘れたけれども、そういえばね…」というような話を薬剤師の皆さんならば日常よく耳にすることと思います。

このように、服薬指導をしている際にふと患者さんは本音を話してくれることも多いのです。

もちろん、これらの患者さんからの声を医師へフィードバックすることは大切ですし、患者さんとのやりとりは必ず薬歴として残すことを徹底して今後の服薬指導に有効活用するようにしましょう。

調剤薬局における指導のポイント

ポイントは2つほどあります。

1つは薬の効果効能と副作用について。もう1つは医療機関からの服薬指導に意識を向けることです。

あくまでも服薬指導は医療という大きな枠組の中の一つの行為にしかすぎないことをしっかり自覚して服薬指導をしましょう。

では事例を挙げて検証してみましょう。

アレグラ錠(60)の事例

薬剤師:「今日は、アレルギーの薬が処方されていますね。花粉症でしょうか?湿疹でしょうか?」
患者「今、受験勉強中なんです。花粉症でくしゃみや鼻水がでて勉強に集中できなくて困っているんです」
薬剤師:「そうですか、それは大変ですよね。このお薬はアレルギー症状を抑える働きがあります。眠気が起きることがありますので注意してください。」

この服薬指導をした後に、医師から電話が…!その内容は

医師「患者さんに、アレグラ錠の眠気の説明を断定的にしてもらっては困るな〜。受験生だから比較的眠気の少ないタイプのアレルギー剤を処方するって言ったんだよ。患者さんが今クリニックに来て薬を変えて欲しいって言いにきてるんだよ…。」
薬剤師:「先生、薬剤師の立場から言うとアレルギー剤の眠気がないとは言い切れません。」
医師「そういう場合は、処方の意図を汲んでもらって、”もしかしたら…” とか ”可能性はゼロではありませんよ” とか、そういう表現方法で伝えてくれるとありがたいな〜」
薬剤師:「そうですね。大変失礼いたしました。受験生でしたよね。反対に薬の服用に対して不安を与えてしまいました。今後は患者さんの現状を把握した上でもう少し適切な説明を心がけます」

いかがでしょうか?多くの薬剤師が、事例にあげたような出来事に直面します。

全く悪気がなくても、残念なことに事が大きくなってしまうことがありますよね。

事実を述べることが大変重要な仕事の1つです。が、服薬指導には表現力が問われることがあるんですね。

患者さんの年齢、状況、意識のレベルなど、さまざまな因子を考慮して、なおかつ医療機関からの薬の説明がどんなものだったかも、同時に聞きとりながら服薬指導していくことが必要になってくるんですね。

まとめ

調剤薬局における服薬指導で多くの薬剤師が直面することは、必要な情報が少ないという点です。その点が、病院等の医療機関と異なる大きな点です。

病院内では、「チーム医療」が主流になっていますし、多職種間でカルテをもとにコンセンサスが取れる環境ですが、調剤薬局では1枚の処方箋と患者さんからの情報のみです。

しかし、医療という大きな枠組みの中の1つの行為である、という点を意識していくとよりよい服薬指導につながっていくと思いますよ。

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