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保険調剤の流れ シリーズ1 -処方箋は薬剤師が受付けましょう!-
保険調剤とは、処方箋を受け取り、調製し(ピッキング)、監査を行い、患者さんに薬の説明(投薬)という、一連の流れ作業をいいます。今回は、保険調剤の基礎編です。
薬剤師ならば、当たり前に行っている毎日の業務ですが、案外盲点になっていることや知らないでいることがあるかと思います。
今回は、最初の業務の「処方箋の受付」についてお話していきます。
処方箋の受付は薬剤師が行いましょう
「患者さんから処方箋を受け取る」、この一見単純な行為も薬剤師の保険調剤の業務のなかでは大切なものです。
理由は簡単です。
受付けた処方箋が保険医療機関の保険医が交付したものか?を始め、その処方箋が被保険者証によって給付を受ける資格があるか?を確かめないといけないからです。
また、患者さんに負担割合の確認をしたり被保険者証の提示のお願いをしなくてはいけません。
処方箋を受け付ける際の確認事項
1. 処方箋の形式の確認
確認の順番としては、まずは処方箋の形式の確認です。
様式第2 または これに準じた様式か確認しましょう。処方箋はなんでもいい訳ではなくて所定の項目が明記されたものでなくてはいけないと定められています。
処方せん書式【様式第2号(第23条関係)】 – 東京保険医協会
時々、手書きの処方箋に見うけられるのですが、「以下余白」の記載もれの処方箋があります。
以下余白の記載がないと、2枚目があるかもしれないと疑われますし、処方箋としては不備なんですね。
以下余白の下の欄は、備考に書ききれなかった疑義照会の内容も書いてよいことになっています。そのために「余白」と記載するのです。
また、以下余白の後に「全額公費」と書いたり、処方記載がなされたりしているのもが時々あります。これらは、「以下余白」の後に書いてはいけない事項ですので注意しましょう。
2. 保険医療機関の都道府県番号・点数表番号・医療機関コードの確認
次に保険医療機関の・都道府県番号、・点数表番号、・医療機関コードが記載されてあるか確認します。ほとんどの場合記載が抜けることはありませんが、時に新設された医療機関から発行された処方箋に医療コードが未記載のものがあります。
これは、まだコードが与えられていないため、記入したくてもできないケースです。
レセプト前に医療機関に電話で問い合わせをしてコードが与えられたか聞いて鉛筆書きでもいいので入力してレセプト提出しましょう。
3. 患者さん情報の確認
次に患者さん情報の確認をします。
- ポイントは、保険者番号や被保険者証の記号・番号が抜けてないか?
- 負担割合の記載はあるか?
- 所得区分は明記されているか?
また、入力の誤記があってはいけないので患者さんに被保険者証・医療受給者証の提示をお願いして番号に誤りはないか確認します。
患者さんに保険証の提示をお願いすることは規則としてありますが、患者さんにとってはプライバシーの侵害と考えるかたもいます。抵抗を示す患者さんには丁寧に説明してお願いしましょう。
4. 処方医師の署名、記名押印は漏れていないか確認
中には、処方医の印と処方欄の訂正印の氏名が相違しているものがあります。
1つの処方箋に対して、処方医は1人です!
また、記名はあっても押印が漏れていては処方箋としては不備です。
5. 有効期限の確認
処方箋の有効期限は交付日を含めた4日です。
多くの処方箋の形式には、交付月日の隣に処方箋の使用期間という欄が設けられています。
この欄に記入がある場合は、処方医が記入した日まで処方箋を使用してよいと指示した証拠となります。長期の旅行の際や、心療内科や精神科の処方箋にはこの欄を使用するケースが見受けられます。
おわりに
こうしてみると処方箋の受付が薬剤師の業務と位置付けられていることに納得しますね。
調製を始める前にこれらの確認事項を当たり前のように毎回しているのです。多くの薬剤師さんは、平均して10秒から15秒の間に目で確認ができるようになっています。見るところを目が覚えてしまうのでしょう。
しかし、ベテランの薬剤師さんも新人さんも、ときには基本中の基本に戻る時間も意識的に作ってみましょう。新しい気がつきがあり新鮮な感覚を得られるかもしれませんよ。
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