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保険調剤の流れ シリーズ3 ‐処方箋への正しい調剤印の押し方‐

シリーズで調剤の流れについてお話しています。今回は、処方箋に押す調剤印をはじめ必要なハンコについてお話していきたいと思います。一枚の処方箋に対して、処方箋受付、調製、鑑査、投薬と複数の薬剤師が関与します。が、一枚のその処方箋にたいしては最終責任者は一人です。処方箋にハンコを押す人がその最終責任者になります。

処方箋への正しい調剤印の押し方

日頃、当たり前すぎて見落としが多いのが「正しい調剤印の押し方」です。今回は、正しい調剤印の押し方を学びましょう!!調剤が完了したのか?誰が処理をした処方箋なのか?

ハンコは正しく押しましょう。

調剤済み処方箋に必須な事項

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※写真1: 処方箋下にある調剤済年月日と保険薬局の所在地及び名称、保険薬剤師氏名 欄

  1. 調剤薬局の名称: 地方厚生局に届出をして指定を受けた薬局の名前
  2. 所在地: 地方厚生局に届出をして指定を受けた薬局の所在地
  3. 調剤済み年月日: 調剤済となった日の年月日。
    薬の不足や 、患者未来局の場合は調剤済とはならず、その場合は調剤量を記載 して年月日を記入すること。
  4. 調剤した薬剤師の署名又は記名・押印: 処方箋の「保険薬剤師氏名・印」欄に調剤を行った保険薬剤師が自筆で署名をする。または、記名 (氏名の印)+ 押印(フルネームの印鑑)

ちなみに、記名・押印とは、名前のスタンプや印刷されたものだけだと薬剤師本人を特定する信憑性が乏しいため+ハンコ(押印)が必要になります

署名とは”自筆サイン”のことです。もちろんフルネーム(氏名)です。署名であればハンコ(押印)は省略できます。時々、写真にある調剤印で調剤済みとする薬剤師さんがいるようです。

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これは、記名押印には該当しません!!

1から4が全部揃っていないと不備になります。

正しい調剤済処方箋と不備の調剤済処方箋の例

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これはOKです。

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ちなみに、さきほどの写真の調剤印を調剤済み年月日のところに押すのはOKです。

 

しかし、

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これは記名押印がないため不備です。

処方箋に調剤印を押すタイミング

調剤済みとなった処方箋には、上記の処方済みの印や記名を行うことが義務付けられています。

処方箋に調剤印を押すタイミングは、その薬局や会社の内規によってまちまちだと思いますが、処方箋の保険薬剤師氏名欄に印を押すということは「私がこの処方箋に対しての最終責任者です」と表明することで、これに関しては日本全国の共通認識ですよね。

患者さんは当然薬袋の印の氏名を見て問い合わせをします。投薬した人が、患者さんにとっての薬剤師なのです。

薬局によって調剤済印を押すタイミングは、考え方の違いによって異なるかと思いますが、処方箋の保険薬剤師氏名欄に印を押した最終責任があるということは意識統一しておく必要があると思います。

監査者と調剤(投薬者)の印の押し方について

薬剤師の調剤印の運用はまちまちです。処方箋の保険薬剤師氏名欄に押す調剤印
の見解は統一されていますが、運用方法は薬局によります。

ざっくり分類すると、

  • A:処方箋監査を行った薬剤師が保険薬剤師氏名欄に印を押すケース
    • この場合は、監査者が処方箋に対して最終責任を負います。
    • 基本的に監査者と投薬者の薬剤師は別々の人が行います。
    • 監査者が処方箋に印を押し、投薬者が服薬指導と薬歴記入を行います。
  • B:投薬を行った薬剤師が保険薬剤師氏名欄に印を押すケース
    • 監査・投薬・薬歴記入の全てを一人の薬剤師が行う場合です。
    • まれに患者さんが席を外していて監査後すぐ投薬できないときは、処方箋の裏にサインや印を押して監査者が後々分かるようにしておきます。

調剤印の運用方法は薬局それぞれなので、AでもBでも問題ありません。

Aの場合のメリットは、一枚の処方箋に対して最低でも2名の薬剤師が見るのでダブルチェック機能が働きます。デメリットは、監査から投薬までに時間を要してしまうことです。

Bの場合はピッキング機械や監査システムを導入している薬局や患者さんの待ち時間を短縮することを最優先にしている薬局に多いパターンです。メリットは、機械が導入されているので監査から投薬までの時間が短く・スムーズなこと。デメリットは、薬剤師が監査・投薬を一人で行うので機械に頼れない部分でミスが発生してしまう可能性があります。

おわりに

調剤済の処方箋に対して適切な処理されていないと、監査を受けた際に「保険調剤を行った」という証拠がないとみなされてしまいます。厳しい場合はデメリット調剤料の一部を返還するように通知されることがありますよ。

管理薬剤師にとっても、その当事者の薬剤師にとっても、当局からの返還指導という経験は辛いでしょう。そうならないためにも日頃から薬局内でよく意識の統一を図ったり当たり前のことを再度見直してみましょう。

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