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【前編】薬局アワード作戦会議 その裏側で語られていること

「薬局なんて、どこも同じじゃないの?」と考えられている方もいる中、多くの人が「信頼できる自分の薬局を見つけたい」と思っているのもまた事実。

患者さまと薬局とをつなぐために、一般の方に薬局の取り組みをもっと知ってもらいたいと始まったのが「薬局アワード」です。

 

スタッフが語る 薬局アワードの「これまで」と「いま」

 

「みんなで選ぶ薬局アワード」は、第1回が2017年の4月に行われ、盛況に終えました。第2回は2018年5月に開催予定です。

第2回以降のイベントをさらに盛り上げようと、去る2017年9月24日に「みんなで選ぶ 薬局アワード作戦会議 〜みんなDE勉強会ver.1.0~」が開かれました。

第2回を盛り立てる決起集会的な意味もある勉強会で、講演が2つ、そのほかにグループディスカッションを組み合わせた進行で、いかにも勉強会、研究会という内容なのに、現場の雰囲気は温かい。あちこちで笑い声も飛び出すような、活気ある会合でした。

 

参加者のみなさんが、忙しい業務の合間を縫ってでも見てみたい、手伝いたいと集まる本イベントの魅力はどこにあるのでしょうか。ファーマシストライフ編集部がスタッフとして関わる方々に、うかがってきました。

薬局アワードスタッフのプロフィール

※左から

竹中 孝行
たけなか・たかゆき 株式会社バンブー 代表取締役、一般社団法人薬局支援協会 代表理事、薬剤師。1984年、静岡県出身。共立薬科大学卒。外資系製薬会社に勤務後、独立。薬局事業、岩盤浴やエステなどの美容事業、医療機関向けのECサイト運営などのメディア事業、介護事業などを手がける。
中尾 豊
なかお・ゆたか 株式会社カケハシ代表取締役。武田薬品工業株式会社に入社後、MRとして活動。日本の医療の課題を、薬局、薬剤師の視点から改革することを思いつき、2016年に、KAKEHASHIを創業。タブレットを使って服薬指導や健康指導などがわかりやすく行えつつ、薬歴の業務負担を実現するクラウドサービス「Musubi」をスタートさせ、話題となる。
福田 惇
ふくだ・じゅん 株式会社コーディアル代表取締役、薬剤師、一般社団法人 尼崎市薬剤師会理事。株式会社バンブーに勤務していた縁で、竹中氏と知り合う。現在は、兵庫県で2店舗の薬局(まごころ薬局)を経営しながら、地域のコミュニティーを再構築する事業を展開中。
菅原 未記
すがはら・みき 株式会社日本経営承継支援 広報担当。2017年より現職。市井の人々の目線に近い立場から、薬局業界が抱える問題を改善していこうと奮闘中。

 

薬剤師や薬局の仕事にもっと活気を! と集まった、有志たちの思い

 

──みなさんは、この一連のイベントのスタッフとして活躍されているわけですが、まずは参加の動機や現在の役割について教えてください。

中尾

私は「薬局アワード」の立ち上げメンバーのひとりでもあります。このプロジェクトに関わる前から、本業である薬歴サービスのヒアリングを介して、ある実感を持っていました。

まだまだ、工夫している薬局さんも多いのにその試みは国民や患者さんに届いていないなあという。そんな問題意識を感じていたころに竹中さんと知り合い、患者さんがもっと薬局を身近に感じられるようなきっかけを作りたいと、意気投合しました。

 

福田

僕は第1回開催が決まるちょっと前に、竹中さんから「発表してみませんか」と声をかけてもらいました。

まだ僕自身は、登壇して話すほどの活動ができていなかったので、最初は「薬剤師資格を持つ観客として」参加しました。

プレゼンタイムに見たさまざまな薬局の取り組みはみな興味深くて、僕がぼんやりとやってみたいなと思っていたことにすでに取り組んでいる薬局もありました。

 

──具体的にはどんなものですか?

福田

第1回の発表ですごくいいなと思ったひとつは、患者さんがイベントの主催者として薬局でさまざまなイベントを実施しているという発表でした。

薬局にいらっしゃる患者さんの中にコーヒーを淹れるのが得意な方がいらした場合は、その患者さんにお願いして他の患者さんにコーヒーの入れ方を教える教室をしてもらう。

生活に新しい刺激をもらう楽しみもあり、教える方も習う方も、それ自体が認知症予防にもなりますし、そこで参加した患者さんが、今度は自分の得意な分野で教室を開催したいという思いが生まれ、コミュニティーの和が広がっていくという素晴らしい内容でした。

「このような素晴らしい取り組みをしている方々と、もっと意見交換してみたい。それならスタッフとして参加したほうが、知り合える機会も多くなるな」と完全に下心からスタッフへの参加を決意しました(笑)。

福田

関東でこんな面白いことをしているのだから、関西でももっとおもしろい薬局、薬剤師の人間関係を密にしていきたいという思いで、僕はいま関西から支援している状態です。

 

竹中

福田さんは関西在住なんですが、日々の打ち合わせや本日も手弁当で参加してくださっています。

実際、スタッフを増やそう、集めようとする前に、気づいたら何人もの方が自主エントリーで手伝ってくださっていた状態で。

みなさんが「薬局や薬剤師の仕事を盛り上げよう!」という目標に共感してくださるので、本当に嬉しく思います。

 

菅原

私は「薬局アワード」の決起集会というか、プレイベントがあったときに受付を担当しました。

それまでにも竹中さんの手がけた別のイベントに足を運んだこともあったので、「薬局アワード」も瞬間的に面白そうだと思ったんですね。

私は薬剤師ではないので、何かスタッフをやらせてくださいと申し出ました。主に撮影などを担当しています。

あと、「薬局アワード」は本来、一般向けに開かれたイベントなのですが、参加者はいまのところ、ほとんどが薬剤師さんや薬局の世界に詳しい方たちです。

一方で、私は薬や薬局のプロではありませんから、意見交換などのときには、より一般的な視点から疑問を投げかけるように心がけています。

 

竹中

そういえば、前回の「薬局アワード」では、パネルディスカッションの場を設けたんですね。

一般の方からの想定質問や、どんな回答が一般の方には役立つのだろうと考えてみたんですが、僕ら薬剤師が考えたものはどうしても難しい方向になってしまう傾向があって…。

 

菅原

ふつうは「なぜお薬手帳って必要なの?」「お薬手帳を持って薬局に行くと、何が便利なの?」というレベルから聞きたいし、一般の患者さんはわかっていないものです。

 

竹中

菅原さんが挙げてくれる質問こそ、一般目線なんだなと、あらためて感じ、とても勉強になりました。

 

菅原

そういう点がいちばん貢献できているのではないかと思います(笑)。

 

患者さまに薬局からの情報を届けるプラットフォームを目指して

 

──みなさんは、具体的にはどんなところから薬局アワードの面白さに気づき、手伝いたいと感じたのでしょうか。

福田

僕は「薬局アワード」が、患者さまに薬局の役割や魅力を知ってもらうためのプラットフォームになりそうだと思ったからですね。

いまはまだ、薬を棚から取って、数えて、ゴムで留めて出す人が薬剤師だと思われているかもしれませんよね。実際、それが患者さんから見える薬剤師業務の大半ではあると思いますが、見えない所で安全に薬を服用してもらえるような仕事も沢山しています。

また、自分の薬局を差別化するために工夫している薬局さんも少なくないのに、行き届かせるのは不得手だったり。なので、発信力があるプラットフォームを作る手伝いをしたいと考えたんです。

 

菅原

私も決起集会の懇親会のときに、「自分はいま、在宅でこういう試みを始めていて……」と、夢を持っている薬剤師さんがこんなにいらっしゃるんだと知って、心が動かされました。

それまで私の中にあった薬剤師さん像は、ぶっきらぼうで、薬を渡すついでに儀礼的に「お大事になさってください」と言う人……。ちょっと言い過ぎかも知れませんが、そういうイメージでした。

薬をもらうとき、門前薬局といわれる、病院のすぐ隣にある調剤薬局に行く患者さんは多いですが、そうした薬局で見かけるタイプとは違う薬剤師さんたちが全国規模で集まると言うし、「どうやって地域の人と関わり、盛り上げていくんだろう」と、単純に興味がわいたんです。

 

中尾

本業の関係で、これまで優に300~400軒の薬局にヒアリングしてきました。

通常業務に加え、付加価値のある活動をしている薬局は確かにあります。にもかかわらず、いまだに薬局は「患者さんが処方箋に従ってお薬をもらう場所」というイメージが根強いですよね。

なぜかといえば、患者さんが薬局に行くと得するという体験をしている人が少ないのと、体験を提供できている薬局も認知度が低かったりするからだと思うのです。

収益性など色んな理由はありますが、せっかく良い工夫や活動をしているのに、広めるための仕組みはないことが歯がゆくもありました。薬剤師同士で議論する場や媒体はあるんですが、国民に対して示す場がないですよね。

そんな思いを竹中さんと語り合ううちに、イベントをやろうという方向にどんどん具体化していきました。

中尾

そこからは、人集めですね。参加者を募り、審査員の選定、登壇していただく方の募集など。会場周辺へのあいさつ周りなど、いろいろやりました。

 

──実際に1回めを開催してみて良かったと思った点、1回めではこなし切れなかったと感じた点などはありましたか。

中尾

評価できる点は、やはり薬剤師さん、特に登壇していただいた方々の熱い思いを聞く機会を作れたことではないでしょうか。

また、パネルディスカッションを通して、薬を渡す以外の場所としての可能性を話し合えたことですね。いい悪いも含めて、さまざまな疑問点や、気づきはが生まれ、ディスカッションできたのは収穫でした。

反対に、患者さんからの薬局や薬剤師に対する期待値が低いという課題を、再認識しました。

 

——薬局は、いまや患者さんの病状に合わせたお薬を渡すだけの場所に甘んじていてはいけないと。

中尾

そうです。これは「薬局アワード」に限らず、業界全体の課題でもあるのですが、時代に合わせて、薬局も変化していくべきだという意識を持っている薬剤師さんがもっと増えてもいいですよね。

私は、薬局に入ってから出るまでの体験に、ものすごく可能性があると考えています。

お薬の説明は必須ですけれど、待ち時間もあるわけだから、その間に何かモノや情報を得られる場所にするとか。薬局側ももうちょっと柔軟に考えると色んな可能性はありますよね。

他業界の方と話すのも一つの手なのかと思っています。薬剤師同士だけで議論するよりも思考が広がる可能性もあるかとも感じています。

 

福田

僕が理想としているのは、まさにそういう “ちょっとしたお得感や楽しみがある” 薬局なんです。

ご近所の患者さんたちが、「きょうは薬をもらいに来たんじゃないの」と言いながら、ふらりと寄ってくださるコミュニティースペースになったらいいなと思っています。

もちろん忙しい時間帯はあるので、そういう切り替えは必要でしょうが…。

ちなみに、僕が経営する薬局でも積極的に会を催しているんですよ。たとえば、妻がヨガのインストラクターの資格を持っているので、高齢者向けの椅子に座りながらできるヨガを一緒にやったりしています。

 

竹中

薬局独自の取り組み、差別ブランディング化は、今後益々、進んでいくのではないですかね。

調剤報酬の改定が今後薬局にとって厳しいものになっていくことが予想されますが、その中で、薬局も時代や社会環境に則した体制へ変化していくことが大切だと思っています。

 

菅原

いま薬局は全国に約57,000店舗あって、コンビニを上回っていると言われています。

私が働いている会社は、薬局の譲渡支援やM&Aなどをやっているので、業界全体が厳しい状況にあるのは身にしみて感じています。淘汰の動きもありますね。

 

>【後篇】に続く(12月4日公開)

※ファーマシストライフ編集部 (取材・文/三浦天紗子)

 

みんなで選ぶ 薬局アワードとは? 】
全国から、創意工夫している薬局の取り組みを募集し、独自の審査基準に基づいた厳正な審査を行い、最終的に代表薬局を選出。一般の方を対象とした「みんなで選ぶ 薬局アワード(決勝大会)」にて発表します。審査員と会場にお越しの一般の方の投票により、最優秀賞の薬局を決定するイベントです。 ※主催:一般社団法人 薬局支援協会
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都内の調剤薬局に勤務中。

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