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創薬研究について
創薬研究とは病気の原因の1つに着目し、治療に有効な新薬の種(シーズ)を探す研究をいいます。
医薬品を開発するという大きな仕事に付随する膨大な手順の第一歩です。研究対象となるシーズのうち、新薬として世に出る確率は1万分の1~2万分の1と言われています。
一口に創薬研究と言っても、様々なアプローチがあります。新しい化合物についてコンピュータ上での理論合成や実際の合成をおこなう化学系の手法、生物を探査し体内の微生物やホルモン物質を見つける微生物系の手法、そして遺伝子研究から探索する遺伝子系の手法などがあります。
ゲノム創薬について
遺伝子系の手法は「ゲノム創薬」とも呼ばれます。
2003年に人間の遺伝子の設計図といわれるヒトゲノムの解読が完了しました。このヒトゲノム情報を元に、病気や病態に特異的に効果を示す医薬品を開発しようとする手法をゲノム創薬と呼びます。
その手法には3つの方向性が示されています。
- cDNA解析
- 細胞が分裂する際に、遺伝子が作るコピーを使用してDNSそのものの遺伝子機能を解析する手法
- バイオインフォマティックス
- 生物情報科学とも訳される学問分野。DNS配列・アミノ酸配列・タンパク質立体構造などの生命関連情報をデジタルデータ化し、コンピュータ上で医薬品開発を行う手法
- プロテオーム解析
- 病気にかかっている患者のプロテオーム(細胞の中のタンパク質)と正常な時のそれとを比較して、病気に関連するタンパク質を見つけ出す研究手法
これら3つの応用分野として、SNPがあります。親から子へ遺伝的に継承されるSNP(スニップ)と呼ばれるDNAの変異部分があります。これは個人の特性や体質を決定し、病気のかかりやすさや抵抗力、薬に対する反応性や副作用にもかかわっていると考えられています。これらのさまざまな感受性の情報をデータベース化し、医薬品の開発に応用しようとするものです。
またバイオインフォマティックスは、たとえばヒトとネズミの共通の遺伝子情報をコンピュータで検索し、ネズミの遺伝子になんらかの負荷をかけ影響を調べればヒトへの影響も推測できるとするものです。従来はひとつひとつの研究を手作業で行うところをコンピューターを使って瞬時に行うため、大幅な時間と労力の節約が可能となります。
ゲノム創薬の分野はまだ始まったばかりです。それは日本の医薬品業界の産業構造にも変革をもたらすかもしれないのです。
こうして研究が完了し安全性・有効性の観点からその物質が有効なシーズであると認定されれば、次の段階の前臨床研究に引き継がれます。ここで創薬研究は終わりとなります。
この世に存在しない新しい薬を産み出し多くの人々の健康に寄与するという事は、医薬品業界に関わる全ての人にとっての究極の夢であると思います。
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