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調剤薬局と漢方薬
漢方薬をメインに取り扱っている調剤薬局以外の薬局では、定期処方の1つに漢方薬があるというだけで、詳しく説明することも少ないと思います。
ただ、漢方薬を正しく飲んでもらうことで患者さんの生活の質が向上することを時々経験します。
例えば、更年期障害で当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)を服薬している患者さん。薬局での日常会話で更年期障害の症状は改善しているが、手足の冷えや浮腫が続いていることがわかったとします。
漢方薬を定期薬と一緒に顆粒のまま服薬していたら、この冷えと浮腫は改善しないかもしれません。ただ、患者さんから冷えや浮腫があることを聞き出すことができ、漢方薬の本来の飲み方の温湯に溶かして空腹時に服薬する事を患者さんに伝えることができれば、冷えや浮腫が改善するかもしれません。
西洋薬で治療しながら漢方薬で生活の質を改善するというのは、質が高い医療につながると思っています。
しっかり検査をして病気を見つけ、西洋薬で治療する。
しっかり会話をして症状を見つけ、漢方薬で治療する。
この二つの組み合わせは、これからの高齢化社会で求められる事が多くなると思います。この治療をしっかり行うためには、薬局の薬剤師がしっかり服薬指導する事が必要だと思います。
漢方薬の情報を患者さんに伝えるためには、ある程度の漢方薬の知識が必要となします。さらに、患者さんの自覚症状を普段の何気ない日常会話から聞き出すコミュニケーション能力も必要になると思います。
ただ、勉強して得た知識の全てを患者さんへ伝えようとすると、医師の説明と食い違いが生じたり、患者さんが不安になったりする可能性があるので注意する必要があります。
これからの薬剤師は、薬や病気の知識だけではなく、コミュニケーション能力も必要になってきます。患者さんとしっかりコミュニケーションをとることで、薬剤師の仕事が増えていくと社会での立場が変わってくると思います。
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