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薬剤師に求められる服薬指導
調剤したお薬をお渡しする際、患者さんからよくこんな言葉を聞くことがあります。
「この薬は副作用の心配はありませんか?」
薬剤師はお薬の専門家ですが、医師ではありません。
ですので、薬の効果や副作用について説明をするのは、あくまでも患者さんを直接診る医師の役割です。医師法第17条にも「医師でなければ、医業をなしてはならない」とありますので、医師が行う服薬指導と薬剤師が行う服薬指導とでは、当然、その内容と位置づけは異なります。
薬剤師の服薬指導
では、薬剤師が行う服薬指導の位置づけや効果的な指導法、心構えはどのように考えればよいのでしょうか。
その大前提には、「独自性を持つことは大切だが、決して独善的であってはならない」ということです。たとえば、間質性肺炎の患者さんに副作用について質問をされた場合、あなたならどのように説明をしますか?
もしも、「このお薬は、副作用の発症率は小さいものの死亡率は高いんですよ」などと説明したとしましょう。この服薬指導は、いったい何を目的としているのでしょうか?
同じ間質性肺炎でも、それが小柴胡湯ならば「2~3週間して発熱やセキが出たら、すぐに連絡してくださいね」という説明なら、患者さんに余計な心配をさせずに済みます。また、こうした説明をすることで副作用の早期発見にもつながるのです。
薬剤師は医師と違い、患者さんの病識や学識、環境などの予備知識がほとんどない状態で服薬指導をするケースがほとんどだと思います。ですので、その分、行き届いた心配りが必要になります。
独善的な判断からの服薬指導では、患者さんと医師との信頼関係を崩してしまう可能性もあります。
あくまでも患者さんのコンプライアンスを高め、治療の手助けをするのが薬剤師の行う服薬指導の位置づけです。そのためには、服薬を続けることの大切さや飲み方のアドバイスを中心に、患者さんからの質問にも丁寧に答え、分からない点は医師などの確認をとるなど誠実な対応を心掛けることが大切なのではないでしょうか。
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