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調剤薬局の再編・淘汰の時代
皆さんは日本全国にある調剤薬局の数をご存じでしょうか。
1997年に薬剤師会が発表した適切な調剤薬局数は2万4000軒でした。しかし、発表から約20年後の2014年には5万4000軒、2019年には6万171軒もの調剤薬局が存在するようになりました。なんと、当初の適正薬局数より3万6000軒も多くなったのです。
以前から業界では薬局の再編&淘汰の話題が持ち上がっていました。そして2020年、コロナにより医療機関への受診患者数が減少し、首都圏を中心に薬局の求人数も変化していきました。
今回は、再編と淘汰の軸やターゲット薬局についてお話していこうと思います。
再編&淘汰の軸は?
調剤薬局 は、医療法上の医療提供施設ですが営利企業の集合体です。原資は、国民の医療費ですが、企業なので利益を上げなくてはいけません。
調剤薬局市場としては、1年で6.6兆円といわれており、6.6兆円のうち、大手チェーン薬局上位10社が売上の10%を占めています。この10社は経営戦略により、今後も利益を上げ続けるだろうと言われています。
経営戦略には、業務提携、経営支援、共同出資、医薬品の共同仕入れなどがあります。その過程で、調剤薬局の再編&淘汰が現象化してきます。
つまり再編と淘汰の軸は、戦略並びに体力のある大手の調剤薬局チェーンと言われています。
ターゲットは?
再編と淘汰のターゲットとなりやすい調剤薬局は、主に3つの問題を抱えているところと言われています。
1. 経営の失敗
2. 教育整備が整っていない
3. 後継者問題
1. 経営の失敗
経営の失敗にはさまざまな要素があるとされますが、固定費が高いと薬局維持は困難と言われています。主な固定費としては、地代賃貸料、人件費です。これらが相場より高いところは、経営を圧迫しやすいので注意です。
また、外的環境の変化により急な経営の悪化も起きることがあります。
マンツーマンとしての調剤薬局の場合、門前クリニックの撤退や引越しにより影響を受けます。全く流行らないクリニックのマンツーマンも辛いですし、又あまりに有名な医師のクリニックは物理的に整備された環境へ移転する傾向がありますので先が不安です。
2. 教育整備が整っていない
薬剤師の雇用関係を考える上で、重要な要素の1つに教育があげられます。 教育がしっかりしていると新卒の採用を増やすことができるからです。教育と言っても、学術面だけでなく社内で行う社会教育全般をオールラウンドで整えられていることがポイントです。
3. 後継者問題
調剤薬局に関わらず、組織の後継者の有無はとても重要ですね。調剤薬局の存続に直結するところです。近年、自営や中小の調剤薬局では後継者不足で店を譲り渡すケースが多くみられます。
理想の職場はどのように見つける?
日本の人口対比による調剤薬局数は多いとされ、2019年までは再編といえばM&Aが主流でした。
そんな中、2020年に起きたコロナによる緊急事態宣言で首都圏の受診患者数が激変するという今までにない現象が起きました。都心では地代を払えず閉院するクリニックが相次ぎ、必然的に門前薬局も減収となりました。
転職を希望する薬剤師は転職サイトに登録しておき、よい求人が出てくるまでタイミングを待つというスタンスが基本となりつつあります。
これからの薬剤師の転職活動では、業界の大きな流れやタイミングを考えながら行うと、より理想の職場を見つけられるでしょう。
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