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薬局での血液検査ついて

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平成26年3月31日に厚生労働省より臨床検査技師法に基づく告示の改正が公布され、それに伴い、翌日の平成26年4月1日より、薬局などでの自己採血検査が正式に認められることになりました。

自ら採取した検体について、診療の用に供さない生化学的検査を行う施設が「検体測定室」として加えられ、届け出を行うことで自己採血検査が行えるようになったのです。

これまで薬局等での自己採血検査は法的位置づけが不明確であり、いわゆるグレーゾーンとして扱われてきました。これが解消されたことにより、地域の健康拠点として、薬局の取り組みに期待が持たれています。

ターゲットは、自営業や子育てで忙しい主婦など、定期的に健康診断を受ける習慣が無かったり、機会を逃している人たちです。糖尿病など、自覚症状が無いままに進行しているケースがあります。身近な場所で、手軽に検査が受けられることで、健康意識を高めるきっかけになります。

血液検査の具体的な手続きや運用上の留意点

実際には、どのように薬局で実施されていくのでしょうか。
厚生労働省は、平成26年4月9日、「検体測定室に関するガイドライン」を出しています。

具体的な手続きや運用上の留意点を大まかに見ていきましょう。

届け出

厚生労働省医政局指導課医療関連サービス室長に7日前までに届け出ること。

必要な人員

検体測定室ごとに運営責任者が必要であり、医師、薬剤師、看護師、臨床検査技師のいずれかであること。実際の測定も、医師、薬剤師、看護師、臨床検査技師に限る。

測定前に説明しなければならない主な内容

  • 特定健康診査や健康診断などではないこと
  • 検体の採取、消毒、処置は受検者本人が行うこと
  • 抗血栓薬の服用や出血性疾患を有している場合には、サービスが受けられないこと
  • 測定結果についての判断は、受検者本人が行うものであること
  • 結果の良し悪しに関わらず、改めて医師の指示による検査を受ける必要があること
  • 穿刺による疼痛や迷走神経反射が生じることがあること など

測定できる血液検査の項目

  • 肝機能検査(GOT[AST]、GPT[ALT]、γ-GTP)
  • 血中脂質検査(中性脂肪、HDLコレステロール、LDLコレステロール)
  • 血糖検査
  • 尿検査(糖及び蛋白の有無)

測定後の説明の留意点

  • 測定結果を踏まえて、物品を購入するようすすめてはいけない
  • 測定結果が基準の範囲内であるか否かに関わらず、健康診断などの受診をすすめる
  • 診断となるような回答はしない
  • 特定の医療機関の紹介を行わない

広告・表示について

診療所、健診センター、診察、診断、治療、健診など紛らわしい広告を行ってはならない

衛生管理について

  • 「医療機関等における院内感染対策」に規定する標準予防策に準じ、適切に行う。
  • 感染防止対策委員会の設置、マニュアルの整備、感染防止についての教育を徹底する。
  • 穿刺器具はディスポーザブルタイプを使用し、「廃棄物処理法に基づく感染性廃棄物処理マニュアル」に基づいて廃棄する。

その他

  • 関係法令、制度管理、衛生管理、個人情報保護などについて研修を行うこと。
  • 作業書、日誌、台帳などを作成する。台帳は20年間保管管理すること。

注意するポイント

  • 検査のための採血は、受検者が自分で指先を穿刺して血液を採取します。感染リスクを回避するために、 薬剤師などが手伝うことができません。
    自己採血、自己処理ができない受検者はサービスを受けられないことも説明しなくてはいけません。
  • 診断後の説明では、「数値が高いので、糖尿病だと思います」というような診断ととれる内容や、「正常値内なので、健康ですね」というコメントもNGとされています。医療訴訟のリスクを回避するためという理由もありますが、医療機関での健康診査を受けるように促す必要があります。
  • また、受検者が自分で判断して購入するのは構いませんが、測定結果を基にOTC薬や健康食品などの購入を勧めてはならないとされています。

具体的な取り組み例

1. 糖尿病診断アクセス革命

2010年10月より矢作直也氏(筑波大学准教授)らにより推進されてきたプログラムです。

検査へのハードルの低い薬局やドラッグストアで簡易検査の機会を提供し、近隣医療機関と連携しながら、糖尿病の早期発見・早期治療へ繋げていく試みを行ってきました。

現在は東京都足立区の薬局と徳島県の薬局それぞれ約10店舗ほどで展開されています。

店頭に小型検査機器を設置し、自己穿刺で糖尿病の判定基準となるHbA1c値を測定し、結果は約6分ほどですぐに分かります。糖尿病が疑われる場合には、薬剤師が医療機関への受診を勧めるという仕組みです。

同プロジェクトは筑波大学を中心に、東京都足立区では、NPO法人ADMS・足立区薬剤師会・足立区医師会、徳島県では徳島文理大学との共同研究として行われています。
矢作氏らの今までの取り組みが、今回の改定に大きく貢献していると言えます。

2. じぶんからだクラブ

スギ薬局やツルハドラッグなどが一部の店舗で行っている取り組みです。

三菱ケミカルホールディングスの子会社、健康ライフコンバスのサービスで、外部委託をしており、測定は同じく子会社のLSIメディエンスで行っています。

実際の測定では、15分から20分くらいの所要時間で、4〜5滴自己採血をして、約1週間後に結果がわかるという流れです。13項目で3067円(税込)です。

おわりに

薬局は予防から関わることで、地域に根ざしたかかりつけ薬局としての活躍が期待できます。検査だけでなく相談やフォローができるからこそ、薬局で行う意義もあるのです。

しかし、検体測定室を設置するスペース、測定機器や備品代、人件費などを考えると、全ての薬局で測定を行うことができるようになるか?というと難しい側面もあります。

OTC薬や健康食品の販促に繋げることができないため、経営面から考えると、患者のニーズに応えたくてもすんなりスタートできず、実際は様子を見ている薬局が多いのではないでしょうか。

薬局での血液検査は、まだ認知度も低く、「薬局で検査をすれば、病院で検査しなくてもすむ」と誤解しているケースも目立ちます。

まだまだ、薬局での血液検査は医療機関での健康診査を促すための「きっかけ」でしかありませんが、手軽に検査を受ける習慣が根付いていけば、自分で自分の健康に責任を持つ意識が高まり、予防の考えや早期発見に繋げることができるようになり、ゆくゆくは将来的な医療費削減にも貢献できるのではないでしょうか。

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