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アナフィラキシー・ショックについての代表的な治療薬・作用
最終更新日:2013年4月13日 公開日:2012年4月3日
「アナフィラキシー・ショック」とは何か?
アナフィラキシー・ショックとは、簡単に言うと、急性の全身的なアレルギー反応で、ショック状態になる場合を言います。
例えば、
- ハチなどの虫に刺される。
- 注射などにより薬物を体内に取り込む。
- アレルギー性の食品を食べる。
- 空気中の浮遊物が目・鼻・口などから入る。
- 飲料水中の異物を飲み込む。
このような方法で、化学物質や微生物などの異物が体内に取り込まれた後、免疫が過剰反応し、アナフィラキシー・ショックが起こります。
アナフィラキシー・ショックは、ほんのミクロ単位の異物でさえ、死を招くほどのショック状態を起こします。
アナフィラキシー・ショックが起こる仕組み
人間の免疫細胞には、自分の体では無いもの(非自己=異物)を見分ける力が備わっています。体が非自己(=抗原)と認識したら、「抗体」を産生して体内から排除しようとします。この働きが免疫反応(※抗原抗体反応)です。
免疫反応は、本来、生物が生きるうえでとても大切な働きです。
ところが、アレルギ-体質の人の免疫は、異物(アレルゲン)が体内に侵入してきた場合、「体に不利益に働く」アレルギー抗体(IgE抗体)が作られてしまいます。そして再度、そのアレルゲンとなる異物が体内に侵入すると、IgE抗体が過剰反応して、細胞から化学伝達物質(ヒスタミン、ロイロトリエンなど)を分泌します。
その結果、炎症を起こし、じんま疹、嘔吐、下痢、鼻水、クシャミ、咳込み、呼吸困難、けいれん、意識障害などの異常な反応が出現します。
アナフィラキシー・ショックの場合には、通常のアレルギー反応よりも全身症状として劇的で過剰に反応が起こります。そのため、緊急に処置をしなければ、患者はショック状態で死亡してしまう危険性が大いにあります。
アナフィラキシー・ショックについての代表的な薬と作用
アナフィラキシー・ショックを起こす人は、いつでもすぐに処置ができるように、常にエピネフリン自己注射用キットや、抗ヒスタミン薬の錠剤などを携帯しておく必要があります。
下記、代表的なものを見ていきましょう。
- エピネフリン
- エピネフリンとは、アドレナリンのことで、ショック状態のときに、心拍数の増加、血圧上昇、血糖上昇をおこない、ショック状態を回避します。
- 抗ヒスタミン薬
- ヒスタミンの働きを阻害する抗アレルギー剤です。炎症をおさえる目的で使用します。
- β作動薬
- 心臓のβ1受容体に作用し、心筋の収縮力増大、心拍数の増大を起こします。また、気管支平滑筋のβ2受容体に作用し、気管支を拡張してショック状態を回避します。
- グルカゴン
- 血糖値を上昇させてショック状態を回避します。
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