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統合失調症についての代表的な治療薬・作用
統合失調症とは、簡単に言うと、脳の情報処理能力が狂い、物事をまとめることが難しくなった病気です。主な症状は幻覚や妄想などです。以前は、精神分裂病と呼ばれていました。
幻覚とは実際には無いものをあるように感じる感覚のことで、本人にはそれが現実であるように感じます。また、幻聴も聞こえる場合があります。被害妄想もよく起こります。
原因はまだ不明だと言われていますが、日本での統合失調症の患者数は約80万人です。
世界平均で言うと、100人弱に1人は発病する危険があると言われています。
考えられる原因としては、脳内での神経伝達物質の代謝異常、更に心理的な要因が大きく関わっていると言われています。
統合失調症になると、一般的な社会生活が困難になるので、社会的な援助も必要になります。
統合失調症の症状は、大別すると陽性症状と陰性症状とに分けられます。
陽性症状の特徴は、思考過程での障害と思考内容の障害です。思考過程での障害の場合、話がまとまらず、的外れな会話になります。思考内容の障害では、妄想が起こります。
特に顕著なのが被害妄想などで、自分の身の危険や自分自身への批判に対する妄想が良く起こります。
陰性症状の特徴は、本来持っていた性質や能力が失われる症状です。
また、喜怒哀楽の表現力が乏しくなり、周囲に対して無関心・無表情・無感動になります。
会話の内容が発展性の無いものになり、意欲も欠落して引きこもり状態になります。
さらに、統合失調症は複数に型分されています。
妄想型、破瓜型、緊張型、鑑別不能型、統合失調症後抑うつ、残遺型、単純型、
その他の統合失調症、特定不能の統合失調症などです。
統合失調症は、原因が不明な為に、病状・症状を緩和する為の薬を処方します。
薬物療法をしない場合、1年以内に70〜80%の患者が症状を再発します。
逆に、継続的に薬を服用した場合には、再発率が20〜30%程度になります。
残念ながら、統合失調症の人のおよそ10%が自殺しています。
◆統合失調症についての代表的な薬と作用◆
■定型抗精神病薬
多すぎる神経物質を一時的に遮断することで、妄想・幻覚を緩和させ、陽性症状を抑えます。
■持効性抗精神病薬
神経伝達物質ドーパミンのD2受容体を遮断して、脳内の神経活動を鎮静させます。
一回の注射で、約2~4週間程度、効果が持続します。
■非定型抗精神病薬
少ない神経物質を増加させるよう促し、正常な数値に戻し、落ち込んでいる気分を元通りにさせます。陰性症状を抑えるための薬です。
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