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神経および筋についての代表的な治療薬・作用
神経の基本単位は神経細胞です。ニューロンとも呼びます。
神経細胞は、神経線維と体細胞とで構成されていて、神経線維の役目は、脳からの指令を電気信号として各細胞に伝えることです。
通常、神経細胞の伝達手段としては、1つの神経細胞の軸索から隣の神経細胞の樹状突起へ向かって、一方向にだけ電気的に信号を伝達していきます。細胞の接合部のシナプスでは、軸索から神経伝達物質が放出され、それが更に、隣接した神経細胞の樹状突起にある受容体を刺激して、新しい電気の流れをリレーのように起こしていきます。
神経のネットワークは、まるで複雑なコンピューターや通信システムのようです。通信システムの配線が途中で切断されたり、システムがダウンすると、情報が途絶えてしまいます。神経疾患や筋疾患の場合でもそれと全く同じことが起きます。体に異常が無くても神経が遮断されると各器官で機能障害が起こります。
例えば、糖尿病で足先などに壊死が起きるのは、神経細胞からの情報が遮断されるているからです。足自体は健康体なのに、神経細胞の情報交換が無い為に、足をぶつけても痛みが無く、その為に傷が出来ても気が付きません。更に、栄養を供給する為の情報も断たれているので、そのまま壊死してしまうと言うわけです。アルツハイマー病やパーキンソン病などでも同じ原理です。脳と末端細胞との間で情報伝達障害が起きる為に発症する疾患です。
筋肉についてですが、今度は逆パターンです。筋肉が動くきっかけは皮膚表面の感覚に由来しています。
特に皮膚の表面近くにある知覚神経を神経終末(感覚受容器)と言いますが、その神経終末が痛みや不快感を感知して、その情報を脳に伝えていきます。そうすると今度は、脳は筋肉がどう反応すべきかと言うメッセージを電気信号として送ります。これらの情報交換は、脳への感覚神経経路と筋肉への運動神経経路と言う、2パターンの複雑な神経伝達経路によって行われています。脳への感覚神経経路と筋肉への運動神経経路の進路のどこででも、情報の遮断が起きると、神経疾患や筋疾患が起きます。
◆神経および筋についての代表的な薬と作用◆
■オピオイド鎮痛薬
オピオイドとは麻薬系と言う意味で、モルヒネなどがその中に入ります。
癌や重症疾患などの激しい痛みに効く強い鎮痛薬です。
■非オピオイド鎮痛薬
麻薬系ではない、アスピリン、イブプロフェン、アセトアミノフェンなどの鎮痛薬です。
■非ステロイド性抗炎症薬
痛みを緩和し、痛みの原因である炎症を抑制します。
■アセトアミノフェン
非ピリン抗炎症剤ですが、解熱・鎮痛効果はアスピリンに匹敵します。
■補助鎮痛薬
補助鎮痛薬としては、抗うつ薬・抗けいれん薬、経口・局所麻酔薬などがあります。
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