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ネフローゼについての代表的な治療薬・作用
ネフローゼとは、腎臓の糸球体が何らかの障害により、正常時では通さないアルブミンなどのタンパクを通してしまい、その結果として尿中に多量の血漿タンパクが持続的に失われた結果、浮腫や高脂血症などを生じる状態をいいます。
更に、そのネフローゼ状態を引き起こす病気をまとめてネフローゼ症候群と言います。
ネフローゼ症候群は糸球体自体の病変によって起こる場合の一次性ネフロ-ゼ(※全体の約80%)と、全身の病気に関連して糸球体病変が起こって尿蛋白が出てしまう二次性ネフローゼとに分けられます。
一次性ネフローゼの発生は免疫疾患に関与するものであるとも推測されています。
二次性ネフローゼは、糖尿病性腎症、心不全、膠原病やその類似疾患、感染症、悪性腫瘍などにより併発します。
ネフローゼの主な症状は、浮腫や大量の蛋白尿、高脂血症などですが、更に、血液が凝固しやすい状態のために、全身及び、特に腎静脈や下肢深部静脈に血栓症が起こりやすくなっています。
そして、高脂血症の影響で動脈硬化が起こり、心臓や脳の疾患も起こりやすくなります。
又、ネフローゼ症候群の患者は全身の抵抗力や免疫力が低下しており、細菌やウイルス感染にかかりやすくなっています。
入院安静が原則となりますが、浮腫を緩和するために、水分、塩分、蛋白質摂取量のコントロールが行われます。
◆ネフローゼについての代表的な薬と作用◆
■ステロイド剤
主な成分として副腎皮質ステロイドが含まれており、サイトカインとプロスタグランジンの産生や作用をブロックして炎症を抑え、痛みやかゆみを緩和します。
又、免疫系をおさえる作用があります。
より直接的な糸球体基底膜の透過性抑制作用による尿タンパク減少を期待して使用される。
■免疫抑制剤
ネフローゼ症候群に対し、ステロイド薬と併用されることがあります。
■抗凝固線溶剤・抗血小板薬
糸球体血管内の血小板の働きを抑え、血液を固まりにくくし、更に血栓の形成を防ぎ、血流を最善な状態にして、尿蛋白を減少させます。
■タンパク製剤
血清アルブミンの低下が著しい時に、アルブミン製剤の点滴静注をおこない浮腫みに対処します。
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