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末期患者の精神的ケア
ターミナルケアと呼ばれる終末期医療では、医療的なケアに加えて精神的なケアが重視されます。
ターミナルケアの対象となる患者さんの多くは末期のガン患者です。この時期になると、医師達が行う緩和ケアに加え、患者さんの精神をいかに安定させてあげるかという精神的ケアが必要になってきます。
末期の患者さんの精神的ケアでは、医師や心理カウンセラーではなく、やはり長年一緒に生活を共にしてきた家族の比重が高くなります。患者さんの中には、痛みを和らげて眠ることよりも、痛みがあってもいいから目覚めていたいと希望される方も少なくありません。こうした希望は、残りの日々を大切な人と過ごしたいという想いからなのではないでしょうか。
ご家族が精神的ケアを行う際に大切なのは、カウンセラーのような専門知識ではありません。ポイントは以下の2つになりますが、これは末期患者さんに接する誰もが心得なければならないことでもあります。
1. やさしく話を聞いてあげる
「死」を目の前にした末期の患者さんの場合、様々な不安や恐怖に襲われます。そんな患者さんの不安や恐怖をやさしく聞いてあげましょう。解決策を示す必要などありません。患者さんが不安や恐怖を具体的に言葉にすることが大事なのです。
2. 一緒になって考えてあげる
死への不安や恐怖が落ち着いてくると、今度は過去に果たせなかった夢や後悔していること、相手への許せない思いなどを話し始めることが多くあります。これに関しては、解決=心の整理ができるようご家族が手伝ってあげましょう。すぐには整理ができない問題もあるでしょうが、一緒になって考えてあげることが大切です。
終末期はご家族にとっても辛い時期です。「家族なのに何もしてあげられない」という無気力感に襲われる方も少なくありません。しかし、忘れてならないことは、ただ一緒に過ごすだけでも患者さんにとってご家族の存在が大きな救いとなっているということです。薬剤師を含めた医療従事者は、こうした末期患者を抱えたご家族の存在も常に頭に入れ、そのケアにも心を注ぐことが大切です。
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