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  5. 第5回 調剤薬局の薬剤師が頭を抱えてい る?!一般名処方の現状

第5回 調剤薬局の薬剤師が頭を抱えてい る?!一般名処方の現状

2012年4月の調剤報酬改定により、一般名処方が大幅に増加。薬剤師調査などを手掛けるネグジット総研によれば、約9割の調剤薬局が一般名処方を受け付けていることが明らかになった。

今回の改定でレセコンの仕様も大きく変わり、しかも、レセプトコンピュータ会社により仕様や方法が異なるため、現場の薬剤師はその切り替えに混乱している状態だ。

当初、今回の改定で一番問題とされていたのはお薬手帳だった。患者さんに拒否されるのでは?と危惧する気配が強く、直前まで対応に追われる薬局も多かった。しかし、フタを開けてみると、一番混乱したのが一般名処方への対応だった。

―― 一般名が厚労省の一般名コードと異なっていたり、調剤した薬品名を処方した医師に伝えたりの手間がかかったりと、現場の薬剤師の方はかなり混乱しているようですね。

杉林:そのようですが、一般名処方が本来の姿ですから。

―― 本来の姿とは具体的にどういうことでしょうか。

杉林:今では後発医薬品のことを『ジェネリック(generic)』と呼んでいますが、本来は後発医薬品のことではなく医薬品の一般名のことを指していたわけです。このことは『generic name』の意味を考えてもわかると思います。ですので、日本でもやっと一般で呼ばれる名前=generic nameが使われるようになったということです。

―― 欧米では商品名ではなく、一般名=generic nameで処方されることがほとんどだとか?

杉林:日本の薬学がグローバル化していないという証拠ですね。今回の改定で世界基準に一歩近づいたというところでしょうか。つまり、本来の姿になったということです。

薬剤師の中には、「先発品のないジェネリックもあります」などと口にする人もいる。しかし、成分名が一般名=generic nameのことを指しているのであれば、先発品のないジェネリックはあるが、generic nameのない医薬品は存在しないという解釈になる。

もともと、後発医薬品はメーカーごとに商品名が異なっていた。つまり、発売当初は一般名では流通していなかったということだ。しかし、「紛らわしい」という理由から、厚生労働省が後発医薬品の名称を「一般名+剤形+含量+メーカー名」で統一するよう通達を出した。そこから、「後発医薬品=一般名」のような誤解が生じているのだろう。

―― 一般名処方が抱える課題はありますでしょうか?

杉林:まだまだ一般の患者、消費者も混乱されていると思いますし、課題は山積みだと言えるかも知れません。この問題は、国際的視野をもって考える必要があるものです。現場の薬剤師自身も混乱しているわけですし、問題を解決するにはわれわれ教育界の責任もありますから。非常に残念ですが、教育界がだらしないからだと言っても過言ではないでしょう。

どうやら一般名処方に伴う調剤薬局の薬剤師たちの混乱は、もう少し長引きそうだ。しかし、本来の姿に戻るという意味では大きな一歩だったとも言える。また今回の改定で、患者さんから積極的に質問をしてきてくれるケースが増えたとする薬剤師も多く、以前よりコミュニケーションが図れるようになったという声もある。

さらに「薬剤師の職能本能をくすぐる改定」「いずれは薬剤師が用法や用量、日数を決定できる時代が来るのでは」と喜びや期待の声もあるのだから、一般名処方がまんざら「混乱」というマイナスだけをもたらしているわけでもなさそうだ。もちろん、そのためには現場の薬剤師たちのさらなる研鑚も必要となるのは言うまでもない。

[ 取材・文: 川端真弓(ライター) ]

>第6回 子どもたちの未来を担う 学校薬剤師の仕事とは に続く

杉林堅次(すぎばやしけんじ)
薬学博士/城西大学薬学部長/公益社団法人日本薬剤学会長。1951年滋賀県生まれ。’74年富山大学薬学部卒、’76年同大学院薬学研究科修了。 同年、城西大学薬学部助手。講師、助教授を経て’98年教授。 この間、’82,’83年ミシガン 大学、ユタ大学留学。日本香粧品学会および日本動物実験代替法学会理事、日本香粧品学会誌編集委員長。 2英文誌のeditorial board。著書「化粧品・医薬品の経皮吸収」監訳(フレグランスジャーナル社)、「化粧品科学ガイド」(フレグランスジャーナル社)、次世代経皮吸収型製剤の開発と応用(シーエムシー出版)、「生物薬剤学」(エルゼビア)他。

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