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【元人事担当者が教える】薬剤師の転職 成功を左右する志望動機の書き方

履歴書を作成するとき、一番頭を悩ませるのは、やはり”志望動機”でしょうか。

「薬剤師は売り手市場なんだから、志望動機なんて無難なことを書いておけば大丈夫よ」なんて考えている薬剤師さんもいるかもしれませんね。

実際、平成27年度の薬学部の新卒の就職率は84.5%、その年の薬剤師国家試験の合格率が86.24%だったことを考えると、薬剤師免許を取得すればかなり高い割合で就職可能であることがわかります。

1)一般社団法人 薬学教育協議会 平成28年3月卒業生および大学院修了者の就職動向調査結果報告書
2)厚生労働省 第101回薬剤師国家試験の結果について

ただし、それはあくまで「就職」の話。転職となると話は少し変わってきます

現に、中堅以上のチェーン薬局では人件費についての見直しが進み、新卒の採用を優先し、中途採用は減らしているところもでてきています。

薬局業界を取り巻く環境は、2年毎の調剤報酬改定のたびに、だんだんと厳しくなっているんです。

そんな状況だからこそ、転職を成功させるなら、今のうちに!なのですが…

中規模薬局チェーンの元人事担当者としてたくさんの履歴書を見てきましたが、無難な志望動機の多いこと多いこと…

これから転職を考えている薬剤師さんには、ぜひ肝に銘じていただきたいのですが、転職が成功するか失敗するかは、志望動機をきちんと書けているかで決まる!といっても過言ではないんですよね。

 

今回は、転職を成功させるための”志望動機の書き方”を中規模薬局チェーンの元人事担当者目線で、ご紹介します。

そもそも、採用決定=転職成功ではない!

転職を成功させるためには、”自分に合った会社”に出会うことが大切といいますよね。

しかし、転職を成功させるためには、それと同じくらい、その会社で自分自身がどのように働いていきたいかを知ってもらうことも大切なんです。

小規模・中規模 薬局チェーンでは、配属や昇進などの人事が比較的自由に行われる傾向があります。そういった場所で自分がどのように働いていきたいと思っているか、会社に理解してもらった上で採用されるかどうかは転職後の環境に大きな影響を与えることがあります。

採用してもらったのはいいけれど、実際に働いてみると、思っていたような環境が与えられず、再び転職することに…という話は珍しくありません。

転職を成功させるための大事なポイントは、「自分の本当の姿を知った上で採用してもらう」これに尽きると思います。

自分に合わない会社に入ってしまって、再び転職活動を行うのは自分自身はもちろん、採用する側も辛いもの。

お互いのそういった辛い状況を避けるためにも、自分に本当に合った会社を見つけ出し、その会社に採用される必要があります。これこそが本当の転職の成功だと思います。

 

少ないチャンスのなかで自分を伝える!大切なのは、やはり”志望動機”

では、どうやって自分のことを相手の会社に伝えましょうか?

転職の場合は、採用から内定までの期間はそう長くはありません。

薬剤師がアピールするにしても、会社がその薬剤師についてを知るにしても、自分だけの力で転職活動をするならば、チャンスは 履歴書・職務経歴書などの応募書類と面接しかないんです。

人前で自分をアピールするのが得意な薬剤師さんは、少ないチャンスで自分のことを知ってもらうことが可能かもしれません。

が、おそらく多くの薬剤師は面接では失敗しないように気を付けるのが精一杯で、本当の自分を知ってもらうところまでは対策しきれないのではないでしょうか。

その限られたチャンスのなかで、効果の高いPRは、やはり説得力のある「志望動機」なんです。

でも、最初に言った通り、ほとんどの人がこの志望動機には無難な回答しか用意していないんですよね。

 

薬剤師 転職で、採用担当者がよく見かける 残念な志望動機とは

人事担当者時代によく見かけた薬剤師の志望動機のパターンを3つ、実例を紹介しながら挙げてみます。

 

残念な志望動機 パターン1【自分の都合しか書いていない

なぜ、この会社を選んだのか、その理由が自分の都合のみで書かれているケースです。これはアピールではありません。

そこを気に入ってくれたのはわかるけど、志望動機以外の部分でうまくアピールできるところがないと採用につながらない可能性が高いです。

ピンポイントで割り切った人材を採用したい場合だったら好印象となることもあるかもしれませんが、採用されたとしても少しネガティブなイメージを持たれてしまう可能性があります。

 

【自分の都合しか書いていない】よくあるNG実例

 

「仕事とプライベートを両立できる環境のため」

「残業がないから」など、ストレートに書くよりはポジティブな表現ではありますが、残業は嫌なのかな…、休みの希望が多いのかな…、勤務の融通がきかなそうだな…、という印象を与えてしまうかもしれません。

 

「家から通いやすいため」、「住み慣れた環境で働きやすいため」

職場を選ぶ上で大切なポイントであることはわかりますが、これだと「通いやすければどこでもいい」と言っているに等しいです。

 

ただし、実例A・Bともに、パート等での採用の場合は例外です。子育て中の薬剤師でも働いて欲しい!というケースは少なくありません。

 

残念な志望動機 パターン2【自分の成長だけが目的になっている

1と、やや共通する内容ではあるのですが、「自分の成長のために」という話を、もっともらしく志望動機にしてしまっているケースは特に多いです。

たしかに、会社としては社員にはどんどん成長してもらいたいと思っています。

しかし、それはあくまでも募集要項にある仕事をまずは、しっかりこなせた上での話。

どんな風に会社に貢献してくれるかもわからないまま、その人の成長のためだけに、会社側は採用を決めたりはしません。

 

【自分の成長だけが目的になっている】よくあるNG実例

 

「さまざまな診療科を経験したい」

単純に様々な診療科を経験したいという志望動機は、中途採用の薬剤師にとってアピールにならないかもしれません。

たとえば、チェーン薬局にとって店鋪異動を受け入れてくれる薬剤師は非常にありがたいのですが、色々な診療科を経験したいから店鋪異動させてほしいと言われると、そのときの会社の状況にもよるので、保証はなかなか難しいもの。

しかも、かかりつけ薬剤師制度ができてからは一店舗に腰を据えて勤務し続けてくれる人材が欲しいという薬局が多くなっています。

多くのチェーン薬局では、薬局実務経験3年未満の新人薬剤師に多くの店舗を経験させ、3年目以降の薬剤師には”かかりつけ薬剤師”として1つの店舗で勤務を期待していることが多い様子

そこで管理薬剤師としての経験を積み、複数店舗を任せられるマネージャー的な役職になってから、ようやく異動が増えていく傾向です。

 

「充実した研修体制に魅力を感じた」

チェーン薬局にとって研修体制の充実は一つのアピールポイントです。そこに魅力を感じて就職を希望する薬剤師を獲得できるのは、研修体制に自信を持っている薬局にとっては嬉しいことではあります。

しかし、採用を担当する人事としては、そこに魅力を感じて応募してきた薬剤師の中から、会社の考える方向にちゃんと成長してくれる素質があるかを見極めます

そう考えると、残念ながら研修体制に魅力を感じるということは、あまりアピールにはなりません。

 

「店舗業務だけでなく経営の勉強もしていきたい」

向上心を感じるポジティブな表現です。しかし、突っ込んで話してみると、まだまだそのレベルには遠いんじゃないかと思ってしまうことも多々あります。

勉強したいという思いは大切ですが、そこに至るために自分がどうすればいいのか会社にどのように貢献できるかということも考えて欲しいと思ってしまいます。

そのあたりまで対策できていなければ、こちらもあまりアピールにはなりません。

 

残念な志望動機 パターン3【具体性がない

肯定的な志望動機に思えても、その理由について具体的な内容が書かれていないため、上辺だけの表現になってしまっているものがあります。

具体的なものがないのに、突っ込んだ質問をされ、うまく回答できずに、無難に書いたことがバレてしまう…という可能性もあります。

 

【具体性がない】よくあるNG実例

 

「企業理念に共感した」

その会社の企業理念を読み、理解した上で書いてあれば良いと思います。

しかし、よく聞くと、共感したというその企業理念すら ちゃんと覚えていない、なんてケースもあります。

企業理念に共感したと言われると、人事担当者としては、他社と比較して、どうしてうちの企業理念に共感できたのかを聞きたくなります。

そこが明確であればプラスに働くのですが、そうでない場合はマイナス評価になってしまいます。

 

「地域に根ざした薬局作りに取り組みたい」

一見ポジティブに思えるのですが、「地域に根ざす」というのは、このご時世、基本的に全ての調剤薬局が目指すところだと思います。

人事担当者としては、やはり、これも「結局、うちの会社を選んだ理由は何なの?どうして、うちの会社でないとダメなの??」と聞きたくなってしまいます。

 

「自身の経験を活かしたい」

これまでどんな経験を積んでいて、その会社でどう活かせると考えているのか、そういう内容が具体的に書いてあれば、かなり秀逸な志望動機となるのですが…やはり具体的に書いていない場合が多いです。

掘り下げてみると「うちの会社でなくてもいいよね」と思ってしまう残念なケースもあったりします。

採用する側は、あなたのどのような経験を、どのように活かすことができると考えたのか、そこを明確にして欲しいと思っています。

 

ここまで8つのNG実例を紹介しました。ただし、非常に素晴らしい経験や経歴を持っている場合は、「当社でこういうことをしてもらえないか」と採用側から提案したくなることもあるので、必ずしも具体性がないとダメというわけではないのですよ…

 

採用担当者が転職活動中の薬剤師にぜひ伝えてほしいと考えている 5つのこと

じゃあ、どんな志望動機ならいいのよ?という薬剤師さんのために、元採用担当者の観点から、履歴書や面接の際に具体的に教えてもらいたい内容5つをまとめました。

1. あなた自身の言葉

最近は本やネットの文章そのままのような志望動機が書かれているケースも珍しくないです。

採用担当者に失礼のないようにというマナーを重視した結果、そうなってしまうのだと思いますが、どこかで見たことのある無難な文章を見ると、やはり残念な気持ちになってしまいます。

逆に、上手な文章じゃなくてもいいので自分の言葉で書いてあるものを見ると、是非その人に会ってみたいなと思います。

 

2. 志望動機のキホン「なぜこの会社を選んだか?」

会社としては、長く働いてくれる薬剤師を優先的に採用したいのですが、そのためにも他社と比較して、この会社のどのような部分に魅力を感じてくれたかを具体的に伝えておくことは、やはり重要なのではないかと思います。

その上で会社の経営方針や活動などに賛同してくれていると、ぜひ一緒に働きたい!という気持ちになりますよね。

 

3. 好きだった業務

前職での経験や、その中で就職後に活かせるスキルなど、自分の能力をアピールしてくれる薬剤師もいるのですが、中でも好きだった業務やその理由も教えてほしいと思っています。

どういう業務に対して積極性を持ってくれるのか、前向きに仕事に取り組んでくれるのかを知ることで、人事としては、具体的に就職後に任せたい仕事をイメージしやすくなります

 

4. 就職後の働き方

就職後の姿というのは近い未来の姿です。表面的な内容ではなく、就職後の働き方に繋がるような具体的な内容を教えてほしいと思います。(②・③と若干重なる内容ではありますが、採用されれば、実際に働き出すわけですからね)

この会社に入って、どのような仕事に取り組んでいきたいと思っているかを教えてもらうことで、お互いのニーズがうまく噛み合うのか知ることができます。

 

5. 思い描いているキャリアプラン

これは④よりもさらに先の話になります。

キャリアプランを聞くことで、どのような分野の仕事にモチベーションを持って取り組んでくれるかを探ることも可能です。

また人事としては、将来的にどのような姿を目指していくのか?という、その薬剤師の将来像が会社で叶えられるのであれば、長く働いてもらうためにも、それに沿うような形にしていきたいと考えます

この将来像を知ることで、その薬剤師の考え方や会社との相性もわかります。

 

この5つがマッチするなら、その薬剤師は、会社としては是非とも欲しい人材ということになります。

まとめ

いかがでしたか。志望動機の書き方について、今までとは少し考え方が変わったでしょうか。

志望動機というのは相手に自分自身を伝えるチャンスです。本当の自分を会社に知ってもった上で就職すれば、会社もそれを踏まえた上で対応してくれるはずです。

本人は転職を繰り返すことなく安心して働くことができ、会社にとっても長く働いてくれる人材を獲得できる。お互いにとって満足できる結果を生むためにも志望動機の書き方は大切ですよ。

より良い会社に出会い、採用され、転職を成功させるためにも、これから転職を考えている薬剤師は志望動機に力を入れてみてくださいね。

 

おわりに

薬剤師と会社の間を取り持ってくれるのが薬剤師の転職サイトです。

転職サイトに登録することで、担当のコンサルタントがついてくれます。このコンサルタントの方々は求人情報がてている薬局、病院、企業のことを転職希望者とは別の視点から詳しく知り尽くしているプロの方々。

その方々に相談することで、時間をかけて調べなくてもその会社で求められている薬剤師像を知ることが可能になりますし、自分では思いもよらないアピールポイントが見つかったりもします。

もちろん、志望動機を作成する相談にものってくれますよ。

薬剤師 転職サイト。
忙しい人や説得力のある志望動機 作成に自信のない人は必見だね!
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