病院薬剤師と看護師

今日薬剤師は単独で業務をこなすだけでなく、医師・看護師・薬剤師の多職種連携で仕事を行う試みも始まっています。

そのひとつが在宅医療です。入院しないで自宅にとどまる患者に対し、医師が往診して治療する方式が在宅医療です。通常は主治医と副主 治医に看護師、薬剤師が複数人かかわって医療チームを作って治療に臨みます。

在宅医療チームに薬剤師が加わる事で、どんなメリットが生まれるでしょうか。
例えば、薬剤師が参加する事で、医師や看護師が悩んでいる薬の管理の問題も簡単に解決できます。

また、調剤薬局では患者に薬を処方して渡すところまでで仕事は終わりですが、在宅医療では、実際に薬を飲んでもらえているかまでがその課題となります。例えば「在宅の認知症の患者は飲まない」と言われているそうで、その原因を探り誤解があれば誤解を解いて服用させる事も重要な責務となってきます。また、複数の医薬品を併用している場合、同一効果などの薬を省く事ができるのも薬剤師だけです。これらの働きにより、看護師は本来の看護の仕事に専念できるようになります。

このように医療チームに加わる事で、薬剤師の業務領域を広げる事が可能となります。何よりカウンター越しの仕事でしかなかった調剤薬局の薬剤師が、外に出るチャンスでもあるのです。

一方で、現在特定看護師の資格の制度化が進められています。十分な実務経験のある看護師が、専門教育を受けて取得するのが特定看護師で、医師だけに許されている医療行為の一部が認められます。これが実現すると、看護師はより医師に近い業務に携わる様になり、それに従い薬剤師も、点滴のボトル交換など看護師の業務の一部を担う事も考えられます。

今後は、薬剤師は単独で業務をこなすだけでなく、多職種連携で仕事を行う機会がどんどん増えていくと予想されます。